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海外企業による日本への不動産投資が国内の取引の約2割、1兆円に迫る 

2015.1.13|不動産投資ニュース

20150113

世界的な金融緩和で溢れる投資マネーと円安の影響で、海外投資家が次々に東京を中心とした不動産を高額で購入しています。自国通貨からみたら日本の不動産は割安に感じるでしょう。海外企業による日本国内の不動産取得額は1兆円に迫り、日本国内の不動産取引の約2割を占めたと報道されました。

日本経済新聞 電子版(1月12日付)の記事です。

海外資金、不動産に1兆円  14年過去最高 円安進み日本買い
海外からの不動産投資が急拡大している。2014年の海外企業による日本の不動産取得額は1兆円近くと、前年の約3倍に増え過去最高となった。円安などを背景に「日本買い」が進み、国内不動産取引の約2割を占めた。東京都心での購入に加え地方にも波及している。海外マネーの流入は、訪日外国人による消費だけでなく、不動産市場でも存在感を増している。


海外マネーの流入 日本の資産、円安で割安に
海外投資家による日本の資産への投資は、日本企業の株式や債券に加え不動産も有力な投資先だ。外国人による投資で外国為替市場での円相場の動きは重要な役割を果たす。円安が進むと、外国人にとり自国通貨でみた日本の資産は割安になる。2012年以降に急速に進んだ円安で割安になったとみた外国人が、日本の不動産取得を増やした面がある。

最近では、東京の不動産は海外投資家によって買収されるのではないか、とも揶揄されるくらい海外投資家の投資意欲は増すばかりです。

以前、

円安で日本の不動産に割安感 アジアマネーが次々投資
台湾や香港やシンガポールが拠点の機関投資家が、高額な不動産を低い利回りで次々購入しています。


米国系大手企業も日本で巨額な不動産投資中
アジア系不動産投資ファンドに負けず、米国系不動産投資ファンドも日本の不動産投資市場でどんどん不動産投資をしています。

という記事を記載しました。

円安相場ですからね・・・。ここで、1ドル80円から120円に円安になったことを考えてみましょう。

1ドルで80円の買い物しかできなかったのが、120円分できるとすれば、1ドル札は1ドル札のままですが、1.5倍の買い物ができることになります。海外投資家のイメージとしては、相当お得な不動産投資相場だと感じるでしょう。「魔法の杖」みたいですね。

 

外国人不動産投資家の心理は?

実際に日本の不動産に投資した香港の個人投資家に対するインタビュー記事です。

参考になります。

Vol.1 外国人不動産投資家インタビュー
Q    あなたが不動産投資のために東京を選んだ理由は何でしたか?
A    我々は、過去10年間、香港、中国で多くの投資を行っていますが、御存じのように、不動産価格は、中国、ヨーロッパをはじめ世界中で高騰しています。私たちは、日本のような他の国での投資機会を探していました。
日本では、不動産価格は過去20年間では値上がりしています。投資利回りは他の市場に比べて非常に高いですし、通貨もここ数年で20%近く下がっているので、日本の不動産投資は本当に良い機会だと思っています。また、安全であることも、我々がここで投資したい理由の一つです。いろいろな意味で、日本は安定していますから。
我々は、日本への投資を始めたばかりなので、日本の規制や税制のすべてについて学ぶ必要がありました。香港は税制が非常にシンプルですが、日本の税制はかなり複雑です。日本への投資を真剣に検討するために、この違いを理解する事が出発点でした。
税金の問題とともに、為替レートを考慮する必要がありました。私たちのポートフォリオはすべて香港ドルですので、円高リスクがあることを認識する必要があります。過去にも日本の物件を探したことがありましたが、その当時の円は非常に強い状況でした。最近の円安傾向を受け、物件価値が上回ったので、私たちはここで物件購入の検討を始めました。

このように、海外投資家にとって為替レートの変動は、投資をするかどうかの最も重要な要素の一つです。これだけ円安が進めば、日本の不動産に割安感が生じます。

また、日本企業の業績改善と東京五輪を鑑み賃料アップへの期待がありそうです。

円安の影響…外国人の日本不動産取得、昨年1兆円に迫る
海外資金の日本国内不動産購入は、日本企業の実績改善と2020年東京オリンピック(五輪)開催で地価と事務室の賃貸料が上がるという見方のためという分析だ。昨年、東京、大阪、名古屋の3大都市圏の公示地価が商業地・住宅地ともに上昇したうえ、東京都心のビル空室率は6年ぶり最低水準の5%台半ばに落ちた。円安でドル換算の不動産価格・賃貸料が大幅に低下した点も、外国人の不動産購入が増えた理由に挙げられる。最近は1ドル=120円に迫り、第2次安倍内閣発足から40%ほど円安ドル高が進んだ。
日本不動産研究所によると、昨年10月基準で東京賃貸料を100とする場合、香港は165.6、ロンドンは146.0と、相対的に東京の賃貸料は低い方だ。資金調達条件が良くなった影響もある。都市未来総合研究所の平山重雄アナリストは「日本、欧州など主要国の量的緩和で資金調達が容易になった点も不動産投資魅力を高める要因」と述べた。

日本で不動産投資をするため、金融機関から資金調達がし易いことが、さらに日本不動産買いを後押ししているでしょう。信用力の高い海外の投資家であれば、日本の金融機関から(行き場のない日銀緩和マネーを)超低金利で融資を受けて投資することも可能です。

 

アジア太平洋地区で日本は不動産投資のトップ市場に

アジア太平洋地区における不動産投資市場に関するレポートが公開されています。

不動産の新しい動向アジア太平洋2015年レポート‐日本は不動産投資のトップ市場としての地位を確保
2014年12月4日 東京 -アーバンランド・インスティテュート(ULI)とPwCは本日、不動産動向調査報告書である「Emerging Trends in Real Estate® Asia Pacific 2015(不動産の新しい動向 アジア太平洋2015年)」を共同発表しました。本調査の結果、日本は引き続き不動産投資市場として高い評価を獲得し、来年の不動産投資見通しランキングで東京が1位、大阪が3位、開発投資の見通しランキングで東京が1位、大阪が4位となりました。アジア太平洋地域の不動産市場は、2015年は弱い経済ファンダメンタルズにもかかわらず、域内および世界の投資家から資金源の流入が継続するため、総じて堅調さを保つと見込まれます。

日本政府による大規模な経済刺激策が大きな要因となり、不動産の取得に弾みがつき、2015年の見通しランキングでは東京がトップ市場の地位を保つとともに、2年前の調査では22位と下位に甘んじていた大阪もトップグループに躍進しました。ULIジャパンカウンシル会長の森 浩生・森ビル株式会社取締役副社長執行役員は「この数年、豊富な資金がアジアの不動産価格を押し上げてきました。この資金の多くが日本市場から供給されていることを考えれば、東京がアジアで最も注目される不動産投資市場となったことは極めて当然と言えます」と語りました。

税理士法人プライスウォーターハウスクーパース パートナーであり、不動産サービスのリーダーである高木 宏は、「2020年に開催予定の東京オリンピックが、投資家やデベロッパー、政策立案者に東京を改めて見直す機会となっています。インフラストラクチャー、オフィスビルやショッピングモール等、多くの開発が行われています。こうした開発に加え、総合リゾート設立地の可能性がある東京は、投資対象として復活してきました。この成長ストーリーは継続するとみています」と述べています。


上記レポートの本文(日本語版PDF | 原文(英語版PDF)

 

新たな世界都市勢力図 東京-世界舞台への挑戦

以前、

今年最大級の不動産取引が成立。高額不動産投資の主役は誰?
東京都心の不動産は国内外の不動産投資ファンドや富裕層から注目される存在です。

という記事を記載しました。今や東京は、世界から注目される不動産投資市場となりました。

今後益々東京が世界的に成功するために不動産が貢献するべきことは何でしょうか。

参考になるレポートとして、JLLグループ(本社イリノイ州シカゴ、以下:JLL)が公開している、東京の競争力をグローバルな視点から分析した調査レポート「東京-世界舞台への挑戦」を見てみまそゆ。

「​東京-世界舞台への挑戦」​​(PDF)

東京の成功に不動産が担う役割(25頁より)
未来の東京の成功は、国際社会からの評価を取戻し、国際ビジネスに係る制約に取組むことができるか否かにかかっており、不動産業界はそのうえで欠くことのできない役割を担っている。

・グローバル化への必須条件である不動産市場の透明度を高めることにより、ビジネスの効率化を促進し、グローバル企業を呼び込むこと。
・たとえ短期的に不動産市場の不均等化を招くことになっても、労働に対する意識変化を反映し、かつ東京が装いも新たに成長するために必要な商業用不動産ストックを形成すること。
・「グリーンビル」 関連分野においてさらなる推進を図ることにより、環境上好ましくなることはもちろん、これを投資家やテナント企業に対する重要なセールスポイントとすること。
・そして、時代の最先端を行く都市デザインとビジネスプラクティスを通じて、東京の国際都市としてのブランドとその存在感を高めること。

上記レポート(4頁)にも、

類い稀な東京の経済規模
東京の世界における競争力は、基本的に世界で最も人口が多い都市としてのその稀有な経済スケールと密接な関係にある。すなわち世界最大の経済規模と消費者市場である。

と記載されている通り、海外投資家から見るとまだまだ東京の市場は魅力的です。

何らかの理由で円安傾向が大きく崩れたり、世界のどこかで金融危機が発生すると、海外投資家でにぎわう東京を中心とした日本の不動産投資市場の雰囲気が一変する可能性があります。それまでの間は、こうした海外投資家向けの不動産転売・仲介ビジネスを含めた、海外投資家中心の不動産投資ビジネスがにぎわいそうですね。