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中国当局 不動産大手に社債利払いを厳命

2021.11.12|コラム

中国恒大に端を発して、中国不動産開発企業各社による外貨建社債の償還や利払いに関する債務不履行(デフォルト)が発生している件と、中国国内で日本の固定資産税に相当する「不動産税」導入予測については、世界的な不動産市場の動向を定点観測する上で、最近の大きなトピックスの一つです。

 

中国当局、不動産大手を招集し指導 社債利払いを厳命

中国の国家発展改革委員会は26日、主要な業界の企業を集めて会合を開き、外貨建て社債の償還や利払いを着実に履行するよう求めたと発表した。中国メディアによると、招集されたのは不動産大手の幹部ら。中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)懸念を受け、引き締めを図ったもようだ。

中国恒大は10月29日期限の利払いを実施しましたが、デフォルト問題については同社に限らず様々な企業において引き続き懸念されています。特権階級の人物が経営する不動産開発会社も苦境に陥っています。

中国特権層経営の不動産開発会社がデフォルトに

中国の不動産開発会社、花様年控股集団(ファンタジア・ホールディングス・グループ)の創業者、曽潔(別名:曽宝宝)氏は曽慶紅元副国家主席の姪で、かつて毛沢東政権で内務相を務めた曽山氏の孫でもある。

共産党高級幹部の子弟を指す「太子党」の一員である曽氏(50)は、中国不動産セクター全体に波及しつつある混乱の中心人物として注目されている。(中略)

中国政治に関する多くの書籍を執筆した香港中文大学中国研究センターのウィリー・ラム非常勤教授は「中国恒大など多くの大企業や花様年のような太子党絡みの企業に影響を与える不動産業界への締め付けは、共同富裕という毛沢東的思想の理想への回帰を目指す習氏の取り組みと見なすことができる。政治的保護を享受してきたこれらの企業は今や、習氏の新たな命令に従う以外に選択肢はない」と述べた。

現在の中国不動産開発企業各社のデフォルト問題を、「失われた○○年」と言われる日本の平成バブル崩壊と同一視することはできません。不動産開発企業各社の危機が中国経済に混乱を引き起こすことのないように、中国トップから厳しい指令が発せられています。ただし、この問題が世界や日本の不動産市場にどのような影響を与えるのかについては、引き続き注視しておく必要があるでしょう。
中国では、無謀な不動産投機を抑制するとともに、健全な不動産市場の形成などを目的とした不動産税の導入が予測されています。

涙で目がかすむ富裕層、中国でついに「不動産税」導入か

毛沢東の「土地改革」にも匹敵するインパクト

今回のテストケースが2011年に上海市、重慶市に導入されたものと根本的に違うのは、全人代常務委員会から権限を受けた国務院が実施するという国家レベルの政策であるという点。また、全国統一の不動産税立法制定を前提とした最終テストであること。さらに上海、重慶で導入された不動産保有税は、建物に対する徴税だったが、今回のテストケースでは土地使用権に対する課税があるという点だろう。

テスト地域がどこになるか、課税対象がどれほどの範囲に及ぶのか、税率がどのくらいになるのかといった細かいことはまだ不明だが、全体のニュアンスとしては、共同富裕実現を目標とした不動産市場改革の肝となる試みと位置づけられているようだ。

現時点での日本不動産市場に与える影響としては、中国国内で不動産投資マネーを回していれば利益が出ていた状況が変化し、そのビジネスモデルはやや厳しい状況になっているために、それらの不動産投資マネーの一部が、日本不動産市場に流入する可能性があると想定しています。北京・上海など中国本土の不動産価格よりも割安感がある日本の不動産に投資することを検討している中華系不動産投資家は、決して少なくありません。
したがって、東京中心に区分マンション投資や、ビル・賃貸マンションといった一棟物へ投資を検討する中華系不動産投資家へのおもてなしは、日本不動産市場プレーヤーとしてはビジネス上での重要な取り組みの一つになるでしょう。

 

 

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