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太陽光バブルの崩壊と不動産投資

2014.12.24|不動産投資ニュース

2014121224

高額な買取が保証されると言われ太陽光発電用に不動産投資をした方は、「全量買い取り太陽光バブル」の崩壊は死活問題です。各地で悲鳴や怒号が飛び交っています。資産を全て売却して太陽光発電投資をしたいとまでおっしゃる中小企業経営者もいらっしゃいましたが、本当に大丈夫でしょうか?

 

太陽光発電に関する固定価格買い取り制度(Feed-in Tariff;FIT)の問題は、今後の一般家庭の負担増や、不動産投資で自己破産に追い込まれる等の問題に発展する可能性があります。

もろくも崩れた「全量買い取り」 再エネ普及の起爆剤、見通し甘く
民主党政権の肝煎りで導入された再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度。再エネ普及の起爆剤となるはずだった「全量買い取り」制度は、見通しの甘さもあり、もろくも崩れた。

(中略)

再エネ買い取り費用は電力料金に上乗せする形で徴収されている。経産省の試算では、すでに設備認定された電力をすべて受け入れたと仮定すると、毎月の電気代が約700円も上がることになる。政府は国民が負担増をどこまで受け入れられるのかをにらみながら、中長期的な制度見直しを進めることになる。
再生エネ普及の先進国ドイツでは、国民負担の増加が問題化。制度の見直しを繰り返しており、国民負担が大きくなりがちな固定価格買い取り制度をやめる方向で検討している。

 

全量買い取りの前提崩壊 長崎、世界有数のソーラー計画も困難
太陽光発電の認定量が電力各社の受け入れ可能量を上回る実態が16日示され、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度は抜本見直しが避けられないことがあらためて浮き彫りになった。日射量や地価の安さから太陽光の適地が多いとされる九州電力管内では、長崎県佐世保市の宇久島で進められていた世界有数規模の発電所計画も実現が困難に。

 

太陽光発電用の不動産投資で自己破産も

太陽光発電用に不動産投資をし、大変な状況にある方は結構いるようです。電力会社に裏切られた思いでしょう。

怒号上がり会場騒然 鹿児島説明会に550人、再生エネ契約中断
九電によると、鹿児島県内で太陽光・風力発電の新規契約への回答保留は約1万5千件に上る。説明会で九電側は「九州の太陽光発電量は全国の4分の1を占め、他地域より急速に再生エネが加速した。このままでは電力の需給バランスが崩れ、安定供給できなくなる」などと説明。保留した契約が将来どうなるのかについては「なるだけ早く示したい」と述べるにとどめた。参加者からは「時期を示せ」「自己破産したらどうしてくれる」と怒号も上がり、会場は騒然とした。
(中略)
「このままでは倒産だ」「対応が無責任すぎる」−。鹿児島県での再生エネ新規契約中断の説明会の参加者からは、不安や憤りの声が相次いだ。
大崎町の自営業男性(31)は、太陽光発電への設備投資に銀行から1億円を借り入れ、既に土地購入と造成で5千万円を使ったという。「九電の営業担当者の『大丈夫』という言葉を信じて投資したのに…。契約の一律中止は納得できない」と怒りをあらわにした。
同様に鹿屋市の会社員男性(59)は、来年の定年に備えて千数百坪の土地を約400万円で山中に購入。九電に個人で売電契約を申し込んでいた。有給休暇を取って説明会に参加したが、九電から納得のいく説明はなく、「年金生活の足しにしようと思っていたのだが…。私の老後はどうなるのか」と漏らした。

各地から悲鳴や怒号が聞こえてきます。

「太陽光バブル」崩壊 九電・再生エネ契約中断

買い取り中断の対象になるのは、顧客との直接契約分だけで数十件。設備販売や住宅メーカーなどからの施工依頼分も含めると、数百件に達する恐れがある。
パネル数千枚分の大型発電設備の設置計画もあり、「仮にすべての商談が白紙になれば、億単位の売り上げが泡と消える」と同社。中断期間がいつまで続くか分からず、「新規の契約は見込めない。マーケット自体が止まる」と先行きに不安を募らせる。
太陽光発電設備は、九電に接続契約を申し込んだ後、融資のめどが立った時点で着工するケースが多いという。九電との契約が済んだ物件の工事で数カ月は食いつなげるが、その後はつぎ込んだ資金が回収できなくなる恐れがある。県内には数百件の関係事業所があり、ある事業者は「年末にかけて倒産が続出する」と予測する。

 

太陽光ビジネスになぜバブルが発生? 誰がバブルを発生させたの?

そもそも、なぜ「全量買い取り太陽光発電」バブルが発生してしまったのでしょう。

国民に跳ね返る太陽光バブルの“ツケ” 電力各社が買い取りを中断したワケ

「日本の買い取り価格が高すぎるからです。申請が必要な発電能力10キロワット以上の設備の場合、1年目が1キロワット・アワー当たり40円、2年目が36円、いまが32円。これは欧州の2~3倍に当たります。その旨味を狙って国内外のデベロッパーが参入し“太陽光バブル”ともいえる状況が起きました」
もうひとつ、認定申請を加速させている理由はFITの制度設計の本質的欠陥にある。買い取り価格は認定時点の金額が適用されるにもかかわらず、運転開始までの期間が「いつまで」と決められていない。すなわち当初40円で認定を受けた発電事業者は、定められた調達期間である20年(10キロワット未満は10年)にわたって、その価格で買い取ってもらえる。
そのため、太陽光パネルが値下がりするまで建設や運転開始を延ばしたり、最初から接続権利を転売する目的で動く悪質な業者も見られた。

外資系超大手企業やソフトバンクが参入して、太陽光発電市場がヒートアップしてしまいました。

誰が「太陽光バブル」を生み出したのか
問題は、その買い取り価格である。当時、孫正義氏(ソフトバンク社長)は、「ヨーロッパ並みの価格」として 40円/kWh以上を要求したが、これは太陽光バブルが崩壊する前の価格で、当時すでに買取価格は20円台だった。しかし調達価格等算定委員会の植田和弘 委員長は「施行後3年間は例外的に利潤を高める」と公言し、40円(非住宅用)という単価を決めた。

このように高値をつけたため、太陽 光発電所の建設ラッシュが起こった。何しろどんな不安定な電力でも電力会社がすべて買い取ってくれるのだから、リスクはゼロである。その後、単価は2年目は36円、3年目は32円と下がったが、これでもヨーロッパの2倍だ。太陽光パネルの単価は大規模な設備なら20円/kWh程度まで下がるので、32円なら大幅な利益が出る。

このためソフトバンクだけでなく、ゴールドマン・サックスなどの外資が参入して、各地に「メガソーラー」と呼ばれる大型の太陽光発電所を建設した。「リスクなしで高利回り」をうたい文句にして、個人から金を集めて太陽光に投資する仲介業者も大量に生まれ、図のように2年目の最後(2014年3月まで)に駆け込みで申請が殺到したのだ。

ヨーロッパでは太陽光バブルが崩壊し、全量買い取りは廃止された。しかし菅首相が「私をやめさせたかったら再エネ法を通せ」と政権の延命に利用し、孫氏と一緒になって運動の先頭に立ったため、業者の「言い値」のまま法案が通ってしまったのだ。

消えた年金問題と同様、国に依存しすぎると思わぬ落とし穴にはまりますので要注意です。

 

太陽光発電バブル崩壊でメーカーも倒産

“太陽光バブル”で政策転換 死屍累々の国内メーカー

日本の再生可能エネルギー政策が“破綻”を迎えそうだ。各地で膨大な量の導入申請が相次いだことで、送電網がパンクし、電力会社がこれ以上の送電網接続を保留し始めた。国は今後政策の方向性を転換。“太陽光バブル”に乗じて利益を得てきたメーカーも、日本市場の突如の停滞で、事業存続の危機に立たされている。
「再エネ政策を変えるというメッセージですよ」。ある経済産業省関係者が打ち明けるのは、同省が9月30日に公表した一つの試算だ。
この試算は、国内でこれまで認定を受けた再生可能エネルギーの発電設備が全て運転開始した場合、電気料金への上乗せが2兆7018億円に上るというもの。
一般的な家庭でいうと、1カ月当たりの電気料金が225円から4倍以上の935円にまで増えるというから影響は甚大だ。

海外を見回すと、太陽光発電の先進国であるドイツ発の(当時)世界シェアNo.1太陽電池メーカーが倒産しています。

 独太陽電池大手Qセルズ破綻 中国勢との競争で
11年12月期の最終赤字920億円
独太陽電池メーカー大手のQセルズは2日、法的整理の手続きを申請すると発表した。3日にも独国内の裁判所で手続きを始めるという。同社は太陽電池ブームを追い風に2008年に世界シェア首位に立ったが、中国メーカーなどとの価格競争が激化し、赤字体質に陥っていた。
Qセルズが3月末に発表した11年12月期決算は、最終損益が8億4600万ユーロ(約920億円)の最終赤字だった。10年12月期は1900万ユーロの黒字をかろうじて確保していたが、「昨年1~9月の間で太陽電池システムの価格が半減した」(Qセルズ)など価格下落に歯止めがかからず、大幅な赤字となった。

現在は、韓国ハンファグループ傘下の「ハンファQセルズ(Hanwha Q.Cells GmbH)」となりました。

 

強い太陽光先進国のドイツメーカー

ドイツやスペインで、すでに太陽光発電の買取価格の低下を乗り越えてきた経験を生かし、ドイツメーカーは日本でさまざまな活躍をし始めています。

太陽光パネルで負けても発電所建設で稼ぐドイツ

■150MWを数カ月で完成した例も
実は、ドイツ流で設計・施工したメガソーラーが竣工した例がすでに出てきた。不動産関連事業のテンワス(東京都港区)が、福島県石川郡浅川町のゴルフ場跡地に建設した約2MWの「テンワスソーラー浅川発電所」だ(図1)。2014年7月4日に竣工式を開催した。
同発電所のEPC(設計・調達・施工)サービスは、坪井工業(東京都中央区)がドイツのセーフレイと連携して担当した。太陽光パネルは台湾のAUO製を採用した。

私たちのお客様のお名前が掲載されています。また、保有するビルに新しく入居していただいたお客様の主たる事業は太陽光発電関係とのことです。

大型の不動産投資をする上では、年間1億円規模の高額な電気代がネックになることが多々あります。それほど規模が大きくない商業ビルですら、毎月の高額な電気代に閉口しています。今後、最先端の太陽光発電情報についてお客様から詳細に教えていただこうと思います。

 

それでも太陽光発電ビジネスの近未来は明るい?

欧州太陽光発電協会の理事長でもあるウド・メールシュテット氏へインタビューした記事です。

FIT開始当初の混乱は付き物。ドイツでは太陽光の普及で電力価格低下へ

――日本国内では、FITによって再生可能エネルギーを増やすと、賦課金の増大で電気代が上がるとの警戒感が根強い。

メー ルシュテット氏 それは大きな誤解がある。確かに短期的には制度開始当時の高い買取価格を支える賦課金は電気代を上げる要素になる。だが、徐々に買取価格が下がると同時に、大量に建設されたメガソーラーの償却が進む。太陽光や風力は燃料代がかからないので、発電コストは極端に下がる。ドイツでは電力自由化後、2002年から2008年まで電気代が上がったが、それ以降は下がり始めた。その要因は太陽光の電力が昼間のピーク時間帯に大量に供給され始め、電力市場の価格が下がったからだ。

――日本では、FITによる買取価格が1kWh当たり32円まで下がり、来年度は同20円台になるとの見方がある。この価格でも事業性を確保できるのか。

メー ルシュテット氏 全量を売電する事業モデルを想定した場合、買取価格が20円台であれば、事業性を持つとみている。ドイツではそうした急激な買取価格の低下を経験し、それを克服してきた企業が成長している。もちろんそのためには、関係当事者があらゆるコストを下げていく努力と工夫が必要になる。

ゴールドラッシュとばかりに安易に参入した関係業者は市場から淘汰される一方、努力と工夫を重ねた業者は今後の日本の再生可能エネルギー業界に貢献していくのでしょうね。

 

物流施設の屋根を利用した太陽光発電で国内最大規模の事例

自己破産を覚悟しなければならない投資家や、事業存続の危機に経たされているメーカーが生まれている一方、不動産の屋上に設置した太陽光発電設備を活かしている企業も存在します。

物流分野での世界有数の不動産投資ファンド大手プロロジスの事例です。

全国28カ所の物流施設で太陽光発電、屋根を利用して1万世帯分の電力に
世界各国で物流施設を開発・運営するプロロジスは日本国内の28カ所の物流施設の屋根で太陽光発電を実施する計画だ。すでに17カ所で発電を開始して合計19MWの規模になり、さらに11カ所を加えて33MWまで拡大する。物流施設の屋根を利用した太陽光発電では国内で最大の規模になる。

生協(コープネット事業連合)の事例です。

生協の発電所が12カ所、物流施設の屋根へ太陽光
コープネット事業連合は物流施設の屋根を利用した太陽光発電を2014年8月中に3カ所開始すると発表した。既設の施設と合計すると10カ所になる。2014年中にはさらに2カ所が加わる計画だ。

 

賃貸マンション・アパート等に設置した太陽光発電設備による売電収入の税務面での取り扱い

最近では、賃貸マンション・アパート用太陽光発電装置を販売している会社が数多く存在します。

賃貸マンション・アパート一棟等に設置した太陽光発電設備による売電収入は、税務申告の対象となりますのでご注意ください。

ご参考までに国税庁のウェブサイトに公開されている記事を見てみましょう。「エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却」の特例について適用外になることなどについて記載されています。

賃貸アパートに設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入

不動産賃貸業を営む個人Aは、賃貸アパートの屋上に太陽光発電設備を設置し、これにより発電した電力をその賃貸アパートの共用部分で使用し、その余剰電力を固定価格買取制度に基づき電力会社に売却しています。この余剰電力の売却収入の所得区分はどのように取り扱われますか。

携帯電話用の基地(アンテナ)設置場所をビル等の屋上に設置する例は、ある時期から急増しました。私たちのビルでも、基地設置費用として、基地運営用電気代とあわせて毎月それなりの賃貸収入をいただいております。

同様に、太陽光発電装置をビルの屋上や壁面等に設置する事例は、共用部の節電目的だけではなく、空室対策用などの理由で今後増加してくるように思います。