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海外マネーが都市部を買い占め、地方でも進む二極化

2015.3.20|不動産投資ニュース

20150320

国土交通省が3月18日付で発表した2015年1月1日時点の公示地価によると、低金利や株高、円安を背景に大都市圏や地方の中核都市が上昇する一方、地元産業が落ち込んでいる地域では地価の下落が続いているようです。国内外の投資マネーが都市部の不動産に集中していることが、一部地域の地価上昇の大きな要因です。

 

発表された公示地価に関する記事を見てみましょう。

海外マネー、都市部を買い占め
18日発表された2015年の公示地価では、3大都市圏や地方の中核都市が上昇する半面、地元産業が落ち込んでいる地域で下落が続いた。低金利や株高、円安を 背景に、国内外の投資マネーが都市部の土地に集中して地価を押し上げる構図だが、庶民にとってはマイホームが「高嶺(たかね)の花」になりつつある。
(中略)
東京駅前の超一等地に立つ高層オフィスビル「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」は昨年10月、シンガポール政府系のファンドが1700億円で買収し た。今年1月には、結婚式場で知られる東京の「目黒雅叙園」を、中国政府系のファンドが1400億円で買収。半年前に森トラストが買った価格より、100 億円高かった。
不動産サービスのJLLによると、東京都内で昨年売買された不動産の約2割は海外投資家が買った。国内投資ファンドの幹部は「円安の追い風で、従来の取引価格の1・5~2倍の値を付ける外資系ファンドもいる」と話す。

 

地方でも進む二極化

都市部で都心と郊外の地価に関する格差が拡大するだけでなく、地方の同一地域内でも明暗が分かれているようです。

地価公示 三大都市圏、2年連続上昇 地方でも分かれる明暗 進む二極化
地価の最高地点は、東京都中央区銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」。前年比14.2%上昇の1平方メートル当たり3380万円で、全国首位は9年連続となる。

≪地方でも分かれる明暗 進む二極化≫
18日発表された2015年の公示地価は、東京、大阪、名古屋の三大都市圏が住宅地、商業地とも2年連続で上昇し、都市部を中心に地価の力強い回復が裏付けられた。一方、地方では7割の地点で下落が続き、都市と地方の二極化が一段と進んだ形だ。都市部で都心と郊外で格差が拡大しただけでなく、地方でも同一地域内で明暗が分かれたケースもあり、地価の動向は「多極化」の様相を呈してきた。

(中略)

「将来の資産形成にもなる」
40代の会社員男性がこう購入理由を語るのは、三菱地所レジデンスなどが東京・西新宿に建設中のタワーマンション。国内初の60階建てマンションとして注目を集め、2月の第1期申し込みでは最高価格の3億5000万円の住居を含め325戸が即日完売した。
勝どきや豊洲など湾岸エリアの人気も根強く、高級マンションの販売は過熱気味。この流れは地価に反映され23区全体で住宅地は1.9%上昇。都心3区は中央区6.4%▽千代田区6.3%▽港区6.0%-と上昇が続く。
だが、マンション取引は「都心部で活発な半面、郊外部では鈍い」(不動産経済研究所)という。富裕層が都心の「億ション」を買いあさるのとは対照的に、郊外型マンションの購入層にはアベノミクスの恩恵が行き渡っていないからだ。

これまで通り富裕層は奪い合うように不動産を購入しています。さらに、昨今の株高や各地での大規模再開発の恩恵を受けて数億円の現金を手にした一般市民が、続々と不動産投資に走っています。

私たちの事務所の近くの出来事ですが、約10年前につくばエクスプレス開通の恩恵を受けた多くの一般市民が数億円の現金を手にしました。同様に、現在はお隣の流山市で大規模再開発が進んでいるので、同様に数億円を手にした一般市民が続々と誕生しているでしょう。しかし、数億円を手にしても、何に投資をしたらよいのか分からない人は大勢いると思います。その行き場のない個人マネーと日銀緩和マネーや海外投資家マネーが、日本の不動産価格を高騰させています。

 

 

首都圏の新築マンション平均販売価格は22年ぶりの高額

以前の記事ですが、現在の不動産市況を知る上では参考になります。

首都圏の新築マンション販売、前年比2割減 建設費高騰
2014年に東京都と神奈川、埼玉、千葉県で売り出された新築マンションは4万4913戸で、前年より20・5%減った。平均価格は5060万円で、1992年以来、22年ぶりに5千万円を超えた。

いくら空前の低金利といっても、首都圏でマイホーム(マンション)取得をお考えの方にとって、この値上がり状況は勘弁して欲しいですよね。それでも現在の不動産市況では売れてしまうので、一般市民にとっては、ますます都心の新築マンションは高嶺の花になってしまっています。

このような市況では、大手不動産・建設関係企業や、どうしても不動産を購入したり建築しなければ問題がある立場の人を除けば下手に動かずじっとしているのが正しいのではないでしょうか。

 

 

建築費が高騰しても大規模再開発は各地で行われています。

海外投資マネーや大手企業による大規模再開発の事例として先日、銀座の大規模再開発の記事を記載しました。その他のエリアでも財閥企業中心に大規模再開発が進行中です。

例えば、日本橋の高島屋の隣でも三井不動産等により大規模再開発が行われています。

日本橋再開発01 日本橋再開発02 日本橋再開発05 日本橋再開発04

日本橋再開発03

 

この行く末はどうなるのか?

不動産の資産価値を超えた取引が相次ぐ状況であることは事実です。耳を疑いたくなるような高額な取引が続いています。リーマンショック前と類似の状況にある昨今、このバブル的な不動産市況の行く末はどうなることが予測されるでしょうか。

まず、三井不動産のような財閥企業は建築費の高騰等、経済活動上に多少の逆風が吹いても大規模な不動産開発が止まることはないと思います。財務面や人材面が充実しているからです。東京オリンピックという特需的なイベントが控えている以上、この大規模再開発はしばらく続くでしょう。

 

問題は、不動産業に携わる中小企業と、個人投資家です。

リーマンショック前は、中小規模の不動産業者が国内外大手不動産投資ファンド向けに高額で規模の大きな土地を多額の借金で購入し、建物の建築プランを付けて転売しようとしました。結果的にますます地価が上がり、「不動産ファンドバブル」とまで言われました。その時も、そろそろ不動産ファンドバブルがはじける(崩壊する)のではないかと多くの関係者が指摘していましたが、「まだ大丈夫」「今のうちに大儲けしよう」と一発勝負に挑んだ不動産業者は結構いました。

ところが、一旦潮目が逆流して国内外不動産投資ファンドから巨額の投資マネーが引き上げられると、不動産投資ファンドの購入意欲は一気に減退してしまい、転売目的で購入した土地を売れずに、固定資産税・都市計画税の支払いにも困り、破産に追い込まれる不動産業者が多々生まれました。その負の財産を精算しきれずに未だに苦しんでいる不動産業者も沢山います。

また、投資用不動産をフルローン&低い利回りで購入した個人投資家は、経済の減退に伴う空室率アップに耐えきれず、いつの間にか退場してしまいました。

そういった中小企業経営者や個人投資家が不動産投資に精通していなかったかといえば逆です。意外とその道の専門家だったりします。平成元年前後の不動産バブルと同様、「まさかあの人が!」という専門家やお固いイメージのある人が、リーマンショック後に不動産投資に大失敗しているのです。今回も同じ轍を踏む危険性がありますので十分にご注意ください。