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2020年1~9月の不動産投資 首都圏が世界首位を維持 2021年も堅調か

2020.12.8|不動産投資ニュース

JLLによると、2020年1~9月の首都圏への投資額が上半期に続き世界首位だったほか、2021年も堅調とのことです。1~9月の海外投資家の比率は38%で、19年通年(21%)を大きく上回りました。主要都市の中で最もイールドギャップ(実質利回り−長期金利)が大きいのが東京です。

 

1~9月の不動産投資、首都圏が世界首位を維持

JLLが世界のオフィスやホテル、物流施設などを対象に投資額を集計した1~9月の首都圏の投資額は194億ドル(約2兆円)となった。ニューヨークが上半期の2位から1~9月は5位に落ちる一方で、首都圏は上半期に続いて世界首位を維持した。

(中略)

21年の見通しについて、大東氏は「各中央銀行の金融緩和で投資待機資金は増えている。政治面が安定し市場規模も大きい日本への資金流入は続く」と語る。オフィスや住宅、物流施設のほかデータセンターなどに投資対象が広がっていくとも指摘した。コロナの収束時期は見通せないが、日本の不動産市場は堅調に推移しそうだ。

この記事で、

1~9月の海外投資家の比率は38%で、19年通年(21%)を大きく上回る。

と記載されている通り、東京都内等の魅力的な大型不動産は超低金利と外資系大手投資ファンドによる投資マネー等に下支えされて高止まりしています。

今後は、比較的割安な不動産投資ができる可能性が高い、コロナ禍で顕在化した経営状況悪化で再編を迫られる企業の保有不動産に着目した大型不動産投資やM&Aが実施されると思います。

以前、以下の記事を記載しました。

相次ぐ外資系大手不動産ファンドによる日本の大型不動産投資

こうした外資系大手不動産ファンドにおいては、日系不動産ファンドと同様にコロナ禍でのEC需要の急増に伴う物流施設への不動産投資のマインドが増加していますが、巨額の投資マネーを背景に、空室率が上昇する可能性が高い大型オフィスビルや、インバウンド需要がストップしてしまい経営不振に陥っている大型ホテルへの割安な不動産投資の機会も探しているようです。いわゆる「逆張り」不動産投資戦略です。

(中略)

外資系大手投資ファンド等による日本の大型不動産への投資は、投資後に早めに転売してキャピタルゲインを得る目的だけではなく、世界の主要各国の中央銀行による金融緩和の政策により溢れている巨額の投資マネーの安定した運用目的として、あるいは工場用地等の実需として、今後も継続的に行われていく状況にあります。

最近公開された以下の記事によると、外資系大手投資ファンドにより1千億円超の不動産投資が実行されています。

ブラックストーン、国内不動産1100億円取得

米大手投資ファンドのブラックストーン・グループが日本国内のオフィスビルや商業施設などを約1100億円で一括取得したことが分かった。物件はいずれも東京や大阪など大都市にあり、中長期的に底堅い賃貸需要が見込めると判断した。同社が今年、国内不動産に投じた金額は累計で約6000億円に上るもよう。新型コロナウイルスの感染拡大で急減した不動産取引は、外資系ファンドの主導で回復が進む。

ブラックストーン・グループだけで、今年国内不動産に投じた金額は累計で約6000億円とのことですね。

どうやらこの記事で記載されている1100億円の投資物件は、以下の通り

香港ファンドPAG、日本の現物不動産や不動産会社等に最大80億ドル投資

香港の大手投資ファンドのPAGは、欧米など海外の年金基金などから集めた投資マネーと借入金含めた投資余力が最大80億ドルのファンドを設立し、日本中心にアジア太平洋を対象(全額を日本に振り向ける可能性もあり)として現物不動産や不動産会社への投資を検討しているようです。

記載しましたPAGが、かつてゼネラル・エレクトリック(GE)の不動産部門が投資した物件を2015年にバルクで取得した一部のようです。

既に外資系大手投資ファンドが投資済みで、投資前に必要な物件調査レポートがきっちり揃っているこのような大型不動産投資案件は、外資系大手投資ファンドにおいて引き続き行われていくでしょう。

コロナ禍であっても大型の貸ビル事業は比較的安定的

大型オフィスビル業界については、三井不動産が新宿三井ビルを関連J-REITの日本ビルファンドに売却した以下の記事

三井不動産、新宿三井ビルをREITに売却 1700億円で

三井不動産は9日、旗艦物件の新宿三井ビルディング(東京・新宿)を不動産投資信託(REIT)の日本ビルファンド投資法人に1700億円で売却すると発表した。国内REITの保有物件で最高の取得額となる。都心部の再開発などで保有物件が増え、一部を現金化して運用効率を高める。

新宿三井ビルは1974年に竣工した地上55階、地下3階の複合ビル。延べ床面積は約18万平方メートルで、新宿副都心再開発の象徴的な建物だ。三和ホールディングスやアフラック生命保険などが本社を構える。3月末の帳簿価額は2031億円だった。売却後も三井不が運営に関与し、ビルの名称は残すという。

このような大型ビル売却情報が報道された際に、コロナ禍で空室率が急上昇して今後大変なのか、といったことが一部でささやかれますが、そもそも自らスポンサーとして組成したJ-REIT等不動産ファンドに転売することは決して珍しくないのと、現実的に三井不動産のような大手企業は危機感を保ってはいるものの、決して慌てる状況にもなさそうです。

事実、三井不動産は、香港拠点の有名なヘッジファンド「オアシス・マネジメント」から社長ら3人の取締役の解任要求を受けていた(株)東京ドームのホワイトナイト的立場として約1200億円を投じ、TOB(株式公開買い付け;Take Over Bid)により(株)東京ドームの完全子会社化を目指すとのことです。買収後は、株式の20%を「東京ドーム」が本拠地の「巨人」のオーナー企業の読売新聞グループに譲渡する予定とのことです。

テレワークはヤフーや富士通、日立等一部の大企業では積極性が見られますが、クラスS/Aと言われる大規模ビルに入居することができる数多い大企業等においては、それほど大きな労働環境の変化が発生しているとは言えない状態の為です。それは、既に東京都を中心とする朝晩の電車通勤が以前と同様に満員電車であることから明らかです。

今後どのような方向に進んでいくかを予測することは難しいですが、大企業が半ば強制的に春の緊急事態宣言時のようにテレワーク徹底を制度化する等の急速な労働環境の変化がないとすれば、テレワーク普及の影響を如実に受ける業界の一つである大型の貸ビル業界としては、大勢が変わる状況ではないと思われます。

一方、入居者様が一社退出すると空室率が急上昇する可能性が高い中小規模の貸ビル事業者は、コロナ問題の悪影響が今後も入居者様の経営状況に波及することも想定される為、いつ空室が発生しても良いように、かなりの危機感を保って事業運営をするべきです。

 

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