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不動産投資コンサルティングと陸上はラストスパートが大事です

2014.10.3|現場の話

私たちの不動産投資コンサルティング業務の大半は、数億〜数十億円規模の不動産購入や売却業務です。業務の完了に要する期間は早くて一ヶ月です。内容によっては、ご依頼後一年以上かかる場合もあります。

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私は、高校から大学まで陸上部に所属し、中長距離が専門でした。

ちなみに、高校一年生時の保健体育の先生は、日本女子マラソンの草分け的存在でした、故「永田七恵(旧姓・佐々木)」先生でした。

現役時代、土(アンツーカー)の競技場で行われた1500メートルのレースでは、他の走者の陸上スパイクのピンが足首にグサッと刺さった上に、履いていた片足のスパイクが脱げてしまい、ソックスのままで走破したことがあります。ゴールしたら、足が血だらけでした(苦笑)。

早朝から大雪となり、雪が積もった道路で開催された20キロのロードレースでは、ライバルの走者が、マラソン用シューズではなく、滑らないようにスパイクを履いて20キロを走破していました。

冬期トレーニングで長時間山道などを走るときは、トレーニング後、眉毛につららができていることが度々ありました。

このようになかなか信じてもらえない経験をしたおかげで、「簡単に終わる仕事はない」というくらいの人生観は学びつつ、私はアラフィフを迎えております。

 

どんな案件でもラストスパートが大変なのです

不動産投資コンサルティングのご依頼をいただいて直ぐに良い話が入り、あっという間に業務が完了することがあります。場合によっては、一ヶ月くらいで十数億円の売買が完了することがあります。

その一方、業務完了までに一年以上の時間を要する場合もあります。そんな案件の場合、まるで長距離走のように、黙々と業務を行い続ける必要があります。

どんな業務でも、簡単なものはありません。共通しているのは、最後のラストスパートではきついハードル越えの連続だということです。10億規模の融資について、約二週間で事前承認を取らないとその業務が完了しない場合は、肉体的な疲労に加え、失敗できないプレッシャーも重なり無酸素状態のようになるのです。

 

不動産投資のラストスパートで待っているハードルとは

数億〜数十億円規模の不動産購入や売却業務の場合は大抵、売主、買主の最低どちらかは法人(不動産ファンドを含む)です。ついては、安全に取引を完了させるためには、解釈の違いなどで法的な問題が発生しないようにすることはもちろんのこと、膨大な各種契約関係書類を細かくチェックする必要があります。それを怠ると、私たち不動産仲介業者が、数千万円から億単位の損害賠償請求を受ける可能性もあるのです。

重要事項説明書の付属書類の数が200を超えることは珍しくありません。「不動産屋って高級車に乗ってゴルフしてるだけじゃないの?」と思っている方も多いかもしれませんが、これからの不動産業者には細かな作業の積み重ねが求められる時代だと思います。

膨大な付属書類を売主、買主にリーガルチェック(数日間かかるのが普通)してもらい、問題があれば修正を重ねてフィードバックする時間も鑑みると、不動産仲介業者に与えられる売買契約や決済業務に費やす時間はどうしても少なくなります。

結果的に、売買契約直前や、残金決済直前は、想定外のトラブルが発生することが多くなります。大丈夫だと思っても、膨大な資料のごくごく一部の細かい部分が問題になったりします。「これ必要?」「どっちでもいいんじゃないの?」と思う時も正直ありますが、最悪、売買取引が流れてしまう可能性を考えると対処しないわけにはいかないのです。

加えて、契約関係書類への捺印行為も大きな問題になります。従業員が社長一人の法人であれば別ですが、一般的な法人であれば、従業員が法人の印鑑を社外に持ち出すことはできません。また、捺印行為自体に稟議が必要になる場合もあるので、契約関係書類の訂正が終わったとしても、その当日に捺印してもらうことは困難です。この捺印に要する時間が足りないために、契約や決済ができなくなるかもしれないと大騒ぎになる場合もあります。

 

本当に走ってラストスパートすることになりました

私が関わった最近の案件では、決済前日に、捺印を要する膨大な契約関係書類のほんの一部分について、どうしても訂正しなければならなくなり、3時間半で東京都内と千葉県松戸市を一往復半しなければならなくなりました(片道約1時間)。しかも、最寄り駅からそれぞれの事務所までは数分かかります。最終的に全ての書類に捺印をしてもらう残された時間は20分。

今回のこの書類に関しては明日提出ではダメで、当日、間違いなく捺印がされていることが必須でした。それができなければ決済が流れてしまう可能性もあり、さあ大変です。。。

まず私はどうやったらこの業務を、3時間半でやりきることができるか考えました。車移動は時間が読めないのでNG。全ての電車が遅れずに、乗り継ぎ時間のロスを最低限にし、最寄り駅から売主、買主の事務所まで猛ダッシュ。さらに、捺印は事務所に到着後即、一緒に手伝ってミスなく行うことができれば、ギリギリ間に合う可能性がありました。

松戸市内の某駅を降りては全力で走り、東京都内の某駅を降りては上り坂&下り坂&駅の構内を全力で走る。スーツ姿でひたすら走る。一部分では車をも利用し、車から降りてはまた走る。革靴なので若干滑るのですが、雪道でのレースよりはまだまし、そもそも靴を履いているだけラッキーということもあり、ひたすら走り、どうにか時間内に間に合わせました。

 

五輪マラソン代表 永田七重先生が残してくださった言葉を胸に今日も「前進」

毎度、トラブルなく仕事を完了したいと思いますがそう都合よくはいきません。不動産投資コンサルティング業務の途中で八方塞がりになってしまった時、店で食事をとる気にもならず、公園などに腰を下ろし、なんでうまくいかないのだろうとコンビニで買ったおにぎりを片手にため息をつくこともあります。

しかし、私が「前進」しないでどうする。。。「前進」という言葉は、永田七重先生が、高校教師を退職する際に在校生に残してくださった言葉であり、色紙にサインしてくださった思い出の言葉です。

七重先生は、週末の土日に当時のスターランナーであった瀬古利彦選手などS&B食品のランナーと一緒にトレーニングをするために、金曜日の夜に岩手から夜行列車に乗り翌朝東京に到着、二日間のトレーニング後、日曜日の夜東京発の夜行列車で岩手に帰り、翌朝教師としての仕事に復帰するという繰り返しでした。

瀬古選手や世界選手権金メダリストのダグラス・ワキウリ選手など世界の一流ランナーを育てた、故中村清監督が、教員を辞めて五輪を目指すことになった七重先生の退職日に、わざわざ岩手の高校まで来てくださり、在校生に謝罪のお言葉を述べてくださいました。

「七重のわがままをお許しください。」

30年以上の時を経た今でも、その時の光景はしっかりと胸に焼き付いています。指導者として世界一流である中村監督と、瀬古選手など男子の世界一流ランナーと一緒に人生の全てをかけてマラソンの世界にまっすぐ前進するのだという決意。その時の光景を思い出すたびに熱い思いがこみ上げてきます。何事も言い訳せずに精一杯打ち込むべきであるということをその時教えていただきました。

並外れた努力を重ねて五輪代表となった七重先生に指導していただいた者の責務として、これからもできる限りの努力を積み重ねつつ、どんな困難な業務に遭遇しても、お客様のご支援の為に前進していきたいと思っています。