ESTATE BOOKS

 

中小企業経営者・投資家の為の不動産情報サイト ESTATE BOOKS

自社投資|不動産競売|目黒区道無しの土地

2014.8.22|コンサル・投資実績

2009年5月に落札した目黒の土地を紹介致します。ちょっと特殊な案件です。

results_meguro

入札前に、この土地を訪れたところ、破棄されたプロパンのボンベ、自転車、無断駐車の自動車が散乱し、さらに大きな木の枝が隣地にはみだす始末でした。
様々な要因が絡み、目黒と言えども入札件数、入札価格共に低いのではないかという結論に至り、建築、法律のプロフェッショナルと協議を重ねた結果、落札後の活用方法に可能性を見いだすことが出来たので入札しました。
落札後、土地の隣接に位置する地権者様と境界杭立会いをした際、この土地は長年にわたり空地状態にあり、ごみなども勝手に捨てられる状態なので、もし建物が建つのであれば防犯上の点からも非常にありがたい…と言われました。
この土地をどうこうする以前に、近隣の方のことも踏まえ、当社はまずこういった散乱物を撤去し、土地をクリーンにした状態で今後の活用に関して関係各位との交渉に臨みました。
ところで、目黒駅、中目黒駅から徒歩圏内で、閑静な住宅街にあり、近くには有名な音楽家が利用していたスタジオもある希少価値物件が、なぜ長い間荒れ放題になっていたのでしょう?
そこで、一体この土地はどのような歴史をたどっていたのか入念に調べました。
第一に、落札者などの利害関係人しか閲覧できない裁判所記録を調べました。債務者(この土地の前所有者)の相続に絡み、公的機関との間での諸問題が存在していたことが判明しました。さらには、競売に絡んでこの土地を購入したいという方がいらっしゃったにもかかわらず、弁護士を交えて金融機関との間で任意売却交渉をしたものの、残念ながら成功しなかった事実関係も判明しました。
第二に、いつからこの土地が空き地になっていたのか調べるために、茨城県つくば市にある国土地理院に足を運び、過去数十年にわたる航空写真を年代ごとに地道に調査しました。虫眼鏡に虫眼鏡を重ねなければならないようなたくさんの細かい写真から、1時間くらいかけてようやく昭和38年当時には建物があり、昭和41年頃から空き地(更地)になっていることが判明しました。
第三に、隣地を含めて不動産の登記履歴や測量図などを広範囲に調べました。真夏の猛暑の中、何度も何度もこの土地に足を運び、この土地と近隣の歴史や人間関係をいろいろと調べました。
入札前に分かっていたこともありますが、
最終的にこの土地については以下の通りと結論付けました。
1)この土地は建築基準法上の道路に接していないため、土地上には建築が不可である。
2)前所有者は(1)の事実について、相続税を支払う際にはじめて知った。
  ※それまで前所有者が支払っていた固定資産税が減額や払い戻しされたのかは不明
3)前所有者が任意売却をしようとしても、いわゆる「道無しの土地」であるため
  希望の価格では売却できなかった。
4)この土地の測量図は昭和43年当時に関東財務局(分譲主?)により作成されているが、
  既に建築基準法上の道路には接していなかった。
  ※なぜそのような分譲が行われたのかは不明のまま
5)長年にわたり危険な状態で荒れ放題のこの土地に隣接する「道もどき」(写真)は、
  毎日道路として通行人やバイクが頻繁に利用しているが、目黒区としては、
  防犯ステッカーを提供する程度しか協力できない。
6)この「道もどき」は、建築基準法上の道としてはどうしても認められない。
7)実は、隣地の方がこの土地を欲しかった。
以上のことから、落札後の活用プランまで作成しておりましたが、結果的には隣地の方にこの土地をお譲りすることとなりました。
当初の目的とは異なりましたが、隣地の方にはとても喜んでいただきましたし、長年にわたり「死に地」であったこの土地を再生できたことから、不動産再生事業をしている当社にとっては嬉しい限りです。