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インドのホテルベンチャー「OYO」日本の不動産賃貸業に参入

2019.2.20|不動産投資ニュース

ソフトバンク・ビジョン・ファンドが投資していて、IT技術者が700人を超えると言われるインドのホテルベンチャー「OYO」が、日本の不動産賃貸業に参入するようです。

インドのホテルベンチャー「OYO」が日本で賃貸サービスを開始、入居・退去がスマホで完了

2013年に創業したインドのホテルベンチャー・OYO(オヨ)が、日本の不動産業界に近日参入し、賃貸サービス『OYO LIFE』を開始することが分かった。

インド最大級のホテルチェーンに急成長したOYOは、インド国内で350都市・10万室以上、中国で171都市・8.7万室以上を展開している。このほかマレーシア・ネパール・イギリスでもホテル事業を展開し、日本でも同様にホテル事業を開始すると予想されてきた。しかし、日本ではこれまでとは大きく異なるアプローチを不動産業界で仕掛け、ホテルに泊まるような簡単な手続きで住居を選べるような、新しい世界を創る考えのようだ。

以下のウェブサイトに、事業に対する決意や、働いている人の概要が掲載されています。

なにをやっているのか

OYO LIFEに関しては、ホテル、宿泊とは切り離し、不動産業界で、住宅チェーン網を構築します。初期費用、契約期間の拘束、保証人、書類手続き等の負荷を極限まで解消し、不動産、住宅環境へのパラダイムシフトを起こすべく、「今」飽くなき挑戦を開始します。

(中略)

立ち上げメンバー30名程度でしたが、数ヶ月で85名までに拡大しております。インド人、日本人、台湾人、香港人、タイ人と多国籍、異文化環境下で、リトルインディアのようなダイバーシティを大切にしております。 また、世界最高峰のMBAスクール卒、外資系経営コンサル、日本屈指のメガベンチャー企業出身者等、海外経験豊富な各界の優秀なメンバーがボードメンバーに揃っており、不要な階層分けもなく、フラットで風通りの良い環境下で、部門横断的に働いて頂いております。

日本の不動産業界は、確かに旧態然のルールの上で、日常の業務を遂行していますので、決して現代に合わせた便利なサービスが提供されているとは言えません。それどころか、レオパレス21問題でやや薄れた感があるものの、アパマンショップの消臭スプレー問題を通じて、かなり問題がある営業をしていることが一般社会に露呈しました。

「不動産テック」を推し進める人にはどんどん改革の風を吹かせていただきたいと願います。

ただし、グーグルですら過去に日本の不動産賃貸業に進出したものの撤退しました。人口知能を用いた不動産テックの話も、宣伝やキャッチコピーは素晴らしいものの、今ひとつ盛り上がりに欠けていると思います。かつての「IT」バブルのように、なんでも「AI」を使えば人気が出そうな薄い印象さえ受けます。

上記の「OYO」のウェブサイトに、

ソフトバンク会長孫さんに恩返しをする事を踏まえ

と記載されているように、株式上場して創業者や投資家に利益をもたらすような、日本の不動産業界と不動産テックを融合するビジネスモデルは構築できると思いますが、

不動産、住宅環境へのパラダイムシフトを起こすべく

を実現するには、業界団体を味方につける必要があります。

「不動産テック」という言葉が一躍注目される要因になったソニーやヤフーも、不動産業界と対立した上で、以下の通りの状況に留まっています。

ヤフー×ソニー不動産への反発高まる全宅連も「物件情報」提供打ち切りへ

ヤフーとソニー不動産が2015年7月に資本業務提携を結んで以来、ヤフーが運営する不動産情報サイト「Yahoo!不動産」が“物件情報ポータルとして公平、中立ではない”という判断のもとに物件情報の提供を打ち切る業界団体が続いている。


ソニー不動産の挑戦が示したこと、住宅業界に“メルカリ”は生まれないのか
ただ、それから2年半。おうちダイレクトについて、不動産業界内では「存在感を示せていない」という声が相次ぐ。

(中略)

さらに、注目すべき事実がある。おうちダイレクトが参考にした米国のCツーC市場が縮小傾向にあることだ。全米リアルター協会(NAR)によると、17年に売り主自ら売り出していた物件の割合は流通市場全体の8%で過去最低の水準という。この背景について米国の不動産市場に詳しい三井住友トラスト基礎研究所(東京都港区)の北見卓也主任研究員は「仲介手数料を負担しても(仲介会社を通じて)多くの人に紹介してもらった方が、より高くより安全に売れる事例が多いためだろう」と推察する。

「OYO」が提供する家具・家電付のサービスは、賃料が相場より高くなると思います。そもそも、そのサービスの先駆けはレオパレス21です。さすがに当面は同じ家具・家電付とはいえレオパレス21をあえて選んで住む方は少ないと思いますし、お気軽に入退去することができれば需要はそれなりにあると思いますが、入居にあたる審査や宅建業法に則る重要事項説明等、一連の手続きを簡素化することには実務上限度があります。

オンラインでの重要事項説明等の法律上必須となる手続きには、手間と時間を要します。その点について既に問題視される事例があるため、法令遵守を徹底するよう、国土交通省から通達がなされています。国土交通省のホームページから引用させていただきます。

賃貸取引に係るITを活用した重要事項説明を実施する場合の法令遵守の徹底について

 今般、国土交通省が実施した調査では、重要事項説明書があらかじめ送付されていなかった事例や、双方向でやりとりできる十分な通信環境でなかった事例など、一部不適切な事例が確認されました。

 貴団体におかれては、賃貸取引に係るITを活用した重要事項説明の適正かつ円滑な実施を図るため、「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」及び「賃貸取引に係るITを活用した重要事項説明実施マニュアル」に基づいた重要事項説明を実施していただくように、傘下会員に対し、改めて、周知徹底していただきますようお願いします。

ホテル事業で成功を収めたように、不動産の所有者から預かり管理する賃貸物件をITを駆使しつつ、入居者目線で満足度の高いサービスを提供する計画のようですが、さて、うまくいくでしょうか。

 

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