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J-REIT業界の成長は頭打ち? 漂う閉塞感

2015.7.27|不動産投資ニュース

20150727

J-REIT業界では閉塞感が漂い始めています。J-REIT業界における最大手グループの一つ、野村グループ内でのREIT合併の記事などを見てみたいと思います。

 

野村不動産、“業界初”の合併は大博打?閉塞感漂う業界の再編促進か自滅か

野村不動産ホールディングス(以下、野村不動産)は5月27日、傘下のJ-REIT(不動産投資信託)3社が10月1日付で合併すると発表、J-REIT業界に衝撃が走った。「ずいぶん大胆な戦略転換だが、成長シナリオが狂えば自滅の道をたどる可能性がある」「行き詰まり感があるJ-REIT業界再編の口火になる」など、業界関係者の評価は分かれている。合併するのは、物流・商業施設複合型の野村不動産マスターファンド投資法人、オフィスビル特化型の野村不動産オフィスファンド投資法人、住宅特化型の野村不動産レジデンシャル投資法人の3社だ。

2015年の税制改正をいち早く利用するあたりは、さすが野村グループですね。

ただし、結果的に何でも屋さんになりましたね。野村グループ内で開発した物件の出口として、有効に利活用される可能性が高いです。本来、実質的なスポンサーとJ-REITは一蓮托生の関係であることについては由々しき問題です。しかし、その正論はもはや数年間から通らない状況になりました。

 

我が世の春を謳歌してきたといってもよいJ-REIT市場の潮目が変わったことを示す記事です。

焦点:「ぬるま湯」のJ─REIT市場、急落招いた過度な日銀依存

[東京 23日 ロイター] - 7月の東証REIT指数<.TREIT>の急落を受け、J─REITに対する投資家の警戒姿勢が強まっている。これまで買い手の一翼を担っていたファンドの解約売りが、日銀の買い支えという「ぬるま湯」に浸かっていた市場に、冷や水を浴びせたためだ。

年内の米利上げ観測の強まりが売り材料として意識され、さらに連動して日本の長期金利が上がり始めれば、官制相場のもろさを露呈するような一段下落の可能性もありそうだ。

(中略)

REITは、金利変動に敏感な商品だ。日銀の量的・質的金融緩和(QQE)に何らの変化はないが、年内の米利上げ観測などを背景に、日本の金利も年初からじわりと上昇している。「官製相場」への安心感は今回の急落で大きく揺らいだ。金利上昇の局面では、他市場を含め波乱の展開が警戒される。

日銀依存で美味しいビジネスが永遠に続くわけではありません。いわゆる「官製相場」に依存しすぎたビジネスのリスクには気をつけてください。

 

J-REITの中でも特徴的なのが、ホテル・旅館に特化した星野リゾート・リート投資法人です。同じ不動産ファンド業界でも、こういった分野の現状はどうでしょうか。

株式会社星野リゾート・アセットマネジメントの隆氏にホテル(観光)業界とファンドの特徴についてインタビューした記事が掲載されていました。

「REITキーマンに聞く!」株式会社星野リゾート・アセットマネジメント

最近の動きとして、ホテル仕様でなかったビルをビジネスホテルやカプセルホテルに変える事例が出てきています。土地を取得してから開発すると時間もかかり、建設コストも数年前に比較して5割くらい増えていますので、動きとしては早期に完了するコンバージョン※のような手法が注目を集めています。(※コンバージョン:既存建物の用途を変更し、全面改装を施して新しい建物へ再生させる手法)

物件が品薄で価格が高騰(利回りが低下)しているのはどの分野でも同じですから、そういった意味での閉塞感は、ホテル業界であっても存在すると思います。しかしホテル業界の場合、活況を呈しすぎて逆に心配になるほどの状況に感じます。

東京都心では、商業地にある土地があれば、ビジネスホテル用地として奪い合いになっています。例えば、日本橋周辺等に建っている老舗と呼ばれる中小企業所有の自社ビル、特に廃業あるいは差押えになったのが原因で空室状態のオフィスビルは、多くの不動産投資家にとって今でも狙い目の物件の一つです。

 

ただし上記の通り、本来は実質的なスポンサーとJ-REITは一蓮托生の関係であることについては由々しき問題です。ましてや組み入れている物件のオペレーターまで実質的に兼ねているとすれば、ほぼ一つのグループに丸投げ状態といってもよいです。その対象が大手財閥系ではないので、やや心配ではありますね。

 

そうはいっても、特徴的なJ-REITということで、個人的には大きく成長していただきたいと願います。