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苦戦が続く三越伊勢丹「不動産を成長事業に」できるか?

2017.11.7|不動産投資ニュース

三越伊勢丹が高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」の売却を発表しました。経営状況が悪化している三越伊勢丹は、私たちの地元の千葉県松戸市にある伊勢丹松戸店を2018年3月に閉鎖します。現場の人材育成をないがしろにしたままで、他からのスカウト組と外部のブレーンに依存して次々とM&Aや新規事業へ乗り出した結果です。

 

三越伊勢丹、高級スーパー売却発表 三菱系ファンドに

三越伊勢丹ホールディングス(HD)は23日、子会社で高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」を運営する三越伊勢丹フードサービス(東京・中央)の株式の66%を三菱グループ系投資ファンドの丸の内キャピタルに売却すると発表した。売却時期は2018年3月をめどとし、売却額は非公表。クイーンズ伊勢丹の店名は継続する。不採算で赤字が続いたことからファンド主導による立て直しを急ぐ。

 

最近では、千葉県松戸市にある伊勢丹松戸店が来年3月末で閉鎖されるという記事も公開されました。

三越伊勢丹、伊勢丹松戸店を来年3月に閉鎖

伊勢丹松戸店は1974年に開店し1996年のピーク時には売上高は336億円にまで拡大した。だが競合激化などを背景に売り上げが落ち込み、近年は赤字が恒常化していたという。

 

伊勢丹松戸店については、松戸市が21億円もの大金(税金)を投入することでなんとか撤退を防ぐ動きがあり、驚いたものです。松戸市議会が拒否することで、伊勢丹松戸店が閉鎖することを決定した模様です。

 

御多分に洩れず、M&A・新規事業へシフトして経営状況を悪化させた

三越伊勢丹としては、今後どう事業経営を立て直しするのでしょうか。

前のカリスマ社長は、他社からのスカウト組と外部のブレーンに依存する体制で次々にM&Aや新規事業へ走り、経営状況の改善を努力する策をとりました。

残念なことに、現場で経営者が思うような新規事業展開を実行するための人材育成が追いつかず、失敗したようです。

三越伊勢丹の「改革」が失敗した本当の理由

だが、ここで踏みとどまり、新たな成長を目指すには、本業の強化に加え新規事業の開拓を進める以外に道はない。危機感を強めた大西氏は、基幹店の大規模リニューアルを敢行したほか、外食、旅行、婚礼などの新規事業へ次々と乗り出していく。その際に重用したのは、伊勢丹や三越の生え抜きではなく、他社からのスカウト組と外部のブレーンだった。

(中略)

といっても、実際に事業を動かすのはプロパーの社員たち。彼らのうち「ほぼ9割は大西さんの意図を理解していなかった。伊勢丹出身か三越出身かに関係なく、ほとんどが『大西改革』についていけなかった」と三越伊勢丹の幹部が肩を落とす。

その結果、新規事業の立ち上げや店舗リニューアルなど重要事業の多くが予定より1年から1年半遅れとなるのが常態化。たとえば銀座三越の免税店フロアが失敗といわれるのも、事業化が遅れに遅れ、中国人観光客による「爆買い」ブームが去ったあとにオープンしたからだ。

M&A自体を否定することはありませんが、まるでソフトバンクの孫社長や、海外の有名な企業経営者のごとく、国内外M&Aに走っては業績を悪化させる日本の大手企業が続出しています。結果的に苦しむのは、現場で日々真面目に仕事をしている従業員です。

日本の一般的な大手企業の経営者は、本業を大切にコツコツ信頼と実績を積み重ねつつ、攻めと守りを大切にすることで成長戦略を描くことには長けていても、経営改善の手段として、他からのスカウト組と外部のブレーンに依存してM&Aを用いることは不得手だと思うのですが(苦笑)。

不動産を成長事業に

今年4月の記事です。

三越伊勢丹HD社長「不動産を成長事業に」 

優先的に取り組む課題として成長事業を明確化するとともに百貨店事業の再構築を目指す。旗艦店のある東京・新宿や日本橋に優良な土地・建物を抱えているものの、「(不動産の活用には)今まで一切取り組んでこなかった」と指摘。立地を生かして複合ビルに衣替えするなどして収益化を進めるという。

 

改善策の例としては、先日記載した以下の記事のように、地方銀行や年金等の国内外機関投資家に安定した配当利回りをもたらすための不動産ファンドを組成することです。

不動産投資で資産運用する大手企業が堅調

地方金融機関と年金等の機関投資家を中心に、資産運用先に困っています。地震や北朝鮮の問題はあるものの、比較的安定した配当利回りが予測できる資産運用先の一つとして、東京中心(千代田・中央・港・新宿・渋谷区)で延べ床面積3万平米以上の条件を満たすAグレード(注1)の大型不動産に投資したい機関投資家は、世界規模で見ると本当にたくさん存在します。

 

不動産を成長事業にするには、初歩的な不動産・金融知識とクリエイターの力を活用すること

三越伊勢丹の不動産事業は、今後どのように展開するのでしょう。

三越伊勢丹は、経営改善手段としてM&Aや新規事業へシフトすることを積極的に行った結果、人材育成が追い付かず経営状況を悪化させました。

一方、所有する不動産を活用する不動産事業にシフトすることは、タワーマンション転売業者のような不動産投資というより、不動産の利回りと10年物国債利回りのスプレッド(差)等、初歩的な金融関連の知識レベルが求められます。

外部ブレーンとしては、M&A専門家とか金融機関の専門家より、以下の記事で記載したLVMHグループが手がけた「GINZA SIX」のように、既存の店舗経営とは一線を画す、優れたクリエイターさんの力を活用する方が良いです。

不動産からブランドビジネスへ「GINZA SIX(ギンザ シックス)」LVMHグループ

GINZA SIXは、不動産とラグジュアリーがコラボしていると言えるでしょう。

その根幹的な存在のLVMHグループ力を率いるアルノー氏のビジネスは、昔から日本人が大切にすることにより成功したように思います。

(中略)

決して経営状況が右肩上がりとは言えない中小企業の入居者の奪い合いが繰り広げられるビル経営では、立地条件に限らず、いかに入居者の事業を支援できる不動産であるかが、ますます重要な経営要素の一つになりますね。不動産投資とクリエイティビティはますます切っても切れない関係になりそうです。

再び、他からのスカウト組と外部のブレーンに依存しすぎて失敗しないよう願います。

所有する不動産を活用することにより、近い将来復活する三越伊勢丹の姿が今から楽しみです。

 

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