法律に違反した公務員の不動産投資
2016.1.22|不動産投資ニュース
上司の許可なく人事院規則の基準を上回る賃貸収入を得て、兼業を禁止する地方公務員法に違反した佐賀県の消防副士長について報道されています。同消防署の他の職員も同様に問題を起こしていることが発覚したようです。地方公務員に限らず国家公務員を含めて、今後全国規模では他にも同様の不祥事が発生する可能性があります。
佐賀広域消防局は19日、マンションや駐車場などの賃貸収入で年間約7千万円を得ていた北部消防署警防1課富士出張所の男性消防副士長(43)に対し、兼業を禁止する地方公務員法に違反したとして減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にした。
(中略) 全職員に兼業や賃貸収入を得る物件などを報告させているが、問題発覚を受けて再度確認したところ、他にも職員5人が同様に報告していなかったことが判明。このうち、人事院規則の基準を上回る収入を得ていたのが3人おり、処分の有無も含めて調査している。
これだけの賃貸収入がありながら、社会のために消防士として活躍していることについて賞賛する声もあります。
しかし、上記記事の末尾で
監督責任として消防局長や北部消防署長ら3人を文書による厳重注意とした。同消防局では、昨年10月にも強制わいせつ容疑で逮捕された20代の男性消防士に対する停職6カ月の懲戒処分があった。田原和典局長は「わずか3カ月の間に再び不祥事を引き起こし、住民に深くおわびする。一日も早く信頼回復できるよう努めていく」と話した。
と消防局長の謝罪が記載されている通り、法律に違反した不祥事であることは事実です。
今回の不祥事は、住民からの通報により発覚したようです。
同様に自分も罰せられるのではないかと戦々恐々としている公務員の方は、全国規模では相当いるように思います。
以前、公務員の不動産投資による兼業問題について
公務員が不動産投資や太陽光売電。副業・規則違反で問題にならないか確認
公務員には、国家公務員法103条・地方公務員法38条により職務専念義務が課せられています。ついては、原則として副業が禁止されていると言われています。しかし、相続で不動産の所有者になってしまい、賃料収入を得てしまう場合もあります。中には、後ろめたい気持ちを持ちながら不動産投資をしている公務員もいるようです。
(中略)
本業に影響がない(と思っている)不動産投資についても、株式等と同様に単なる投資であって副業ではないとは一概には言えないように思います。
相続等の理由で不動産投資を行うということであれば、面倒かもしれませんが、各種規定の範囲であっても後々トラブルにならないよう、しかるべき手続きを踏んだ上で、正々堂々と不動産投資をしていただくのが正しい道でしょう。
という記事を書きました。併せてご一読ください。
公務員も人であり、自由に不動産投資をしてもいいのではないかと温かく見守りたい方も多々いらっしゃると思います。
しかし公務員は、私たちのような一般市民とは異なる職務専念義務が課せられています。
感情的な価値判断と、法律的な価値判断は分ける必要がありますね。