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不動産市場の負債が異常膨張で「危険な事態」が密かに進行

2016.8.26|不動産投資ニュース

20160826

打出の小槌のように、自ら取得・開発した不動産の出口として分譲マンションとリート(REIT)等の不動産ファンドを利活用している大手不動産会社の負債が、異常に膨張しているという記事が公開されています。貴重な出口の分譲マンションの売り上げが悪化しているだけでなく、もう一つの出口のリートも不安材料を抱えている状況です。

 

まずは大手不動産会社の負債が膨張していることと、リート(REIT)が「打出の小槌」であるということについての記事です。

不動産市場、「危険な事態」が密かに進行大手不動産、負債が異常膨張で霞む「出口」

 大手不動産会社の有利子負債総額が増えている。三菱地所、三井不動産、住友不動産の大手3社の2016年3月期の有利子負債残高は3社合計で約7.6兆円にものぼる。3社の売上高合計は約3.4兆円であるから、なんと売上高の2倍以上の有利子負債を抱えていることになる。

とりわけ、有利子負債が多いのが住友不動産である。8549億円の売上高に対する有利子負債は3兆1589億円、売上の3.7倍もの有利子負債を計上している。有利子負債額が多いとされるソフトバンクグループが、売上高9.2兆円に対して有利子負債額11.9兆円、倍率にして1.3倍であることを考えると、その数値は突出している。


(続き)

昨年から、大手不動産のビジネスモデルに崩壊の兆候

REITによる資産の取得や運用にはスポンサー会社からの意向が働きやすい環境にあるということができる。

この恩恵に浴しているのが、大手不動産会社である。つまり、自らが取得し、開発した不動産の最終出口に常にREITという「心強い出口」を控えさせているのである。以前であれば、不動産会社は自らが原材料である土地等を取得し、自らのリスクで建設した建物で運用し、最終的に売却して利益を計上する場合には、外部の流通市場で行わなければならなかった。

ところが、「傘下の」REITがあれば、常に有力な「買い手」として、自らが投資した不動産を受け取ってもらえるのである。これほど心強い味方はいないということになる。

REITを支えるのが、運用難に悩む地域金融機関や個人投資家である。上場REITの投資口は東京証券取引所に上場され、日々流通している。利回りも平均分配利回りで3.5%ほど。さらに加えて日銀が相場を支えているとなれば「安定した運用先」としてREITが選択されるわけである。

こうしたビジネスモデルの確立は、大手不動産会社にとっては、安心して金融機関から資金を借り受け、不動産に投資し、出口はREITにしっかり受け取ってもらうなかで、大きな収益が期待できる「打ち出の小槌」になった。

 

そのリートに不安な状況が到来しています。この記事を続けて見てみましょう。

(続き)

あらゆる成人病が勃発するおそれ

 日本の多くの大企業は今では海外でその多くの収益を稼ぎ出している。国内に多くのオフィス需要はもともと期待できない。オフィスについても今後、供給過多から賃料は弱含みで推移するであろうことは容易に想像できる。当たり前だが、賃料が下がれば、利回りが落ちる、利回りが落ちれば価格が下がる。

 そのとき、今まで通りREITが出口として強力な助っ人として存在し続けるだろうか。REITはいくらスポンサー会社の意向をくみ取るものといっても、上場法人である。マーケットがそっぽを向き、投資家がNOを突き付ければ、言うことを聞いたはずのREITが機能するかどうかはわからない。

 国が総力を挙げてきた日本経済好調のための演出は、そろそろ役者が尽き終幕が近づいているのかもしれない。そのとき、REITやマンション購入者といった出口をなくした不動産会社は、膨らみ切ったバランスシートを抱えてどこにいくのだろうか。わずかでも金利が上昇すれば、あらゆる成人病が勃発するであろうことは想像に難くない。

リートの家賃収入の源となる大口借主の経営状況が悪化

リートの大口借主の一社であるイトーヨーカドーの例です。

ヨーカ堂の閉鎖店舗が続々決定!新浦安店も

千葉県2店、愛知県2店、京都府1店などが判明

セブン&アイは記者の取材に対し、次の店舗の閉鎖について明らかにした。

2017年2月末までに閉鎖するのは、千葉県の東習志野店、愛知県の豊橋店と犬山店、京都府の六地蔵店、岡山県の岡山店。2017年7月末までに閉鎖するのは千葉県の新浦安店だ。

このうち千葉県の東習志野店は、店舗施設の保有者であるトップリート投資法人に対し2017年6月4日にテナント契約を解除するとイトーヨーカ堂が通知。千葉県の新浦安店は、森トラスト総合リート投資法人に対し、2017年7月30日に解約すると通知した。いずれの店舗も、解約日より数カ月前には閉店するとみられる。

イトーヨーカドーの例に限らず、リートの大口借主の企業が賃貸借契約を解除する動きは、今後もメディアで報道されると思います。

 

リート等の不動産ファンドは、実質的にスポンサー企業の意向が強く反映されています。

スポンサー企業の多くは、大手不動産会社です。

一般的にこうした大型不動産の貸主となるリート等の不動産ファンドや、そのスポンサー企業である大手不動産企業が、突然破綻するわけではないです。

ただし、今後は大手不動産会社の自社グループ内で統廃合がある可能性があります。

 

それが、一般的な不動産投資家に対して即座に大きな影響があるわけではありません。

しかしリート等の不動産ファンドの購入価格目線の下落は、その後の不動産市況に大きな影響を与えているのも事実です。

マイナス金利の影響で、リート等の不動産ファンドに膨大な投資マネーが流入しました。

その膨大な投資マネーを運用する必要のある不動産ファンドは、高騰気味であった不動産市況においても不動産を購入する必要がありました。

今しばらく、それら不動産ファンドの動きを見極めたいと思います。

不動産ファンドの動向次第ですが、これまで信用とキャッシュを蓄えてきた聡明な投資家にとっては、リート等の不動産ファンドが放出する10億円オーバー規模の比較的魅力的な不動産への投資のチャンスが増加する可能性があります。

 

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