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日銀の追加金融緩和 右肩上がり予想の不動産投資市場にリスクあり?

2014.11.4|不動産投資ニュース

長期国債を年間約80兆円、ETF(Exchange Traded Funds)を同約3兆円、J-REITを同約900億円、それぞれ保有残高が増加するペースで行うという日銀の追加金融緩和により、割高感のあるJリート等不動産投資市場をさらに過熱させる可能性大です。2020年の東京五輪開催と併せて右肩上がりが予想される不動産投資市場に潜むリスクについて考えてみたいと思います。

20141104

私たちのような不動産業者が直接的に日本銀行(日銀)と関係するのは、各地で問題になっている社宅売却問題くらいだと思います。今回の日銀による追加緩和は、社会全体、不動産投資業界に相当の影響を与える可能性があります。

日銀が追加緩和を決定、長期国債買い入れ年間80兆円に拡大

日銀は31日に開いた金融政策決定会合で、マネタリーベースを年間で約80兆円増加するペースで資産買い入れを行う追加緩和を決定した。これまでに比べて10─20兆円の追加となる。資産買い入れは、長期国債を年間約80兆円、ETFを同約3兆円、J-REITを同約900億円、それぞれ保有残高が増加するペースで行う。

日銀追加緩和 景気刺激効果…介入拡大で劇薬バブル懸念も
今回の追加緩和は、長期国債とETF、不動産投資信託(J-REIT)の買い増しが主眼だ。長期国債の年間の買い入れ額を30兆円積み増し、年間80兆円とするのは、市場金利の低下を一段と促し、お金を借りやすくして景気を刺激する効果に期待している。
一方、ETFやJ-REITの買い入れを従来の3倍に増やすことについては、追加緩和の可能性を視野に入れていた市場関係者の間からも「そこまでは予想していなかった」(野村証券の桑原真樹シニアエコノミスト)と、驚きの声が漏れた。
日銀は、株価市場に連動するETFや、不動産収益をもとでにした投資商品のJ-REITの買い入れを増やすことで、幅広い金融商品市況に働きかける姿勢を強く打ち出した。

この追加緩和により東証REIT指数や不動産関係会社の株は高騰しています。

東証REITも急上昇、一時08年来の高値-日銀の追加緩和で買い増し

10月31日(ブルームバーグ):日本銀行の追加金融緩和決定を受けて、東証REIT指数 は急上昇し、一時2008年以来の高値を付けた。
同指数は一時、前日比63.79(3.9%)高の1721.37を付け08年1月11日(1722.46)以来の高水準となった。終値は3.6%高の1716.55。
みずほ証券の石沢卓志上級研究員は、不動産市況の回復を背景とした需要で「投資口価格(株価に相当)にやや割高感が出ていた」ところに、新たな材料として加わった日銀の追加緩和はJリートの「過熱感を増す要因になる可能性もある」とみている。

新興株31日、ジャスダック反発 日銀追加緩和で不動産株高い

31日の新興企業向け株式市場で、日経ジャスダック平均株価は反発した。大引けは前日比15円53銭(0.69%)高い2260円24銭で、8日以来、約3週間ぶりの高値だった。後場に入って日銀が追加の金融緩和を決めたのをきっかけに上げ幅を拡大した。不動産市場に新たな投資資金が流入するとの見方から、不動産関連株が急伸した。

急伸した株のおかげで、大きな利益を手にした方も多いでしょう。

しかしその一方で、日々の生活が厳しくなっている方もいると思います。決して日本国内の景気が良いとはいえない中、所得が増えないのに円安により物価が上昇してはたまらないです。

ではなぜ、日銀は追加で金融緩和をしたのでしょうか?

 

追加金融緩和の目的は?

日銀のウェブサイトに掲載されている記事です。

「量的・質的金融緩和」とはどのようなものですか?

日本銀行が、2013年(平成25年)4月4日に導入した政策です。日本銀行は、消費者物価の前年比上昇率2%の「物価安定の目標」を、2年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現するため、マネタリーベースおよび長期国債・ETFの保有額を2年間で2倍に拡大し、長期国債買入れの平均残存期間を2倍以上に延長するなど、量・質ともに次元の違う金融緩和を実施しています。

ところが昨今、日銀が導入した金融緩和政策による景気回復シナリオに誤算が生じていることが報道されていました。

景気回復シナリオに「3つの誤算」 景気基調判断4カ月連続「足踏み」 2014.9.6
安倍晋三首相は7~9月の景気動向をもとに消費税率を10%に引き上げるかを判断するが、足元の経済には 「3つの誤算」が生じ、先行きは見通しにくい。

こういった事情があったために、「黒田バズーカ第2弾」と呼ばれる追加緩和策が打ち出されたと思われます。

予想外の“黒田バズーカ第2弾” 背水の陣…物価目標の死守目指す
日銀が予想外の追加の金融緩和策を打ち出したのは、景気回復への足取りが鈍る中で「2年で2%」の物価上昇率目標を何としても達成するという黒田東彦(はるひこ)総裁の強い決意表明だ。政府の消費税再増税の判断を後押しする狙いもあるとみられる。だが、追加緩和して物価目標を達成できなければ責任論が浮上するのは必至。黒田総裁にとっては「背水の陣」となる。
黒田総裁は就任直後の昨年4月、国債などを買い入れて、市場に大量のお金を流す大規模金融緩和を始めた。その結果、円安ドル高が進み、株価も上昇。バズーカ砲と呼ばれたアベノミクスの“第1の矢”は見事に成功し、市場の信認を得た。
だが、このところ経済指標は弱含んでいる。31日公表の9月の経済指標では、有効求人倍率が3年4カ月ぶりに悪化したほか、1世帯当たりの家計消費支出が6カ月連続のマイナス。自営業などを除くサラリーマン世帯の実収入も12カ月連続で減少した。総務省は「消費税増税による実質賃金の低下が原因」と分析した。

消費税を10%にすれば景気が一段と冷え込むのは確実と見込まれることから、日銀による追加金融緩和への期待が強まっていたのでしょう。なんとしても消費税率を10%に引き上げるつもりですね。

 

金融緩和後のバブル崩壊

出口の見えない追加緩和の弊害を指摘する意見もあります。

黒田日銀総裁の「追加金融緩和」策に浮かれてはいられない

今回の追加緩和策の決定は、多くの市場参加者にとって予想外だった。それは為替、株式等の金融市場の動きを見ても明らかだ。特に、為替相場では日米間の金融政策の方向性の違いを背景に、僅か1日の間に2円近くも変動した。
ただし、金融緩和策にも見逃せない問題点もある。思い切った金融緩和策は、いわば劇薬である。そのため、プラス、マイナス両面の効果が想定外のかたちで出ることも考えられる。しかも、劇薬の副作用が顕在化した場合、それを抑える方法が限られている。
特に、潤沢な資金を背景にバブルが形成される可能性は十分に注意を要する。一旦バブルが形成されると、崩壊後の大規模なバランスシート調整などの弊害は大きい。また、出口戦略に要するエネルギーは計り知れない。浮かれてばかりはいられない。

 

大規模な金融緩和を終えた米国は一体どうなったか

日本の不動産投資市場の未来が多少見えてくるかもしれません。

量的金融緩和の終了と米国リート市場
量的金融緩和の終了は米国経済が正常な状態へ向かっていることを示しており、利上げ時期が近づくことは米国経済が持続的な拡大局面に入ることを示すと考えられ、多くの用途で物件稼働率や賃料の上昇が期待できるなど、不動産市場が新たな拡大局面を迎えることが予想されます。
また、米国リート市場全体でみるとリートの収益の大半は米国内の物件からの収入であり、仮に米国以外の国や地域が景気減速に見舞われたとしても、米国リートの業績への影響は軽微なものにとどまると想定されることから、米国リートに対する市場の関心が高まることも予想されます。
一方、米国経済が堅調に推移するに連れて長期国債利回りには上昇圧力がかかると考えられます。ただし、FRB(米国連邦準備制度理事会)は慎重に利上げを進めると予想されることに加え、欧州や日本では低金利の長期化が見込まれるほか、追加緩和の可能性もあることから、米国の長期国債利回りの上昇は緩やかなペースにとどまると予想します。
米国リート市場は、堅調な経済指標が発表され早期利上げ観測が強まる場合には値動きが大きくなることが予想されますが、不動産市場の拡大などリートの堅調な事業環境が追い風となり、新たな上昇局面に向かうと考えます。

リート市場がますます上昇局面に向かうと、関連する不動産投資業界も賑わうことになります。その結果、投資対象となるマンション一棟や商業ビルなどの収益不動産の価格が高騰することにつながります。

ただし、この記事は米国リートを販売する証券会社によるものです(笑)。

不動産投資市場は、本当に右肩上がりの成長をするのでしょうか?

 

米国でもバブル崩壊の問題は指摘されています。

 物価百年史が語る超緩和「出口なし」(上)
このように時代錯誤の目標を掲げる異次元緩和は、実体経済に必要以上の資金を注ぎ込み、行き場を失ったお金が資産市場に流れバブルを醸成することになる。ダドリー総裁は「資産バブルをリアルタイムで特定できるよう努力する必要があるだろう」と述べているが、この発言はまさにバブル膨張を立証しているともいえよう。
なぜなら、バブルは人々の過信が背景にあるからだ。そして同総裁の発言はバブルの元凶である異次元緩和を追求するFOMC主流派の強い自信を見事に裏付けている。

市場圧力でバブル崩壊、超緩和出口なし
米金融当局は大規模金融緩和を6年も継続し、前回のバブル崩壊に伴う市場の自浄作用を封じ込めた上で、再バブル化を促してきた。
これを主導してきたのはバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長(当時)である。再バブル化はシリーズ(中)で触れた通り、2008年9月のリーマン・ショック後に実行された事実上のゼロ金利政策と大規模資産購入による異次元緩和が原動力になった。
そして今回、バブル崩壊への道を歩み始めるきっかけを作ったのも同議長である。13年5月22日、バーナンキ議長は上下両院経済合同委員会の公聴会で、量的緩和(QE)に批判的な共和党のケビン・ブレイディー議員の質問に答える形で、「年内にQEと呼ばれる債券購入の縮小(テーパリング)を始め、14年半ばころに終了する」という道筋を示した。
この発言をきっかけに市場金利上昇に火が付いた。13年の10年物米国債利回り は5月2日の1.6255%を底に上昇に転じていたが、FRB議長のテーパリング発言が伝えられた同月22日には2.0395%と、2%台に上げてきた。
この市場金利上昇で長期金利に連動する住宅ローン金利が引き上げられ、まず住宅市場が変調を来す。米住宅市場の90%強を占める中古住宅販売は13年7月に前年同月比 17%増加し、2000年代前半の住宅バブル並みの伸びでピークを付けた後、徐々に伸びを縮めて同年11月には2.6%の減少に転じた。その後、10カ月連続マイナスを記録。これで、米経済の重要な柱の一つである住宅市場は再びバブル崩壊の憂き目に遭ったことになる。
今回の住宅バブルはオバマ政権の2度にわたる住宅減税と、バーナンキFRB議長によるQEが関与した。さらに長期金利の上昇により、今回のバブルの主役である米国株式バブルの崩壊が既に始まっている。

「QE」は、「Quantitative Easing(量的金融緩和政策)」の略です。

金融緩和政策が進めば、市場にお金が溢れ、貸し出す金利が下がり、不動産を購入したい需要が増えるために物件価格が上昇します。ところが、金融緩和政策が終われば金利が上がり、価格が高騰した不動産市場が崩壊する危険性があります。分かりやすいといえば分かりやすい結末です。上記引用記事内の「バブルは人々の過信が背景にあるからだ」という言葉は忘れないようにしたいですね。

 

今後ますます拡大する経済格差

米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は、米国の経済格差の拡大を「強く懸念している」と述べているとのことです。

FRB議長、経済格差の拡大「強く懸念」
議長によると、上位5%の富裕層の平均所得は1989年から2013年にかけて38%増えたのに対し、残り95%の世帯は10%以下の伸びにとどまった。議長は「米国では所得や富の不平等がかつてないほど広がっている」と指摘。「米国に根づく価値観と合致しているかどうかを問う必要がある」と語った。

資本主義は、いわばお金を上手に運用した人が儲かるシステムです。この異次元の金融緩和によりもたらされるであろうバブル景気により恩恵を受ける人もいれば、平成バブル崩壊やリーマンショック後のような状況で大きなダメージを受ける人も多く出て来るのです。

 

ドイツのGDPに匹敵する金融グループなどから影響を受ける危険性もあり

今回の日銀のような中央銀行による金融緩和政策は、不動産投資市場に分かりやすい流れと結末をもたらします。ところが、グローバルマクロとも呼ばれる世界有数のヘッジファンドの動きは、景気指標や一般的な為替相場メカニズムでは説明できない動きを見せる場合があり、結果的に、不動産投資市場と切っても切れない金融市場が混乱する可能性が出てきます。

日銀追加緩和受けドルは上値模索、海外ファンド損失関連の流れ弾も=来週の外為市場

[東京 31日 ロイター] – 来週の外為市場では、予想外の日銀の追加緩和を受け、ドルは上値を模索する流れとなり、欧州中央銀行(ECB)の理事会を控えるユーロは、緩和期待から下値を試す公算が大きい。一方、海外ファンド勢の損失にからむ不測のボラティリティにも警戒が必要となりそうだ

<海外ファンド勢の損失からくる「不測の事態」に注意>
FRBが世界経済の不安定さや新興国の事情を斟酌(しんしゃく)しない一方で、10月に一気に不安定化した金融商品市場では、ファンド勢の「死屍累々」だという。
最近の為替市場では、金融商品市場が10月に大荒れとなったことにより「ヘッジファンドが相当大きな損失を被った」(外資系金融機関)との声がよく聞かれる。
「ファンドに限らず一般の機関投資家も今年は相当大きなダメージを受けているところが多い。年末にかけては、彼らの起死回生を狙ったオペレーションや、リクイデーション(ファンドの閉鎖)に伴う流れ弾など、景気指標では到底説明できない動きが、突如出現する可能性が高い」(機関投資家)とされ、「不測の事態に備える必要があるだろう」(同)という。
英ファイナンシャルタイムズは27日付の電子版で、ヨーク・キャピタルやディスカバリーなど世界有数のヘッジファンドの業績が大幅に悪化していると報じた。
中でも、グローバルマクロと呼ばれるヘッジファンドは、最近のドル反落や米金利の方向性を巡る不透明感に翻弄され、損失を被っているという。
運用資産150億ドルのディスカバリーのマクロファンドでは、年初からの損失が20%に達し、業界最低のパフォーマンスとなった。ムーア・キャピタルは年初から5.39%の損失。
不良債権等への投資に特化するヨーク・キャピタルも、10月前半の業績が今年の利益をほぼ相殺し、足元までのパフォーマンスは1%程度の収益となっている。

こういった想定外の金融市場の価格変動(ボラティリティ;volatility)リスクを考慮した不動産投資経営をする必要があるでしょう。

ヘッジファンドが原因による金融市場の混乱の例として、昨年の日本株急落が挙げられています。

特集:機関投資家の正体 2013年7月30日号
日経平均株価は5月23日から6月14日にかけて2000円以上下落した。その最大の理由は、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が米議会証言で、量的緩和第3弾(QE3)の早期縮小を示唆する発言と一般には理解されている。
「だが、私の考えは異なる」と、ヘッジファンドに詳しいパルナッソス・インベスメント・ストラテジーズの宮島秀直チーフストラテジストは言う。株価急落の本当の原因は、ヘッジファンドの大規模な売りだったというのだ。

◇日本株急落「5.23ショック」の“主犯”はヘッジファンドだった
どういうことか。日本株の売りが始まった最大の要因は、有力ヘッジファンドの「破綻情報」だった。「英国に拠点を置く有力ヘッジファンドが中国のシャドーバンキング(影の銀行)に絡む投資で巨額の損失を出したという観測情報が、ヘッジファンドやその投資家たちの間に駆け巡った」という。
破綻の観測情報が流れたヘッジファンドは、業界でもトップクラスの収益力を誇ることで知られた存在だった。ところが、運用額の3分の1近くを失ったといった情報まで流れ、1998年10月に起きた大手ヘッジファンド「ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)」の破綻劇を脳裏に浮かべた関係者も少なくなかったという。
ノーベル経済学賞受賞の2人の学者、ショールズ氏とマートン氏を擁したLTCMは、高度な金融技術を駆使して急成長したが、98年8月のロシア経済危機を契機とする金融混乱に巻き込まれて、あえなく破綻。この破綻劇で、ドル・円相場が2日間で15円近く円高になるなど、日米欧の経済が大混乱に陥った。
「第2のLTCMが出る」──との危機感が業界に伝わると、運用を委託していた顧客からヘッジファンドに解約が殺到。換金を迫られたヘッジファンドは雪崩を打つように、利益が出ていた日本株を売り始めた。

ヘッジファンドに限らず、プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)による不動産投資業界に与える影響は小さくありません。PEファンドは、主に中長期での投資を行う傾向にあり、企業のM&Aプレーヤーとして際立った存在です。その延長で、PEファンドは大規模な不動産投資を実行しますので、PEファンドの損益状況は、不動産価格の乱高下に少なからず影響を与えます。

大規模な不動産PEファンドを組成する世界有数企業の例としては、モルガン・スタンレーが挙げられます。

日本におけるモルガン・スタンレー 「モルガン・スタンレー・キャピタル」

モルガン・スタンレーは、1991年以来、世界最大級の不動産プライベート・エクイティ・ファンドである「モルガン・スタンレー不動産ファンド(以下「MSREF」)」をはじめ、数多くのファンドの運用を世界各国で行ってきました。その優れた運用成果と実績は高く評価されています。日本においては、マーチャント・バンキング業務を担うモルガン・スタンレー・キャピタルが、ファンドによって行われる不動産関連資産への投資に係るアドバイザリー業務から、投資を行った不動産関連資産や不動産関連事業会社のアセット・マネジメント業務まで、一貫した不動産投資関連ビジネスを担っています。また、プライベート・エクイティ業務では、お客様のニーズに即した幅広い投資事業を行っています。

リーマンショック後にモルガン・スタンレーのPEファンド絡みの破綻ファンドの処分案件に関わりました。

金融市場で巨大な影響力を持つ、世界有数のPEのカーライルの関連会社ですら以前破綻しています。

投資会社カーライル[CYL.UL]の関連会社、追い証に応じられずデフォルト通知を受ける

プライベートエクイティのカーライル・グループ[CYL.UL]関連会社でアムステルダム市場に上場しているカーライル・キャピタル・コーポレーション(CCC)CARC.ASは6日、追加担保の差し入れに応じることができず、デフォルト通知を受け取ったことを明らかにした。

金融業界以外ではほとんど知られていない存在ですが、世界最大の投資家が不動産投資市場に与えるリスクについても無視できません。

金融界を塗り替えるブラックロックの台頭
陰謀論者に「世界を本当に動かしているのは誰か?」と問えば、恐らくシティグループ、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースといった世界的な銀行の名前が挙がるだろう。エクソンモービル、シェルなどの石油大手を挙げる人もいるかもしれない。あるいは、アップル、マクドナルド、ネスレなど、何十億もの消費者を取り込んでいる消費財企業に目を向ける人もいるだろう。
彼らが名前を挙げそうにない会社の1つが、米ブラックロックだ。この資産運用会社の名を聞いてぴんとくる人は、金融業界以外ではほとんどいないはずだ。だが、ブラックロックは、上で挙げたすべての企業の最大株主だ。さらに、米国だけでなく世界中で、ほぼすべての上場企業の株式を保有している(実際、ブラックロックは本誌=英エコノミストの筆頭株主であるピアソンの筆頭株主だ)。
同社の業務範囲は、株式だけにとどまらない。社債、国債、コモディティー(商品)、ヘッジファンドなどもカバーしている。ブラックロックは2位を大きく引き離す世界最大の投資家で、直接運用している資産は4兆1000億ドルに上り(すべてのプライベートエクイティとヘッジファンドの合計額とほぼ同じ)、運用プラットフォームのアラディンを通じて、さらに11兆ドルを監督している。

ブラックロックについて
ブラックロックは、グローバルに資産運用、リスク・マネジメント、アドバイザリー・サービスを提供している世界有数の資産運用会社です。
2014年9月30日現在、運用資産残高はグループ全体で総額4.52兆米ドル(約496兆円)にのぼります。

ブラックロックは、ドイツのGDPに匹敵、あるいはそれ以上とも言われる規模の資産を運用しています。こうした世界最大の投資家の業績が仮に悪化した場合、金融市場及び不動産投資市場に与える影響は、かつてのリーマンブラザーズ破綻とは比較にならないほど巨大になるかもしれません。

 

混沌とした金融市場のリスクを回避した不動産投資を目指す

今の不動産投資市場は、金融市場で破綻する大手企業が出てしまうと、Jリートや不動産関連株が下落するばかりでなく次々に不動産ファンドが破綻してしまいます。自らが組成した不動産ファンドに(錬金術として)転売目的で購入した在庫不動産と多額の借り入れ金を抱いて、破綻する企業が続出してしまうのです。その結果、不動産投資市場全体が混乱し、不動産価格が大きく下落することになります。

私たちは、今後の不動産投資事業の主たるマーケットがどこであるか、また不動産投資の主たるプレーヤーはどういう人なのかを常に重視しています。その上で、金融市場から受けるリスクを含めてどういったリスクがあるのかを慎重に検討しています。中長期的に健全な不動産投資事業を経営するために時の流れに応じてリセット(資産替え)すべきところはしつつ、借金があれば返済します。

 

大切なのは、不動産・金融市場の乱高下による過度な金銭感覚を持つことなく、いかに人間らしく生きるかという観点から不動産投資を行っていくことではないでしょうか。経済成長が必ずしも人間の幸せをもたらすわけではないと思います。特に過信は禁物です。

ノーベル経済学賞の候補とも目された国際的な経済学者であり、ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ教授から「最も大切な先生」と言われた故宇沢弘文さんは、格差問題を全くかえりみない市場原理主義の考えと相いれず、「人間らしく生きる社会とは何か」について一説を提唱しておられました。

人間のための経済学 宇沢弘文 格差・貧困への処方箋

私たちは、お金に追い立てられた生活をするために不動産投資事業を行ってはいません。常に人間らしく生きることを大切にしつつ、お客様に喜んでいただけるご支援をすることを第一に行動しているつもりです。それは、バブル経済下であれ不況下であれ何ら変わりありません。