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2015年不動産投資業界はどうなる? 過去最低金利、低利回り、相続税対策

2014.12.29|不動産投資ニュース

20141229

長期金利の指標となる満期10年の国債の流通利回りが過去最低まで下落しました。投資用不動産価格は高騰し、利回りは一段と低下しています。そんな中、相続税増税が来年1月1日に迫ってきました。投資?節税?静観?どうしますか?

 

12月26日に、満期10年の国債の流通利回りが過去最低の年0・300%に低下しました。

長期金利0.3% 過去最低を更新
26日の東京債券市場は、日銀が大量の国債を買い入れる大規模な金融緩和を続けていることを背景に日本国債を買う動きが強まり、長期金利は0.3%まで低下して、25日に続いて過去最低の水準を更新しました。

長期金利、一時0.300%に低下=過去最低更新―東京債券市場
量的・質的金融緩和策を進める日銀が大量の国債買い入れを続ける中、国債が品薄の状態が続いている。市場では「原油安の影響から物価は押し下げられ、日銀の追加緩和観測が出やすい」(大手証券)とみられている。海外の投資家が日本国債を積極的に買い進めていることも背景にある。

今後は、さらなる日銀の追加緩和期待などからまだ長期金利が下がるのではないかという声もあります。

長期金利が過去最低、リアルマネーけん引し0.3%割れの可能性も
日銀の国債買い入れの長期化への思惑も、市場参加者を強気にさせている。原油価格の下落は時差を置いて、全国消費者物価指数(生鮮食品除く、コアCPI)に効いてくるので「来年半ばぐらいにかけて、コアCPIにはさらなる低下圧力がかかる可能性が高い。ディスインフレに陥るとの懸念から、市場ではもう一段の追加緩和への思惑がくすぶり続けることも円債市場を支援しそうだ」(外資系証券)との見方が出ていた。

【図解・経済】消費者物価指数の推移(最新)

◎11月の消費者物価2.7%上昇=増税除き1%割れ、2カ月連続
※記事などの内容は2014年12月26日掲載時のものです

総務省が26日発表した11月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が103.4となり、前年同月比2.7%上昇した。上昇は18カ月連続だが、上昇率は9月(3.0%)、10月(2.9%)から縮小。原油の大幅安を受けたエネルギー価格の伸び率鈍化が影響した。
日銀が試算した4月の消費税増税による物価の押し上げ要因(2.0%)を除く上昇率は0.7%となり、2カ月連続で1%割れした。「原油価格の下落幅は拡大しており、早ければ1月にもマイナスに転じる可能性がある」(SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミスト)との見方が出ている。日銀が掲げる「2%物価目標」達成は厳しい状況で、追加金融緩和観測が高まりそうだ。

また、住宅ローン金利もさらに下がりました。

住宅ローン金利、過去最低=10年固定で1%割れ―大手銀

三井住友信託銀行は26日、2015年1月に適用する住宅ローン金利を決定した。一定条件を満たした利用者に適用する最優遇金利の場合、10年固定型は0.10%引き下げ、同行過去最低の年0.90%とする。

住宅ローン金利、最低更新…大手行「利益出ぬ」

各行が金利を相次いで引き下げるのは、日本銀行が行う大規模な金融緩和を受け、指標となる長期国債の利回りが一段と低下しているためだ。
加えて、銀行同士の貸し出し競争の激化も金利を一段と押し下げている。貸出先を増やしたい地方銀行が、本来の地盤を越えて営業を展開し、大手行に比べて一段と低い金利を提示したりするためだ。

このままの経済情勢が続くとすれば、住宅ローンに限らず、融資を使って不動産投資をする人にとっては好条件(低金利)で融資を受けやすい市況になりそうです。

ただし、融資を受けて不動産投資をしたい人がますます増加するので、不動産購入の需要はヒートアップし、物件価格の相場は今一段上がる(利回りは下がる)可能性が高くなります。

 

不動産投資物件はますます低利回りに:都心は表面利回り4%台

投資用不動産の価格を押し上げる原因は日本国内投資家の需要増だけではありません。

以前、

円安で日本の不動産に割安感 アジアマネーが次々投資

という記事を書きました。

今まさに、東京都内の投資用不動産中心に、円安を背景にアジアマネーが次々高額な投資しています。日本法人を設立したアジア系企業が続々と日本の不動産に投資させているとのことです。東京都心では表面利回りが4%台が彼等の購入目線のようです。そして、そういったアジアの投資家を出口として、東京都内の不動産業者が考えられないような低利回りで投資用不動産を購入しています。

円安相場が崩壊したら、一気に市場が緊縮してしまうように思いますが、それまでに今一段不動産価格が上昇してしまう可能性があります。

そうすると、これまでの不動産投資手法では通用しなくなるので、無理して不動産を購入しようとして墓穴を掘る人が出そうですね。これまで居住用(レジ)投資しかしていなかった人が、不慣れなビル投資に走る、プロ向けの空ビルに投資してしまう例などが想定されます。空室損でパンク(破産)してしまうことのないように祈ります。

 

いよいよ1月から相続増税に

1月から相続税増税=基礎控除縮小、都市部は要注意

来年1月1日から相続税が増税される。遺産への課税額を減らす基礎控除の縮小により、特に地価が高い都市部の一戸建てを相続する場合、これまで相続税とは無縁と思っていた人も納税を求められるケースが増えそうだ。
相続財産から差し引く基礎控除は今回、4割も縮小される。これまでは1000万円に法定相続人の人数を掛け5000万円を加えた額だったが、1月からは600万円に法定相続人の人数を掛けて3000万円を加算した額になる。
例えば、相続人が配偶者と子ども2人の計3人の場合、現在は遺産が8000万円以下なら基礎控除で全額差し引かれ相続税はゼロ。しかし、1月からは4800万円を超える部分は課税対象になる。
2013年に亡くなった人のうち相続人が課税対象となったのは5万4000人で、全体の4.3%。15年は6%台に増えると財務省は予測する。

相続増税により、相続税対策は過熱気味です。すごいことになっています(苦笑)。

相続増税、純金仏像で対策? 年明け中流層にも対象拡大
相続税増税が2015年1月に迫り、新たに課税される可能性がある人たちが対策に走っている。無縁だった中流層でも、都市部に家を持つ世帯を中心に対象が広がるためだ。相続税対策を売りにする業界は、「商機」とばかりに「相続マネー」の取り込みに力を入れる。

■金製の仏具、不動産投資セミナー
クリスマスを控えた東京・銀座の貴金属店。指輪やネックレスが並ぶ店内で、都内の夫婦は純金製の仏像や18金のお鈴(りん)に目を止めた。元会社員の夫(73)に店外で話を聞くと、「相続税がかからないんでしょ。うちにも仏壇があるので興味があって」と話した。
墓石や仏壇、仏具など日常的に礼拝するものは相続税が非課税になる。貴金属として価値があり、「安全資産」とされる金の仏具を買うことで節税効果を期待する人が増えている。

(中略)「今からできることを一緒に確認しましょう」。今月18日、三井住友信託銀行目黒支店の「課税強化直前セミナー」。相続の専門行員が、不動産を活用した相続対策などを参加者約20人に説明した。自宅を含むマンション2戸を持つ東京都目黒区の会社顧問の男性(69)は、法改正で税負担がどうなるかが心配で参加したという。「自分の家の評価額も知らない。勉強しないと」。セミナーは10月から全国の支店で開かれ、約7500人が参加した。

 

相続税、1月から増税…節税対策セミナー盛況
財務省の試算では、全国で課税対象になるのは、亡くなる人の6%台程度で、現行の4%台からやや増えるだけだ。しかし税理士法人レガシィによると、不動産の評価額が高い都内では約19%が対象になるという。
◆対策に躍起
節税策への関心は高い。生命保険の死亡保険金には相続税の非課税枠があり、契約が増えている。第一生命保険では相続税対策として今年4~9月、前年同期の3倍となる約2200件の新規契約があった。
賃貸アパートなどは相続時に不動産の評価額が大幅に下がるため、板橋区の不動産会社「不動産センター」には、「アパート経営で相続税を減らせないか」との問い合わせが相次いでいる。アパート経営には縁遠いサラリーマンの相談も多く、同社の営業担当稲垣哲人さん(63)は「中間層も相当、相続税に敏感になっている」と話す。

気持ちは分かりますが、相続増税を意識しすぎて、かえってご自身の老後の資金がショートしないことを祈ります。純金製仏具が悪いわけではありませんが、節税の道具になっては真の礼拝とは言えないのではないでしょうか。

行き過ぎた相続税対策には、間違いなく国税庁が目を光らせているでしょう。貪欲な節税対策は、ご自身が入る墓を自らせっせと掘るようなものです。

 大金持ちの税逃れ、許さない 国税局が専門チーム

大金持ちの税逃れは許しません――。富裕層の中でも、より資産や所得がある人たちの投資活動の情報などを専門的に集め、脱税や税逃れを監視する「超富裕層プロジェクトチーム」が東京、大阪、名古屋の各国税局に10日、発足した。高度な節税策を利用した富裕層による国際的な税逃れが問題になる中、富裕層の実態を調べて税務調査のノウハウを蓄積し、課税に結びつける狙いがある。

ご参考までに、不動産業者にとっては耳が痛い(苦笑)記事もご一読ください。

相続税対策のための不動産の選び方は?
“お荷物”物件を買わないために知るべきこと
【年末年始に家族で話し合う「相続のこと」 第3回】「相続対策編」

不動産を買うのだから不動産屋に行かなければ買えないじゃないか!というのはおっしゃる通りなのですが、いきなり直接問い合わせるのは損になる場合がある!ということです。
なぜかというと、一般的に不動産屋さんは販売のプロですが、別に相続のプロでもなければ運用のプロでもないわけです。

不動産で相続税対策をお考えの方は、以前記載した、

相続税対策の為の不動産投資で貧しくなる人

という記事に掲載した相続税対策の失敗例にならないようお気を付けください。

 

2015年の不動産投資はより慎重に

日本経済の実態は、決して良い景気ではないと思います。円安の恩恵を受けた一部の大企業を除けば、かえって景気はマイナス方向を向いているのではないかと思ってしまいます。

「世界一の投資家」に独占インタビュー ジム・ロジャーズ「日本経済に何が起きるのか、教えましょう」

円安になったり、株価が上がったりしたことで、日本人の生活や暮らしはよくなっているでしょうか。綿、銅、食品など日本が輸入に頼っている製品の価格が上昇したことで、庶民の生活費はむしろ上がったのではないでしょうか。建設コストや製造コストが上がったことで、苦しめられている企業が出てきていないでしょうか。

現実をよく見れば、1億人を超える日本人のほとんどが幸せにならずに、一部のトレーダーや大企業だけが潤っている。それが果たしてよい政策といえるでしょうか。安倍首相の答えは「イエス」でも、多くの日本人にとっては「ノー」でしょう。

(中略)そもそも、安倍首相や黒田総裁は、「2年で2%」というインフレ率を達成できると息巻いていますが、政府というのはそんなに利口ではありません。むしろインフレ率が2%を超えて制御不能になるシナリオのほうが現実的ではないでしょうか。その暁には、ただでさえ厳しい生活コストがさらにアップすることになるわけです。アベノミクスの恐ろしさが少しは理解していただけたでしょうか。
アベノミクスの第二の矢、財政出動もひどいものです。私から見れば、これは「日本を破壊します」という宣言にしか聞こえません。
なぜかといえば、日本はすでに先進国で最悪レベル、GDP(国内総生産)の240%という財政赤字を抱えています。その額は1000兆円を超す巨額赤字にもかかわらず、安倍首相がさらに借金を膨らませて無駄な橋や高速道路を作ろうとしているのは正気の沙汰とは思えません。
いま日本政府が取り組むべきは、チェーンソーを手に取って、無駄な財政支出をカットすることなのに、安倍首相はなにを考えているのか、完全に逆行しているわけです。

中小企業中心に多くの会社員は、いくら金融緩和になったとはいえ増税&円安市況の物価上昇率に賃金上昇が追いついていないと思います。ですから、居住用投資不動産(アパート/マンション一棟)に入居している人の家賃負担能力がアップしてはいないと思います。

そうすると、勤務先の業績に左右されるボーナス収入如何では、今まで通りの家賃や更新料の支払いができない人も出てくるので、空室率がアップしてしまう可能性があります。

ビル投資をしている方にとっては、テナントの多くは中小企業だと思いますので、入居率はどうしても景気動向に左右されます。私たちの見立てでは、来年2015年はなお一層中小企業の多くが不景気で悩むように思っています。

以上のように、来年はこれまで通りの不動産投資事業が成り立たない可能性があります。ですから今年以上に不動産投資に対する慎重な姿勢が求められます。安易な不動産投資は、あっと言う間に身の破滅への道へと走ることになりますのでご注意ください。

 

市況や周囲の環境に左右されない不動産投資のためには真理の見極めが重要

これまで度々記載しました通り着実に不動産投資に成功するためには、それなりのキャッシュ(現金)を用意しつつ、借り入れを減らしておきましょう。これまでの経験上、勝負する物件は突然目の前に登場するものです。じっと商機をうかがいつつ、いざという時が到来したならば、大胆に投資しましょう。そのためには、ここぞという物件に勝負するための資金面での用意をしておきましょう。魅力的な不動産を買いたい、買いたいとおっしゃる方に限って、意外と資金面の手当が曖昧だったりするものです。

これだけ不動産価格が高騰する市況であっても、年に一度は驚くような不動産投資のチャンスはやってくると予測しています。年にいくつも不動産投資をしなければならないという人は少ないと思います。あせりは禁物です。かえってご自身の資産を目減りさせないように注意しましょう。

 

2014年の不動産投資業界は、日銀の予想外の追加金融緩和により、ますますJリートなどの不動産ファンドやアジア投資家の投資マネーが市場に溢れ、不動産価格が高騰しました。実体経済とかけ離れた円安/低金利は政策的なものであり、不動産投資をする環境的には真理とは言えないと思います。

私たちは、着実に不動産投資を実行するための真理はどこにあるのかを慎重に見極めることを第一にしてきました。それが、お客様ととともに不動産投資を通じて幸福を追求することがこれまでできた要因でもあります。

今の株高やバブル的な市況は実態が伴っているのか? この投資用不動産の価格(利回り)は実際の価値と一致しているのか?

今の低金利は政策的なものではないか?金利が上昇するリスクは何か?

海外投資家の動向は?金融危機がどこかの地域で発生するリスクと日本経済に与える影響は?

など、日本やグローバル経済を含めて、不動産投資をする上で真理の追究は不可欠です。

来る2015年も過度な投資意欲を抑制しつつ、大切なお客様と共に地に足を付けた不動産投資を心掛けたいと思います。

 

今年も最後までご愛読頂き、誠にありがとうございました。今後ともエステートブックスをよろしくお願いいたします。