ESTATE BOOKS

 

中小企業経営者・投資家の為の不動産情報サイト ESTATE BOOKS

大手不動産投資ファンドでも5億円台の一棟物件を購入。これは市場価格にも影響が出そうです

2014.9.2|不動産投資ニュース

1

何十億から何百億の資金を運用している不動産投資ファンドでも一棟5億円前後の物件を購入しているようです。これは一般の投資家から見たらあまり良いこととは言えませんね。

資産の取得完了に関するお知らせ(賃貸住宅合計8物件)

KDXレジデンス日本橋人形町

不動産ファンド(リート)大手のケネディクス・レジデンシャル投資法人が公開している資料によると、5億円台の一棟賃貸マンションも投資対象としているようです。リーマンショック前もそうでしたが、低い利回りでも購入してしまう不動産ファンドの動向は、不動産投資市場における価格形成に少なからず影響を与えていると思います。

 

不動産ファンドは、企業年金基金や生命保険会社等、多額の預かり金を運用している「機関投資家」と呼ばれる大口の出資者等の資金を運用することから、安心、安定した資金運用を望んでいます。そのため、不動産ポートフォリオに組み入れる不動産の選定にはそれほど高い配当利回りは求めていません。極端な高利回りはリスクが大きいという印象があるからです。

 

不動産ファンド大手であれば、投資対象が中小企業経営者や一般投資家の期待する利回りよりは低くても問題がないのです。

 

また不動産ファンド大手は、10億円以下の物件を好んで購入はしないと聞いています。運用しなければならない資金が大きいので、数十億円規模の大規模な物件を中心に購入しないと、とても資金を運用しきれないからす。5億円規模の物件は、バルク(まとめて)購入する際に、おまけ的に購入する程度だと思います。

 

しかし、ファンドに投資マネーが流れすぎて資金運用に困ると、大規模物件だけではなく、5億円規模あるいはそれ以下の物件も購入を検討することになります。お金だけ集まってもその資金が運用されないのであれば、ファンドマネージャーの責任になってしまうからです。不動産ファンド大手が、一般投資家でも購入しやすい5億円前後の物件まで購入しているとなると、ますます、売買の価格が高騰していく可能性が大です。

 

お分かりの方もいらっしゃるとは思いますが、表面利回り(=年間家賃収入÷物件価格)を用いて簡単にご説明します。

年間家賃収入3,000万円の一棟マンションがあるとします。

一般投資家が期待する表面利回りを、仮に8%とした場合

→ 購入希望価格:3,000万円÷8%=37,500万円

ところが不動産ファンドが期待する表面利回りを、仮に6%とした場合

→ 購入希望価格:3,000万円÷6%=50,000万円

同じ年間家賃収入でも、1億2,500万円購入価格の差が出てしまいます。

 

さらに、不動産ファンドが期待する表面利回りを、仮に5%とした場合

→ 購入希望価格:3,000万円÷5%=60,000万円

同じ年間家賃収入でも、2億2,500万円購入価格の差が出てしまいました!

 

このように、不動産ファンド大手が5億円台、あるいはそれ以下の価格帯の物件まで購入し始めると、一般投資家が物件を購入することがますます困難になります。

 

一方、こういった不動産ファンド大手に買ってもらえる物件を持っている売主にとっては、今は思いがけない高価格で売却出来るステージが整っているといえるかもしれません。

 

不動産ファンドの動向は、不動産投資市場における売買価格形成に少なからず影響を与えることから、私たちとしても目を離すことができません。