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東京都心5区オフィス空室率上昇も不動産価格は高止まり 驚くような売買価格も

2020.12.11|不動産投資ニュース

三鬼商事発表の東京都心5区 (千代田、中央、港、新宿、渋谷区)の基準階面積が100坪以上の規模のオフィスビルについて、11月時点での空室率は4.33%、4年8ヶ月ぶりの高水準とのことですが、投資ファンドの購入意欲に支えられ、大型ビルの売買市況には大きな影響が生じているとは言えない状況です。

 

東京都心オフィス空室率、4年8カ月ぶり高水準 11月は4.33%

地区別では、5区すべてで空室率の上昇が続いている。港区の空室率は5.61%と、16年8月以来の高水準となった。新築ビルが募集面積を残して竣工したほか、既存ビルで大型の解約が出たのが響いた。5区外へのオフィス移転に伴う解約が出た渋谷区の空室率は5.19%と、前の月(5.14%)から小幅に上昇した。

都心5区のオフィス平均賃料は3.3平方メートルあたり前月比0.94%(211円)下落し、2万2223円となった。下落は4カ月連続。既存ビル、新築ビルともに下落した。

三鬼商事の上記データは、以下のような基準となります。

東京ビジネス地区/2020年11月時点 オフィスデータについて
都心5区 : 千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区

東京ビジネス地区(都心5区)内にある基準階面積100坪以上の主要貸事務所ビルを対象としています。

中小規模ビルはどうかといえば、現場の肌感覚では更に高い空室率になっていると思います。

例えば、各階が同規模フロア面積(例:70㎡前後)の10階建ビルのワンフロアが空室になれば、空室率は10%となり、5階建ビルのワンフロアが空室になれば空室率は20%となりますが、そういったビルは多数存在していると思います。

 

では、不動産価格が全体的に値下がりしているかといえば、所在地や最寄駅からの距離、構造等個別要因により価格が異なりますが、例えば東京都内では全般的にはそれほど不動産価格が値下がりせず、逆に価格相場が高くなっているエリアがあります。

特に大型ビルは、国内外大手企業や投資ファンドにより価格が高止まりしています。

値下がりしない不動産価格。企業放出の大型不動産、外資勢が拾い上げ取引活発が要因

これらの大型不動産の買い手は、不動産大手や外資勢ファンドなどだ。日経新聞が12月3日に報じたところによれば米手投資ファンド大手のブラックストーン・グループが日本国内のオフィスビルや商業施設などを1100億円ほど投じて一括購入している。

この記事にあるブラックストーン・グループによる1100億円のバルク購入については、先日以下で述べました。

2020年1~9月の不動産投資 首都圏が世界首位を維持 2021年も堅調か

JLLによると、2020年1~9月の首都圏への投資額が上半期に続き世界首位だったほか、2021年も堅調とのことです。1~9月の海外投資家の比率は38%で、19年通年(21%)を大きく上回りました。主要都市の中で最もイールドギャップ(実質利回り-長期金利)が大きいのが東京です。

このような状況は、大型ビルだけではなく、中小規模ビルでも該当する場合があります。実際の売物件情報ですが、弊社ビルから近く、弊社ビルの約半分、築年月が5年古いビルが8億円以上で売られています。おそらく、表面利回りが3%未満でビル管理費等の経費を差し引いた後の実質的な利回りは2%前後だと思います。現場感覚では、ここまで相場が上がったのかと正直驚いています。

高額すぎて売れないのかと言われれば、そうとも言えないのが東京都内の不動産市況です。

空前の低金利と世界的金余りによって、表面利回りが3%未満であっても立地条件や建物グレードが良好であれば買主候補が存在します。これは株高で沸いたかつての平成初期の不動産バブルと類似しています。違いと言えば、日本のビルに対して購入意欲旺盛な多くの投資家が、アジア系、特に上海等で実質利回りが1%を下回りながらも投資中の中国系投資家ということです。土地所有権付きで立地と建物グレードが良ければ、日本人投資家の目線とは異なる基準で、場合によっては現金で購入します。

このような海外不動産投資家等の旺盛な投資意欲は、赤字で経営難のビル所有者だけではなく、絶好の資産替えの機会ととらえて前向きに売却を検討するビル所有者の保有ビルを手放そうという動きを後押しするでしょう。

 

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