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相続対策の不動産投資に潜むリスク

2015.5.15|コラム

20150515

各地で不動産を活用した節税対策セミナーが開催されています。そのセミナーの延長で、安易に不動産投資を開始してしまい、かえって生活を圧迫することにならないよう気をつけましょう。今回は、相続対策の不動産投資にまつわるリスクについて見てみることにしましょう。

 

相続対策の不動産投資 光田洋子(マネージャーナリスト)
昨年に引き続き、今年も相続関連のセミナーが各地で開催され、人気を集めています。参加者の年齢は四十代から七十代くらいまでと幅広く、テーマは相続税の改正ポイントや、節税対策といったものがほとんど。中でも、不動産を活用した節税対策が目に付きます。代表的なのが、賃貸アパートを建てたり、投資用のマンションを購入したりする方法です。

セミナーに出席すると、「不動産投資するなら今でしょう!」という類いの周囲の雰囲気に流されてしまう場合があります。節税のつもりが、不慣れな不動産投資により想定外の出費等によりかえって日常生活が破綻することのないよう注意する必要があります。

 

相続税対策に不動産投資を使う時の注意点・リスク
なぜ相続税の節税に不動産投資がよいのかというと、不動産は課税評価額が現金よりも小さいためです。こうした節税メリットは確かにありますが、当然「投資」である以上、リスクも存在ます。今回は相続税対策・節税目的で不動産投資をするメリット、デメリットをまとめます。

(中略)
不動産投資においては収益性や長期的な運用を目的とするべきで、節税だけを目的に不動産投資をするにはリスクが大きすぎます。一つの投資としてしっかりとした収益見積もり、それに加えて不動産と付き合っていくという覚悟も必要となります。
十分な老後資金があり、賃貸需要が見込める土地を保有しているというような状況であれば、節税メリットも大きいと思われますが、新規に土地を購入したり、賃貸需要がさほど高くない保有土地にアパートなどを建築するのはリスクの方が大きいと考えます。

確かに日本の税金負担は重いです。利益が出たけれども多額の税金負担で黒字倒産する企業があるくらい、税金対策は重大な問題です。個人であれ、法人であれ、シンガポールに本拠地を移してビジネスを行いたくなる気持ちも分からないわけではありません。

大幅に節税できる可能性のある不動産投資に魅力を感じることは理解できます。しかし不動産投資は、収入に対する税金対策等、結構大変です。毎月の賃貸収入だけでは、その収入に課せられる税金等各種支出を含めて収支をみると、それほど多額の利益が出るわけではありません。

ではどういった時に多額の利益が出るかというと、手持ちの不動産を高く売却したときに手にするキャピタルゲイン(転売利益)です(ただし、その利益にも相当の税金が課せられます)。そういった多額のキャピタルゲインを得る可能性がある不動産投資が今できるかというと、価格が高止まりした現在の不動産市況においては、一般の方は極めて困難と言わざるをえません。

 

多額の相続税が課せられる大地主さん等であれば別ですが、突き詰めると多額の借金をして不動産投資をしてまで相続税対策をする必要がない場合もかなりあると思います。

以前、

相続税対策の為の不動産投資で貧しくなる人
2015年からの相続税増税の報道が多くなってきています。過払い金回収ビジネスに続けとばかり、相続税の還付ビジネスでバブルを期待する専門家の話すら聞こえてきます。相続税対策で安易にアパートなどを建てて大丈夫なのでしょうか。

という記事を記載しましたのでご一読ください。

節税を目的とした不動産投資で、かえってその後の生活を圧迫しないようにしましょう。「本末転倒」にならないよう十分にご注意ください。