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不動産投資で資産運用する大手企業が堅調

2017.10.24|不動産投資ニュース

世界最大級のプライベート・エクイティ(未公開株)投資会社の米国ブラックストーン・グループの7-9月(第3四半期)決算では、不動産ポートフォリオの高リターンが寄与し、利益が全てのアナリスト予想を上回ったとのことです。日本の地方の金融機関や年金等の巨額の資金を運用するゴールドマンサックス・アセット・マネジメントの日本法人が運営する私募リートも好調のようです。

ブラックストーン:7-9月利益、予想以上-不動産ポートフォリオ好調

ブラックロックのオポチュニスティック型不動産ポートフォリオの価値は7-9月期に5.5%上昇した。同期間のS&P500種株価指数の上昇率は4%だった。インビテーション・ホームズやヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスなどへの投資が押し上げ要因だった。PEポートフォリオの価値は3.3%上昇した。

原題:Blackstone Profit Beats Estimates as Real Estate Portfolio Gains(抜粋)

 

原題の英文の以下の箇所を読む限り、

Blackstone’s opportunistic real estate portfolio appreciated 5.5 percent during the three months ended Sept. 30, exceeding the 4 percent rise in the S&P 500 index of large U.S. companies.

おそらく上記の

ブラックロックのオポチュニスティック型不動産

ブラックストーンの・・・」

の誤りです。

いずれも巨額の投資マネーを運用しているので、ブラックストーン・グループブラックロックは間違えやすいですね。

 

ブラックストーンといえば、約740億円で日本の商業施設を保有するシンガポールのREITを買収することに関する以下の記事が公開されていました。

米ブラックストーン、シンガポールのREIT買収へ

米投資ファンドのブラックストーン・グループは7日、シンガポールに上場する不動産投資信託(REIT)、クリサス・リテール・トラストを約740億円で買収する方針だと発表した。クリサスは日本の商業施設11カ所で構成。ブラックストーンは日本やアジアの物件に積極的に投資している。

クリサスは東京都や千葉県などの商業施設に投資。買収はシンガポールにあるブラックストーンが運用するファンドの関連会社を通じて実施する。すでに6月下旬に買収を提案済みで、今後はクリサスの既存投資家の同意を経て年内の買収完了と非上場化を目指す。


*クリサス・リテール・トラストが2014年に千葉市稲毛区の大型商業施設「ワンズモール」を110億円で取得した時の記事

クリサス、千葉市の商業施設取得 2014/9/29付

クリサス・リテール・トラスト(シンガポール上場の不動産投資信託=REIT) 千葉市稲毛区の大型商業施設「ワンズモール」を110億円で取得したと発表した。日本での事業基盤を拡大する計画を進めている。

 

不動産投資市場に地方金融機関や年金などの機関投資家の資金が流入

世界有数の資産運用会社ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)の日本法人の私募不動産投資信託(私募リート)は、5年で運用額が約5倍の1000億円に達したとのことです。

ゴールドマン私募リート、運用額1000億円に増加-地銀や年金が投資

GSAM日本法人の私募リートは地方銀行など地方金融機関と年金が投資家の8割を占める。8月に文京区のオフィスビルを約70億円で取得、年内の50億円程度の物件も交渉中だ。今後も年150億-200億円程度の物件を取得する。都内オフィス市況について石川部長は「来年からの新規供給で賃料の大幅な伸びは期待できなくても賃料収入という意味では大きな下振れは考えにくい」と語った。

GSAMは米ゴールドマン・サックス・グループの資産運用部門で、全世界の投資家から受託している運用資産残高は138兆円。債券はこのうち62兆円と最大を占め、不動産を含む代替投資は約14兆円(16年12月現在)。日本法人の運用残高は6 月末の公表ベースで約6兆3000億円。このうち1000億円を占める私募リートは、投資地域で東京が80%を占めており、オフィスビルが75%で住宅が15%となっている。

 

地方金融機関と年金等の機関投資家を中心に、資産運用先に困っています。地震や北朝鮮の問題はあるものの、比較的安定した配当利回りが予測できる資産運用先の一つとして、東京中心(千代田・中央・港・新宿・渋谷区)で延べ床面積3万平米以上の条件を満たすAグレード(注1)の大型不動産に投資したい機関投資家は、世界規模で見ると本当にたくさん存在します。

この低金利下では、Aグレードのオフィスビルのキャップレートと10年物国債利回りのスプレッド(差)は、リーマンショック前と比較すると、許容範囲に収まっています。

収まっているので安心だということはありませんが、機関投資家はこのスプレッドを重視します。

(注1)オフィスビルのグレード分けについては、統一した定義は存在しませんが、

JLL  20179月末時点の東京オフィス空室率・賃料を発表

空室率 Aグレードは8四半期ぶりに3%台へと上昇、Bグレードは14四半期連続2%台で推移

に記載の定義を今回は引用しております。

 

優良物件の争奪戦が、10億円台の不動産投資に影響を与える

Aグレードの不動産投資物件の奪い合いが続くと、Bグレードの物件まで奪い合いが続く可能性があります。

Bグレードのさらに下のランクの物件(10億円以上)は、所在地によりますが、体感的には首都圏エリアですと表面利回り的には6%中盤から8%弱が売り出し価格です。

その物件の購入希望者が融資を使う場合は、金融機関の融資の厳格化が進行していることから、購入は容易ではありません。地震や北朝鮮等のリスクを考えると、一物件あたりの融資額も大きいですので、購入希望者ご自身が前向きに検討しにくい状況になりつつあります。

一方、自ら中心になり組成したJリート等の不動産ファンドを出口(転売先)とすることが可能な不動産ファンドのスポンサー企業は、A・Bグレードの不動産投資物件が争奪戦ということから、今まで以上にそれ以下のグレードの不動産投資物件を購入する可能性が高くなるでしょう。

ここ数年で数回転売されたそういった不動産を、ここにきて不動産ファンドのスポンサー企業が購入しているという情報が入ってきています。

 

機関投資家等から資金は集まるものの、物件争奪戦の影響により投資機会の乏しい都心部の物件以外で投資物件を探さざるを得ない不動産ファンドのスポンサー企業

と、

建物本体や空調等の設備の老朽化に伴う大規模な修繕費や、地震・北朝鮮リスクを鑑み、都心部以外の所有物件の売却を検討する所有者

との需要・供給の価値目線が一致するケースが増えていくと思います。

 

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