ESTATE BOOKS

 

中小企業経営者・投資家の為の不動産情報サイト ESTATE BOOKS

近鉄グループHD 所有不動産を「流動化」して多額の資金調達

2021.4.5|不動産投資ニュース

近鉄グループホールディングスは、大阪や京都などにある8カ所のホテルを、大手投資ファンド運営会社ブラックストーングループと共同出資で設立する特定目的会社等に売却した上で、運営業務を受託することを発表しました。

 

当社グループが保有するホテル資産の一部に係る合弁事業に関する基本合意書締結のお知らせ(2021年3月25日付)

協業候補先の選定にあたっては、グローバルなホテル経営の知見を有し、ブランド、本ホテル資産、組織・ 人の成長に戦略的に投資することで、本ホテル資産の持つ高い可能性を引き出すことができ、かつ当社が信頼を寄せることができるパートナーとなることを最優先に、慎重に検討を重ねた結果、グローバルで最大級の不動産資産運用会社で、ヒルトン・ワールドワイドやラスベガスのカジノリゾートベラッジオなど、ホテル事業への豊富な投資実績を有しており、現在でも約 2.5 兆円のホテル資産を運用しているブラックストーンがベストなパートナーであると判断しました。

このプレスリリースによると、ブラックストーングループ関連のシンガポール法人と共同出資で設立する特定目的会社等にホテルを譲渡し、運営は組織変更した上で引き続き近鉄グループが受託するとのことです。

日経新聞によると、譲渡価格は600億円規模とのことです。

近鉄グループ、8ホテル売却 米ファンドに600億円で

売却金額は非公表だが、600億円規模とみられる。新型コロナウイルスの影響が長期化し、鉄道やホテルなどの収益が悪化している。ホテルの運営は続けつつ、資産売却で資金を確保して構造改革を進める。

このスキームにより、ホテル資産とホテルに係る損益等を連結対象から外した上で、将来的に生じるキャッシュ・フローを原資として、コロナ禍を乗り切り経営安定化を図る為の多額の資金調達をすることが目的でしょう。

 

この発表に先んじて、所有するビルに関する流動化スキームにより約400億円を調達することも既に発表しています。

●近鉄グループの不動産事業にかかる日本政策投資銀行との業務協力協定締結および協働による不動産私募ファンド組成について(2021年3月4日付)

エイベックス、電通本社ビル、リクルート銀座ビルを売却するスキーム(セール&リースバック方式)とは異なり、不動産の流動化スキームは、自ら設立に関わった特定目的会社等に所有不動産を売却し資金調達を行なった上で、実質的な所有・管理状態を維持しつつ将来的に買い戻しも視野に入れる取引手法として、以前から多数実施されております。

いずれにせよ、大地震等で致命的に破壊されない限り、不動産は、いざという時の高額な資金調達の為の「打ち出の小槌」と言えますね。

 

この記事が参考になったら、下のボタンクリックしていただけると幸いです。

にほんブログ村 投資ブログ 不動産投資へ