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相次ぐ外資系大手不動産ファンドによる日本の大型不動産投資

2020.10.16|不動産投資ニュース

外資系不動産ファンド「ベントール・グリーンオーク(以下「BGO」)」は、日本企業の大型不動産売却が増加することを想定し、投資を拡大するとのことです。外資系大手不動産ファンドによる日本の大型不動産への投資が相次ぎ発表されていますが、その背景を認識する上で興味深いレポートが公開されていました。

 

不動産ファンド、日本で1兆円投資 企業売却受け皿に

外資系の大手不動産ファンドが日本で大型投資に踏み切る。ベントール・グリーンオーク(BGO、本社カナダ)は今後2~3年で最大1兆円を投じる。企業の不動産売却が増え、受け皿となる投資を拡大する。日本の不動産市場は欧米に比べコロナ禍の打撃が小さく、相対的に高いリターンが見込める。すでにアジア系PAGも最大8000億円の投資を決めており、海外勢の関心が高まっている。

BGOは、アイルランド製薬大手シャイアーを買収したことによる負債削減を目的とした武田薬品工業による不動産売却の受け皿にもなりました。

武田、大阪本社ビル売却 500億円で米不動産ファンドに

武田薬品工業は大阪市内の本社ビルを米国の不動産ファンドに売却する。周辺のビルなどもまとめて売却し、総額は500億円程度とみられる。武田は1月にアイルランド製薬大手のシャイアーを買収したことで、足元で5兆円超の純有利子負債を抱える。本業の医薬事業と関係の薄い資産の売却を進め、巨額買収で膨らんだ負債の削減を急ぐ。

売却先は米ファンドのグリーンオーク・リアルエステート。両社は近く正式契約を結び、3月までに取引を完了する見通し。

コロナ禍においてBGOは、不動産やホテルを手掛けるユニゾホールディングス関係会社から、麹町の大型オフィスビルを購入したと報道されています。

BGOといえば、「ほっともっと」「やよい軒」をチェーン展開する社長の資産管理会社へGINZA SIXのワンフロアを購入後に転売し、高額のキャピタルゲインを得たことでも知られています。その取引について記載されている2018年の記事です。

GINZA SIXのフロアをまるごと買い上げたお弁当屋さんの謎

開業から1年を迎えるこのゴージャスな施設にホカ弁屋が?そう囁かれるにはワケがあった。

持ち帰り弁当店「ほっともっと」や定食屋「やよい軒」をチェーン展開するプレナスの社長、塩井辰男氏(54歳)の資産管理会社が、昨年12月にGINZA SIXのワンフロアをまるごと買い上げたからだ。

「塩井氏の資産管理会社が購入したのは、8階の広さ約1639坪のオフィスフロアです。現在は経費管理を行うIT企業、コンカーが入居しています。元々はGINZA SIXを大丸松坂屋百貨店などと共同で開発した住友商事が同物件を保有していましたが、オープンしてすぐの昨年4月に不動産会社ヒューリックに約120億円で売却。

ヒューリックは購入してから2ヵ月で、米国の不動産投資ファンド、グリーンオーク・リアル・エステートに200億円以上で転売しました。

グリーンオークは米モルガン・スタンレーの不動産投資部門で働き、バブル崩壊後の日本で『ハゲタカ』として荒稼ぎをしたフレッド・シュミット氏が創設した不動産投資会社です。

同社は塩井氏の資産管理会社に当該フロアを約250億円で売却し、半年で数十億円稼いだと見られています」(全国紙経済部デスク)

BGOに限らず、香港ファンドのPAGも最大80億ドルの投資を検討しています。

香港ファンドPAG、日本の現物不動産や不動産会社等に最大80億ドル投資

香港の大手投資ファンドのPAGは、欧米など海外の年金基金などから集めた投資マネーと借入金含めた投資余力が最大80億ドルのファンドを設立し、日本中心にアジア太平洋を対象(全額を日本に振り向ける可能性もあり)として現物不動産や不動産会社への投資を検討しているようです。

こうした外資系大手不動産ファンドにおいては、日系不動産ファンドと同様にコロナ禍でのEC需要の急増に伴う物流施設への不動産投資のマインドが増加していますが、巨額の投資マネーを背景に、空室率が上昇する可能性が高い大型オフィスビルや、インバウンド需要がストップしてしまい経営不振に陥っている大型ホテルへの割安な不動産投資の機会も探しているようです。いわゆる「逆張り」不動産投資戦略です。

 

オフィス市場の将来に関する大方の予想は正しいか?

数十兆円の巨額な投資マネーを運用中のカナダ大手投資会社ブルックフィールドは、東芝から米原子炉大手ウエスチングハウスを買収したこともありますが、世界最大級の不動産オーナー、デベロッパー、またオペレーターです。ブルックフィールドによる日本の大型オフィス不動産に関する投資の価値判断について、とても興味深いレポートが公開されていました。

結論としては、冒頭に記載されている通り、

「コロナ禍でリモートワークが浸透してきたものの、物理的なオフィスに対する需要は今後も大きく減退することはなく、引き続き企業文化にとってオフィスが重要な存在であり続けることになると私たちは考えます。」

とのことです。

ブルックフィールドが投資する対象は「クラスA」と呼ばれる大型オフィスビルであり、オフィスビル市場全体の将来を予測したものではないものの、外資系大手不動産ファンドが相次ぎ日本の大型オフィス不動産に投資する背景を理解するためには、この詳細資料はとても有益です。

 

外資系大手投資ファンド等による日本の大型不動産への投資は、投資後に早めに転売してキャピタルゲインを得る目的だけではなく、世界の主要各国の中央銀行による金融緩和の政策により溢れている巨額の投資マネーの安定した運用目的として、あるいは工場用地等の実需として、今後も継続的に行われていく状況にあります。

大地震のような自然災害等で日本の不動産そのものが広範囲に破壊されない限り、東京の不動産マーケット中心に日本の大型不動産価格は、こうした外資系大手投資ファンド等の旺盛な需要により下支えされていく可能性が高いです。

 

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