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過熱する不動産投資市場に警戒感 潮目が変わるか?

2015.7.21|不動産投資ニュース

20150721

日経不動産マーケット情報は、独自に収集した売買事例を基に分析レポートを掲載しています。2015年8月号のレポートでは、第2四半期(4月~6月)は取引件数、東証REIT指数ともに前四半期を大きく下回る結果となりました。過熱感のある不動産投資市場に異変が発生しているのでしょうか?

 

過熱する市場に警戒感、取引はやや軟調に

日経不動産マーケット情報では、独自に収集した売買事例を基に四半期に一度、分析レポートを掲載しています。2015年8月号のレポートのタイトルは「過熱気味の市場に一服感、先高感と不安が交錯」。好調が続く日本の不動産投資市場ですが、第2四半期(4月~6月)は取引件数、東証REIT(不動産投資信託)指数ともに前四半期を大きく下回る結果となりました。くしくも世界的には、ギリシャの債務問題と中国株の急落に翻弄され、グローバル経済の抱えるリスクが改めて意識されたこのひと月。日本においても過熱する不動産市場に警戒感を持つプレーヤーが増えており、将来のリスクを織り込む動きが顕在化しつつあるのかもしれません。

通常の場合、決算期末が重なる第1四半期(1月~3月)に不動産取引が集中してまとまる傾向にあります。その反動で第2四半期(4月~6月)が大きく下回ったのではないかと予測可能です。

それとも、過熱感のある不動産投資市場に異変が発生したのでしょうか?

 

先日総合不動産サービス大手のJLLグループが公表した、2015年上半期の世界の商業用不動産投資額の速報値に関する下記の記事では、

2013年以降、右肩上がりで増加を続けてきた投資額が今期落ち着きを見せました。」と表現されていました。

[速報-2015年上半期] 世界の不動産投資額、前年同期比3%増の3,150億ドル 日本は6%減の193億ドル(円建てで10%増の2兆3,100億円)

JLLリサーチ事業部長赤城威志は次のように述べています。 「今期のみに着目すると投資額は減少していますが、一般的に決算期末が重なる第1四半期に取引がまとまる傾向があり、2013年以降、右肩上がりで増加を続けてきた投資額が今期落ち着きを見せました。一方、上半期全体でみると円建ての投資額は前年比で増加を続けており、J-REITが継続的に物件を取得しているほか、私募ファンドによる取得額は前年同期比6割増しの状況となっています。良好な資金調達環境は継続しており、現在のレベルの金利水準が継続する限りは投資額の増加傾向が続くものと予測されます。」

 

東証REIT指数の動向は?

巨額の国内外投資マネーが運用されていて、リアルな不動産投資市場価格に影響も大きく与えるのがJ-REITです。

ここで東証J-REIT指数(2003年3月31日の終値を基準値に置き、その日の時価総額を1,000としてその後の時価総額を指数化したもの)に関する動向を確認してみましょう。

J-REIT市況月次レポート

6月の東証REIT指数(配当なし)は、前月比-3.37%と、TOPIXの下落率-2.58%を超えた。海外情勢や長期金利が9ヶ月ぶりの高水準を示した影響から、月初より下落。しかし、TOPIXが中旬に反発すると、24日に年初来高値を更新したのに対し、東証REIT指数の上値は重く、月末に掛けて続落し、30日は1,803.13と昨年11月以来の下値を付けて終了した。用途別指数で見ると、東証REIT住宅指数が前月比-0.3%に対し、東証REITオフィス指数が-3.9%、東証REIT商業物流等指数が-4.0%と下落を牽引しており、資産の用途による差が生じている。投資家別の売買状況では、外国人投資家が4ヶ月連続の売越しとなっており、その背景には世界的な金利上昇懸念が要因として考えられる。


2015年上半期のJ-REIT価格動向とその要因

株式市場は順調に上昇していますが、J-REIT価格が冴えない値動きになっている要因は、外国人投資家の大幅な売り越しにあります。 本稿執筆時点で開示されている1月から5月までの差引き売買金額を見ると、2015年は外国人投資家が2月から5月まで4ヶ月連続で大幅な売越し主体になり、月平均で200億円以上の売越しとなっています。 但し、外国人投資家の6ヶ月平均の差引き売買金額の推移を見ると、2014年1月、2月にも2015年5月と同様に150億円近い売越しになっていました。 従ってオフィス市況の回復で分配金の増加基調が明確になるか、日銀の第三弾となる金融緩和など外国人投資家の「買い」材料が生じれば、J-REIT価格は回復に転じるものと考えられます。

上記記事にも記載されています通り、先月末に上場したサムティ・レジデンシャル投資法人は公募割れになりました。

IPO発行価格102千円→初値99千円

となり、2013年10月以来のIPOの公募割れとなりました。昨今もさらに下落気味です。

 

日本の不動産市場に投下されている外国人投資家による巨額の投資マネーは、日本に留まっている保証はありません。どこかで損失が発生すれば、その補填として日本市場に投下されていた巨額の投資マネーが一気に逆流する可能性はあります。そうなるとJ-REITや不動産価格に大きな影響が発生します。

 

外国人投資家の動向如何では、昨今のバブル的な不動産投資市場の潮目が変わる状況にあると思います。こういう状況は過去にもあり、ここを我慢すれば、近い将来、魅力溢れる不動産を購入できるチャンスが到来します。