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不動産市場の状況は?日銀の金融システムレポートより

2015.4.24|不動産投資ニュース

20150424

日本銀行は、先日4月22日に金融システムレポートを公開しました。レポート内では不動産市場の状況がバブルであるとは記載されてはいません。気になる点としては、「不動産業実物投資の対 GDP 比率」が過熱方向に変化したことと、低信用先の資金調達が増加傾向にあることが、将来の不良債権を大量に発生させる要因になるであろうと予測されることです。

 

まずは「金融システムレポート」とはどういったものであるか確認してみましょう。

金融システムレポートとは何ですか?
金融システムレポートは、金融システム全体の状況についての分析・評価を行うレポートです。わが国金融システムの抱えるリスクや課題を把握し、金融機関を含む幅広い関係者との間で認識の共有を図ることを通じて、金融システムの安定確保に貢献することを目的としています。

従来、金融システムレポートでは、銀行システムに内在する各種リスクや銀行システムのリスク耐性(当該システムを脅かしかねない要因が顕在化しても、それを吸収するだけの対応力を当該システムが備えているか)に重点を置いて、分析・評価を行ってきました。さらに、2011年(平成23年)10月からは、マクロ・プルーデンスの視点に立った分析を一層充実させることを狙いとして、金融システムレポートと従来別個に公表していた金融市場レポートを統合し、新しい金融システムレポートの公表を開始しました。

では先日公開された金融システムレポートをみてましょう。

金融システムレポート(2015年4月号)

要旨:金融システムの総合評価

わが国の金融システムは、安定性を維持している。金融仲介活動は、より円滑に行われるようになっている。

金融システムの機能度

金融機関は、引き続き、国内外で貸出を積極化している。国内では、リスクを取る方向での業務運営を指向し、成長事業の育成・事業再生への取り組みを強めている。こうしたもとで、金融機関の国内貸出は、企業向けを中心に緩やかな増加を続けており、企業規模、業種、地域のいずれの面でも徐々に広がりが出てきている。海外においても、本邦企業のグローバル展開を支え、成長力の高いアジアなど海外諸国の金融ニーズを取り込んでいく観点から融資に積極的に取り組んでおり、海外貸出は高い伸びを続けている。有価証券投資では、高水準の円債残高を維持しつつ、外債、投資信託など運用の多様化を図り、リスク・テイクを徐々に強めていく姿勢を継続している。この間、国内長期債投資を中心としてきた主要機関投資家でも、リスク性資産への投資ウエイトを高める動きがみられている。金融資本市場を通じる金融仲介は、エクイティ・ファイナンスが引き続き高水準で推移するなど、良好な発行環境が維持されている。こうしたもとで、企業・家計の資金調達環境は、より緩和的になっている。一方、家計の金融資産運用は、預金中心の構図に大きな変化はないが、このところ投資信託等への純流入が続くなど、リスク性資産の比重が徐々に高まっている。

全文(PDF)

家計の金融資産の運用が、リスク性資産へと向かっていることが示されていますね。

「不動産業実物投資の対 GDP 比率」が「緑」から「赤」に転じていますので、過熱方向に変化しました(75頁より)。

上記レポートの不動産市場の状況に関する記載で、特に気になる点をピックアップしてみました。

オフィス物件を中心に取引金額が高めの水準にあること、海外投資家など投資家の不動産投資スタンスが積極化してきており、J-REIT 価格が上昇していること、不動産向け貸出が徐々に伸びを高めており、低信用先の資金調達も増加傾向にあることなどを踏まえると、先行きの不動産市場の動向については、注視していく必要があると考えられる。

(レポート80頁より)

 

「低信用先の資金調達も増加傾向にある」という状況の積み重ねが、将来大量の不良債権(及びその担保不動産)が不動産・金融市場に溢れることの要因です。

その不動産をできる限り安く購入し、また現在のような市況に回復したときにできる限り高く売却するのが、中長期的な不動産投資戦略です。そのためには、

・キャッシュ(自己資金)を蓄える

・金融機関から安定した信用をいただき続ける

投資対象不動産に対する自己管理能力を磨く

とういうことは必要です。

 

空前の低金利時代の現在は、既存の借入の借り換えや金利ダウンの条件変更はおすすめします。しかし、低金利の名のもとで、慌てて数多くの(それほど魅力的ではない)不動産投資に走らないように気を付けましよう。

いくつかの魅力的な不動産投資が実現すれば、大抵の方はそのご家族全員が一生困らない程のキャッシュが手に入ると思います。しかし、そういった不動産投資が容易に実現するわけはありませんよね。

こういった時代だからこそ、ご自身の賢明さと忍耐力をもって、近い将来の並外れた魅力的な不動産投資の機会との出会いを待ち望みましょう。