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中国のWeWork「Ucommune」米国でIPOへ手続き中!?

2019.11.1|不動産投資ニュース

「URWork」ブランド名でWeWorkと商標権をめぐる争いをし、後に社名を変更したUcommune社が、アメリカでIPOを目指しているとの記事が、少々驚きをもって報道されています。現在37ヶ国・200ヶ所にコワーキングスペースを設置したとのことです。以前はこの2社が世界各地で衝突することが予想されていました。

中国版WeWork「Ucommune(優客工場)」はアメリカでIPOへ

〝中国のWeWork〟である「Ucommune(優客工場)」が9月下旬、2019年度末までにIPO(新規株式公開)を実現するため、アメリカの証券規制機関に目論見書を提出したことがロイターの取材で明らかとなった。

重要視すべき理由:世界最大のコワーキングスペースプロバイダーである WeWork が経営危機に陥り、株式上場計画の廃止へと追い込まれた。また、10月22日にはソフトバンクからの100億米ドルの救済金を受け入れた。それだけに Ucommune のニュースは多くの人を驚かせた。

(中略)

・2018年11月のシリーズ D ラウンドで2億米ドルを調達しクローズした後、Ucommune の企業価値が26億米ドルと評価された。なお、同ラウンドのわずか3ヶ月前に獲得した額は4,350万米ドルであるため、前回と比べ資金調達額が大幅に上昇している。

・北京に拠点を置く同社は2018年、競合他社の Wedo(微度)、Woo Space(無界空間)、New Space(洪泰創新空間)、Workingdom、建築会社の Daga Architects(大観建築)、インテリジェントワークプレイスプラットフォームの Huojian Technologies(火箭科技)を含む計7社を買収した。

・同年、WeWork から「紛らわしいほど似ている」と苦情が出たことを受け、UrWork から現在の社名に変更した。

・2015年に設立され、現在37ヶ国・200ヶ所にコワーキングスペースを置く。350ヶ所まで同スペースの増築を計画している。

 

この記事に記載のロイターの記事(英語版)はこちらです。

Exclusive: China’s WeWork equivalent Ucommune files for U.S. IPO – sources

HONG KONG (Reuters) – China’s biggest shared workspace provider Ucommune has filed a confidential prospectus with the U.S. securities regulator as it seeks an initial public offering (IPO) before the end of the year, two people with direct knowledge of the matter said.

(ご参考までに意訳です)

香港(ロイター)-中国最大のシェア・ワークスペースプロバイダーであるUcommuneは、本年末までの新規株式公開(IPO)を目指し、米国証券規制機関に機密目論見書を提出しました。

 

中国は、総人口が桁違いということもあり、日本に比べて起業する方や副業で自ら事業を開始する方が圧倒的に多いと思います。Ucommune社の展開する事業は中国市場だけでも十分と思われがちですが、WeWorkの経営危機が頻繁に報道されていた際の記事によると、そう単純な話ではなさそうでした。

WeWorkの最大の弱点は中国市場か?:上海に展開するシェア・オフィスの36%が空席

世界展開している商業不動産サービス企業のクシュマン&ウェイクフィールドによると、WeWorkがここ数年間に参入した中国の都市の多くで、現在、オフィスの空室率が急激に悪化しているという:

「中国大陸では最近、全体のオフィス賃貸需要が軟化してきている・・・貿易上の緊張関係が続き、経済成長が減速しているという理由で、ほとんどのテナントが一般的なコスト削減戦略を採るようになっている」と、クシュマン&ウェイクフィールドの調査員であるキャサリン・チェン氏は語った。

つまり、WeWorkにおける問題(の一つ)は、各国の中央銀行が量的緩和による何兆ドルという大量の資金を世界経済に投入した2016年頃、中国などの新興市場に拡大しすぎたということだ。中央銀行が世界中で爆発的な信用創造を行なった結果、世界経済では強力な上昇圧力が生まれ、WeWorkのような企業は2017年〜2018年にかけては天才的な事業展開をしている企業に見えていた。しかしそのような人工的に作り出されていた経済上昇サイクルが終わり、2018年後半から世界同時で経済は悪化局面に突入した。そのとき、新興市場は大打撃を受け、一夜にしてWeWorkが作り上げた事業は不採算資産へと転落した。

 

中国企業ではありますが、中国市場をベースに同社を認識するよりも、グローバル企業として世界中の市場をゲットしていく事業体という目線で同社を認識しておきたいと思います。日本でも多くの企業が同業に参入しましたが、大多数は日本のみで事業を展開しており、WeWorkやUcommuneとでは目指した事業規模が大きく異なります。その違いを認識せずに同じテーブルで論じていては、本質を見誤ることにつながります。

Ucommune(及びWeWork)の事業については、現在は高利益体質ですが経営破綻(chapter11)した同業世界No.1ブランドの「リージャス」から学ぶことが、シェアオフィス 事業の存在するリスク等を想定するためにはいいかもしれません。

加えて、これだけ大中小の企業が参入していますので、差別化をどうするかという点が問題です。一等地を所有するビルオーナーからリーズナブルな価格で借りて転貸借することで、利用者に立地とコスト面での魅力を強くアピールすることや、不動産投資ファンドを自ら設立して物件を実質的に保有しつつランニングコストを削減する金融的な手法により、リーズナブルな価格で最終借主に貸し出すこと等があると思いますが、果たしてどうなるでしょうか。

WeWorkではあまり機能していなかったようですが、入居者同志のコミュニケーションを支援をする等、ソフト面での差別化も図るのかもしれませんね。

 

ちなみにWeWorkではビール飲み放題サービス等を提供していましたが、今後費用が削減されることが想定されるので、廃止されるサービスも出るようです。相場よりも若干高額な賃料支払いを前提に好立地物件を借りることができた営業スタイルが継続できるのかを含めて、今後もその動きを見ていきたいと思います。

 

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