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不良債権再生ビジネスの成功事例「星野リゾートトマム」

2015.12.11|不動産投資ニュース

20151211

星野リゾートは、二束三文で共同投資していた「星野リゾートトマム」を中国系ファンドに破格の値段で売却することに成功したようです。北海道を代表するようなリゾート地の売却理由についてのインタビュー記事を見てみましょう。

星野リゾートがトマムを中国系に売った理由 独占!星野佳路代表に直撃インタビュー(上)

――トマムの投資会社交代が話題を集めた理由は、新しい所有者であるフォースンが中国企業だったという点にある。

それは偏見だ。会社を見ていなくて、たまたま上場していた場所で見ている。フォースンという会社は中国だけでなく、中長期的な視点で、世界中に投資している会社だ。

確か、2014年の「週刊東洋経済」で、フォースンが日本に投資を始める準備をしているという記事があったはずだ。

中国で上場しているが、もともと学生2人がスタートした民間企業。フランスのクラブメッド(旧地中海クラブ)などにも投資しており、国際的な視点を持ったいい会社だ。

この記事の続き(後編)も見てみましょう。本音が見え隠れしているように思います。

 

ホテル業界のトヨタになり世界展開をするための手段

星野流、規模100倍の外資ホテルとの戦い方 独占!星野佳路代表に直撃インタビュー(下)

――実家の「星のや軽井沢」は、星野リゾート・リート投資法人に売却している。トマムでは投資ファンドを選んだ理由は何か。

リート投資法人は性格上、完成した建物を買って、安定収入を得ることはできる。ただ、新しい建物を買ったり、リフトを掛け替えたり、リフトの近くにレストランを作るといった、開発を手掛けることはできない。

破綻したリゾートの再生現場においては、投資ファンドのようにリスクを取れる資金が必要だ。彼らは、再生が終わり、価値があがったときに、売却して利益を得ることを目的としており、それなりにリスクをとることができる。

そして再生が完了し、収益が安定期にあがるようになると、価値は急にあがらない。一般的な再生期間において、最初にリスクがとれる会社はどこにするのか。再生が完了した時点で、安定して所有する会社はどこにするのか。決めることはとても大切だ。

(中略)

それよりも、外資のホテル運営会社と戦える競争力を、持たなければならない。まずは2016年夏、「星のや東京」を出して、きちんと成功させることだ。

東京の中心地に進出することは、星野リゾートが世界に出て行くための、ステップ、それも重要なステップだ。

東京は世界の名だたる運営会社が乱立している市場。パークハイアット、マンダリンオリエンタル、コンラッドといった会社と戦い、星野リゾートのほうが、稼働率も、運営や単価、利益もいいとなれば、ニューヨークでも「星のや」を出さないか、という話になる。

世界の大都市では、日本車が走り、日本食も食べられる。なぜ日本の旅館はないのか。その選択肢を与えるためにも、われわれにとって、とても重要なプロジェクトだし、投資家からも非常に注目されている。

 

格安で所有権の一部を購入して運営/管理もしていたリゾート地を売却して、次の事業に生かした(資産替えした)という点では、一般的な不動産投資と同様です。

本件の本質については、二束三文で共同投資していた物件を破格の値段で購入してくれたのが結果的に中国マネーであっただけということのように思います。

 

その点について触れている記事です。

有名温泉地、中国資本に呑み込まれ中国人だらけ? 北海道は高級外資系殺到の異常事態

星野リゾートトマムは、夏の早朝に3日に1回の割合で眺められる「雲海テラス」が大人気。早起きしてゴンドラに乗る人が続出した。敷地と宿泊施設の一部を保有している占冠村との運営委託契約の更新期を迎え、米系ファンドが上海豫園や香港の大手開発会社に購入を打診。上海豫園が破格の価格を提示して買収したという。

(中略)

だが、バブルが崩壊して漂流が始まる。98年に施設の4割を所有するアルファ・コーポレーションが自己破産。施設は占冠村が買い取り、加森観光に運営を委託した。03年、施設の6割を所有する関兵精麦が民事再生法を申請して倒産。04年にその施設を星野リゾートが買収。加森観光に代わって星野リゾートが占冠村から運営を委託された。

そして今回、中国資本の上海豫園に売却した。二束三文の超安値で買収した施設を183億円で売却したわけだから、星野リゾートと米投資ファンド連合は多額の売却益を手にしたことになる。不良債権再生ビジネスの典型的な成功例となった。

そういった資金をプールしつつ世界的な事業を目指すのは、ホテル業界のトヨタを目指す経営者としては自然なことでしょう。

星野リゾートグループは、「星のや 東京」のような新しいビジネスを通じて、世界展開を狙っているようです。

会社規模が二桁違うような世界の名だたる外資ホテルに挑んだ結末はどうなるでしょう。

度々記載しています通り、個人的には応援したい企業グループの一社です。

今後のますますの活躍を祈念致します。