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CRE(企業不動産)コンサルティング|資産替えで企業価値向上

2014.12.10|コンサル・投資実績

20141210

保有不動産をいかに最大限有効活用するかは、中小企業経営者にとって重要な問題であり大きな課題でもあります。そのためには、CRE戦略が鍵です。今年、金融機関から紹介いただいた中小企業経営者様の不動産資産を入れ替えつつ、将来的な企業価値向上とリスク軽減を実現できたCREコンサルティングの事例をご紹介いたします。

 

不動産を保有する上では、運用コストを下げつつも収益性を向上するのはもちろん、企業価値向上(本業にへの貢献・事業の柱としての成長・社会貢献) と経営リスク削減が実現できるハードアセット(不動産)及びソフトアセット(人材・組織)を育成し強化することが重要であると考えています。

ところが、そううまくいかないのが不動産であることから、国土交通省がガイドラインを設けています。

CRE戦略を実践するためのガイドライン (国交省のホームページより)

(1)新しい概念「CRE戦略」
不動産、そして企業を取り巻く環境が急速に変化する激動の時代に対応するため、企業にとって限られた経営資源である企業不動産を経営に最大限有効活用していこうという発想に基づいて生まれたのが、新しい概念「CRE戦略」である。

不動産の有効活用の必要性は、従来から指摘されてきたところである。しかし、「我が社は不動産に対して戦略性を有して接してきた」と胸を張って言い切れる経営者はまだまだ多くはないと考えられる。

地価が低いときに売却し、地価が高いときに購入する、未利用地や無駄なスペースの発生が放置されている、不動産に関係する問題が企業内外に生じたときに慌てて場当たり的な解決策を考える、不動産を持つことに意義を感じるだけで資本として有効活用するという考え方がない、所有不動産の経営コストはタダという認識を持っている、不動産に対してリテラシーを有する人材・スタッフ・組織が不足している、不動産に対する意思決定がバラバラに行われている。

これらの典型的な兆候が示すようなCRE戦略の不在が、結果的に、我が国の企業や社会にとって、余分な不動産コストや実際の損失、そして機会損失を生じさせてきたことは、紛れもない事実である。

企業価値の向上を安定かつ継続的に実現するCRE戦略においても、最適なPDCA(Plan, Do, Check and Act)サイクルをいかに回転させるかが重要です。

 

CRE戦略(Plan):ミクロ的に問題分析しプラン立案

今回紹介するCREコンサルティング事例のお客様は、地元でも有名な名家で、長年にわたり安定的な事業を経営されています。広大な所有不動産(土地)を生かした不動産賃貸業も長年にわたり行っています。ところが、企業経営分析をしたところ、次のようなリスクが存在していることがわかりました。

 

  1. 桁違いの高額な相続税問題
  2. 事業承継(代替わり)の時期を迎えたこと
  3. 本業のさらなる成長戦略が描きにくいこと
  4. 本業が天候・気候に左右される事業であること
  5. 企業名義で保有する不動産が存在するエリアの賃貸市場が活況ではないこと
  6. 賃貸不動産の大口テナントの退去リスクが大きいこと
  7. 保有する企業不動産のうち、特にファミリータイプの居住用マンション一棟の収益性が良くないこと

 

私たちは第一に、現在の事業エリアよりは成長戦略を描きやすく、企業価値向上に貢献できる一等地商業ビルの購入をご支援することを当面のCRE戦略として計画しました。

この計画をもとにお客様からじっくりお話をうかがったところ、長年事業経営をしている商圏は保持しつつも、もっと成長戦略を描くことができるエリアに不動産投資を検討していることも分かり、一等地不動産(商業ビル)を購入することで、単に不動産投資で収益を上げることだけではなく、経営している事業が多角化し、かつ中長期的に企業価値が向上していく計画がベストであると合意しました。

 

CRE戦略(Do):将来的に企業価値の向上をもたらす一等地不動産を購入

不動産の購入にあたっては、ウェブサイトや一般情報では決して出回ることのないそのエリアでの希少価値の一等地商業ビルのご購入をご支援することにしました。

購入した不動産については、お客様のご希望エリアの一等地にあるため立地は申し分ないのですが、古いビルだったので融資期間が懸念されました。しかし、弊社と付き合いのある金融機関ということもありましたが、金融機関から見たお客様の資産背景が優良でしたので、一般的な条件よりも格段に良い融資条件をいただくことができました。

何年後かにビルを建替えた場合、立地的にこのエリアのシンボル的なビルに変貌を遂げる可能性があります。詳細は記載できませんが、様々な含み益もあります。一部自社にて利活用することで、さらなる企業価値の向上に貢献する不動産に生まれ変わる可能性が大きいです。

 

CRE戦略(Check):企業経営上の借金返済リスクの精査

長年事業経営していたエリアから車で30分圏内のエリアの一等地に不動産を購入できたことは、本当に喜ばしいことでした。

次は、その投資をするにあたって受けた融資を含めた、企業としての返済リスクについて精査しました。その上では、中長期的な保有不動産の改善を視野に入れつつも、収益性の良くないマンション一棟の売却をするべきかどうかを考えました。企業経営の足を引っ張る可能性のあるマンション一棟を、出来るだけ高額で売却できるかどうか、出来る限り具体的で正確な情報をベースとして分析しました。

以前、

「人に勧めるなら自分で投資すれば?」という、よく聞く話
結局、不動産投資において「何で自分でやんないの?」「安いの?高いの?」という問題は、『投資家の資産状況と目的』によって大きく変わってしまいます。 置かれている状況が違えば、「こんな高い価格で購入してもらえるの!」というものでも、「心地良い価格で購入できた!」ということになります。

と記載しました通り、ある方から見た場合は「高い」と思う不動産であっても、別の方から見たら「高くもない」というケースが多々あります。人それぞれ価値観にギャップが存在しますので、そのギャップを埋めることができれば、WIN-WINの関係が実現できます。今回、今の市況であればそのような価値観のギャップを埋める売買が実現できる可能性が高いという確証がありました。

そこでお客様にこのCRE戦略をご説明しましたが、すんなり納得するわけではありませんでした。お客様としては、そのマンション一棟を購入して間もないため、まだ売却したくはないのが本音で、私たちとしても、戦略といえども無理に売却を勧めることはできません。

中小企業経営者・個人不動産投資家さんの多くは、居住用収益不動産を望みます。その理由を突き詰めると、融資承認が下りやすいのと空室リスクが少ないという理由が大半です。マクロ的には否定するものではありませんが、ミクロ的には一概にそうだとは言えません。

これだけ居住用不動産が溢れていて、空室率アップ&少子化が明確であるにもかかわらず、なぜ居住用不動産のリスクが小さいと言えるでしょうか。原状回復費用についても、オーナー側の負担がどんどん増しています。特に、今回売却を考えているファミリータイプなどは、空前の住宅ローン低金利時代における近隣の新築マンション&一戸建販売動向に最も左右されやすいため、 よほど本腰を入れて取り組まない限り、不動産投資事業が立ち行かなくなる可能性があります。そして、その延長線上にあるのは、本業を含めた企業経営基盤の崩壊です。

 

話し合いを重ねることで、今回はお客様にも諸状況をご理解いただくことができ、売却のご支援をさせていただくことになりました。じっくりお話させていただく機会を与えていただいたことには感謝しております。

 

CRE戦略(Act):価値観のギャップを埋める売買を実行

ネットワークをフル活用し、最も喜んでいただける買主さまとの出会いが与えられ、売主買主双方が満足する金額と諸条件で売買が成立することになりました。これで企業経営上の借金返済リスクが軽減され、次の不動産投資をする上でのステップアップに繋がる経営体質に改善されました。

併せて、購入していただいたお客様にもとても喜んでいただきました。売買の際は価格的なギャップを埋めることはもちろんですが、双方の置かれている状況、将来的なビジョン、不動産に対する思いなど各々の価値観があります。今回の買主さまは従来の不動産管理形態にはとらずに、完全自主管理に近い手法を用いるようです。運用コストが低いことが前提にあるので、現在の売主優位の市況で購入しても将来的なビジョンを明確に持っているご聡明な投資家さんでした。

 

CRE戦略(次のPlan):次なる成長戦略の構築と企業経営リスクの軽減を計画

今回の事例はこのようなPDCAプロセスでした。しかし、これでCREコンサルティング業務が完了したわけではありません。今後のさらなる企業価値向上等のためにも、最適なPCDAサイクルを回転させていく必要があります。

私たちは次のPDCAプロセスに向けて、既にプランを立案しお客様へご提案しました。早速、お客様とじっくりお話させていただき、次なる成長戦略の構築と企業経営リスクの軽減を実現するためのステップを踏み出しています。将来を予測すると、とても楽しみな企業様の一社となりました。

今回、私たちのCREコンサルティングをご理解頂けたことに感謝しつつ、さらにお客様のご期待に応えるために、ますます努力したいと思います。