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相続税対策・老後の資金作りの為の不動産投資の注意点

2015.2.10|コラム

20150210

「不動産で不労所得 数百万円!」とか、「不動産収入 数千万円!」という派手目なキャッチフレーズで、不動産投資を宣伝するウェブサイトに時々出会います。今回は不動産投資を開始する上で注意すべきことについて確認します。

 

トップバッターは刺激的なタイトルの記事です。以前の記事ですが、参考になります。

1億円の資産を30代で築いた主婦
1億円の資産を30代で築いた主婦がいる。

1億円貯められる人の条件

老後のマネー(資金)について心配している方も結構いらっしゃると思います。

老後資金のためのワンルームマンション投資についての記事です。

老後資金作りにマンション投資ってどう?
老後の資産作りにワンルームマンション投資をすすめられています。

職場の同僚のあいだでワンルームマンション投資が流行っています。ローンを払い終えたら、家賃収入が年金代わりになると言われ、なるほどいいかもと思いましたが、妻は猛反対。深田さんはどう思いますか?(37歳・夫・子ども2人)

老後資金を心配するために不動産投資をし始めて、かえって老後資金がショートするだけでなく、日常生活そのものが崩壊しないようにぜひお気を付けください。

 

投資を避けた方が安全な不動産は?

以前の記事ですが、参考になります。

金持ち父さんに学ぶ「持ってはいけない資産」とは?
マイホームが、「資産」ではなく、「負債」であるなんて、多くの人には受け入れがたい考え方でしょう。実際、マイホームにはお金に換えられない価値があると思う人は多いでしょうから、金持ち父さんの説に賛成するかどうかは、個人の考え方次第だと思います。しかし、不動産投資や資産経営を成功させるためには、この金持ち父さんの考え方を身につけることがきわめて重要です。というのは、不動産投資や資産経営を目指している人の中にも、「資産」ではなく、「負債」ばかりを買っている人が多いからです。

たとえば、マンションやアパート、戸建ての別荘等への不動産投資も、物件内容や資金計画によっては「負債」となってしまうことがあります。

 

区分マンション一室だけの投資であれば、その部屋の入居者が退室しその後なかなか入居者が決まらないという危険なリスクに直面します。ですから一室を数部屋、あるいは数十部屋まとめて購入しない限り、区分マンションへの投資は基本的にお勧めしません。
新築かつ駅近の一棟マンションが建設されつつある昨今では、区分マンションの差し押え競売物件が後を絶ちません。家賃ダウン&空室リスク大&マンション所有者(オーナー)負担となる設備トラブル等で借金返済ができなくなる不動産投資家が数多くいるからです。

ただし、投資対象の区分マンションをキャッシュで購入し、場合によっては自ら住む覚悟があるというのであれば、その投資自体を否定するものではありません。不動産投資をするにあたっては、できるだけ安く購入し、想定される(空室や建物修繕等の)リスクを頭から離さないことが、大けがをしない秘訣の一つです。

なお一棟物件であっても、大手企業の社宅として一括賃貸するということであれば、同様に投資をお勧めしません。賃貸している企業が退室してしまうと、その後に満室に近くなるためには相当の時間とコストがかかります。区分マンションへの投資と同様、リスクが高すぎる投資ですので、一般の方には危険な投資です。

 

不動産に投資しても意外と手残りは少ないものです

「不動産で不労所得 数百万円!」とか、「不動産収入 数千万円!」というキャッチフレーズをよく見ますが、ここで注意が必要なのは、「所得」もしくは「収入」という言葉が、単に「年間の賃料収入の総額」であるのか、「実際の手残り(賃料収入―管理費や固定資産税等支出の総額―借入金返済総額−所得税等の税金支払総額)」であるのかについてです。

多くの場合は前者です。そして、実は、

借金し続けて不動産を購入することは、それほど難しいことではありませんが、常に崩壊と隣り合わせになります。

 

一般的に、フルローンで表面利回りが10%程度であれば、よほど管理費の出費がかからない物件でない限り、実際の手残りはそれほど多くないと思いますよ。よほど余剰資産をお持ちの方や、多額(例:数億円)の相続税対策に迫られている方でない限り、現在のバブル市況ではまずお目にかからない表面利回り10%前後の不動産であっても、投資することは避けるべきなのです。

意外と見落としがちなのが、借入金返済総額のうち、経費になるのは金利であって、元本は所得扱いとなることではないでしょうか。そのため、借入金を返済した総額が全額経費になっていると認識してしまっては、その後に請求されるであろう所得税等の税金の支払いができなくなります。

安易に借金をし続けて崩壊する不動産投資家が後を絶たない理由は、こういった落とし穴にはまる人が多いからでしょう。

以前記載しました以下の記事は、ぜひご一読ください。

実際に目にした不動産投資の失敗事例

不動産投資で大きな失敗をすると自己破産に追い込まれるような危機的状況になります。不良債権担保不動産を専門に扱ってきた私たちが、これまで直面した不動産投資の失敗事例をいくつかご紹介いたします。

また、不動産で相続税対策をお考えの方は、以前記載した、

相続税対策の為の不動産投資で貧しくなる人

という記事に掲載した相続税対策の失敗例にならないようお気を付けください。

 

表面利回り20%オーバーのような高利回りすぎる物件はかえって危ない?

概ね表面利回りが20%オーバーであれば、机上の収支としては興味深い物件です。現実にはそういった利回りの物件にはまず出会いません。また、仮に出会ったとしても他の誰かに即購入されてしまいます。

表面利回りが20%オーバーの物件であっても、区分マンション一室、ランニングコストがかかる木造アパート一棟、さらには古めのマンション一棟など、将来的に収支が悪化して不動産事業面で苦しくなる危険性を持つ物件は要注意です!

さらにここ数年来、退室時の原状回復費用負担について、どんどんオーナー側の割合が増加していることも、決して無視できません。

例えば、月額家賃7万円のマンション一室の原状回復費用が7ヶ月分(約50万円)+次の入居者が決まるまでの空室損が3ヶ月分(約21万円)=約71万円
となる場合、10ヶ月分くらいの家賃収入が実質的に失われてしまうことになるでしょう。

いくら「賃貸派」が増えているといっても、住宅ローンが空前の低金利です。「買っちゃおうか!」という気持ちになる方も多いです。首都圏、特に東京都内での家賃と同等の支払いで不動産を手に入れることができるとすれば、「賃貸マンションの家賃を支払うのがもったいない」と思う方が自然だと思います。今後は賃貸住宅の空室率はますます高まる傾向にありますので、こういった賃貸住宅への不動産投資には慎重にならざるを得ません。

以前、

賃貸物件一棟への投資はもうダメ?空き家率が急上昇。2023年には空室率が21%になる?!
野村総合研究所が9月18日付で公表した、2018年および2023年の空き家率の2つのシナリオによると、最近の空き家率の増加スピードの鈍化傾向を延長した場合、2023年に空き家率13.7%。世帯数減少を考慮し、住宅の除却・減築が進まない場合、空き家率21.0%。

という記事を記載しました。あわせてご一読ください。

 

 資産運用を始める時期はいつから?

資産運用は、余裕資金ではじめるもの?
資産運用について巷で言われることの多くに、「資産運用は余裕資金で」という、キャッチフレーズのような文言があります。完全に否定するわけではありませんが、一種のズルさを感じてしまうのは、私だけでしょうか。生活資金で資産運用するのが良くないことは当然です。失敗した時、生活が立ち行かなくなりますからね。でも、よくあるこんな会話を耳にした時に、ふと疑問を感じました。

Aさん:「資産運用に失敗しちゃったんだけど…」
Bさん:「だから、資産運用は無くなってもいいお金、余裕資金でしかやっちゃいけないって、言ったじゃないですか!」

「無くなってもいいお金」? お金を殖やそうとしているのに、無くしても良いんですか?? 何かヘンな話です。また、「余裕資金」でという言葉も、余裕資金があるなら、そもそも資産運用なんてする必要はないのではないでしょうか(それを殖やしたい、という場合を除いて)。

(中略)

運用を成功させるには、何よりも時間が必要です。一日でも早いスタートで運用期間を長くとりましょう。どんな経済書を読むよりも、知識人の講演を聞くよりも、実際に金融商品の売り買いをすることが一番の勉強になります。退職金などの本当の余裕資金でいきなり運用をはじめて失敗するのではなく、少額から投資をして少額の失敗を積み重ねつつ、少額でもお金を殖やすことにチャレンジするのが良いでしょう。

不動産投資の場合、最初の投資に失敗するとその後の投資活動ができなくなるばかりか、日常生活そのものが崩壊する危険性が大きいです。これが、金融商品への投資と根本的に性質が異なる部分です。ところが、安易な気持ちで実際に不動産投資をしてしまったために、取り返しがつかない事態に追い込まれる方が後を絶ちません。

以前、

2015年不動産投資業界はどうなる? 過去最低金利、低利回り、相続税対策
私たちは、着実に不動産投資を実行するための真理はどこにあるのかを慎重に見極めることを第一にしてきました。それが、お客様ととともに不動産投資を通じて幸福を追求することがこれまでできた要因でもあります。

今の株高やバブル的な市況は実態が伴っているのか? この投資用不動産の価格(利回り)は実際の価値と一致しているのか?

今の低金利は政策的なものではないか?金利が上昇するリスクは何か?

海外投資家の動向は?金融危機がどこかの地域で発生するリスクと日本経済に与える影響は?

など、日本やグローバル経済を含めて、不動産投資をする上で真理の追究は不可欠です。

という記事を記載しました。

現在は、不動産市場はバブル的な様相を呈していますので、今から不動産投資を始めるのは不利な時期だといえます。

さらに、いつから不動産投資するべきかを検討する上では、次の問いに明確に答えることが出来るだけの理由が必要です。

 

なぜ不動産投資をしなければならないのか?

以前、

不労所得の夢を叶えるには決意が必要

不動産投資はどうしても多額の借金をする必要が出てきます。サラリーマンをしながら数億円の借金をする人もいるのです。その場合の毎月の返済は数百万円です。不動産事業が順調なうちはいいですが、万が一、毎月の収支が何百万円もの赤字になった場合、一般的なサラリーマンの本業収入ではカバーできません。全てを失うことになります。
恐ろしいと思いませんか? そこで、
「なぜ不動産投資をしなければならないのか?」
という問いに対する明確な答えが求められます。

という記事を記載しました。

この問いに明確に答えることができるのであれば、資産運用を始める時期はそれほど問題にはならないでしょう。

 

楽してお金儲けをしようとして成功し続けている人は少ないと思います。

急がば回れと言います。

急いで不動産投資しなければならない方は、突き詰めて考えるとそれほど多くないのではないでしょうか。「不労所得」という甘美なフレーズに惑わされることなく、まず第一に不動産事業経営者として攻めと守りの戦略を立てましょう。それが曖昧な時期は、不動産投資をせずに、来るべき時に備えてお金を貯めておくのもひとつです。

数多くの不動産投資をするよりも質の良い不動産投資を数回できれば、一生困らない老後資金等を手に入れることが出来る可能性が高いです。そういった魅力的な不動産との出会いが与えられ、来るべき時が到来したならば、それまでのご自身の賢明さと忍耐力の成果である自己資金を投入してチャレンジするべきです。