朝鮮総連中央本部ビル 異例の手法で売却許可
2014.11.25|不動産投資ニュース
「北朝鮮大使館」とも呼ばれていた在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物が不動産競売となり、二転三転した挙げ句、「マルナカホールディングス」が22億1千万円で落札しました。先日ビルの所有権がマルナカホールディングスに移転しましたが、今後もいろいろな展開がありそうです。
ご周知の通り、北朝鮮と日本は非常に繊細な関係にあります。
【ソウル=小倉健太郎】北朝鮮の国防委員会は23日、国連総会第3委員会が採択した人権侵害を非難する決議を「全面拒否」するとの声明を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。米国のほか日韓、欧州などを対象に「未曽有の超強硬対応戦に突入する」としている。国防委員会は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記がトップを務める。
刑事裁判所付託に反発 北が「超強硬戦に突入」と声明 「聖戦で日本も焦土」
日本については、北朝鮮が進めている拉致被害者らの再調査への影響には言及しない一方、「聖戦が開始されれば日本も丸ごと焦土化され、水葬されなければならない」と脅した。
こういった状況において、不動産競売による朝鮮総連中央本部ビル売却について、先日マルナカホールディングス(以下「マルナカHD」)への所有権移転手続きが完了したようです。
朝鮮総連中央本部:競売代金納付で土地建物所有権が移転
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物の競売で、22億1000万円での落札が確定した不動産会社「マルナカホールディングス」(高松市)の競売代金納付手続きが21日、東京地裁で完了した。所有権はマルナカに移転した。中央本部は事実上の「北朝鮮大使館」とも呼ばれ、今後の焦点は総連が速やかな立ち退きに応じるかに移る。
新所有者であるマルナカHDについて見てみると。
◎マルナカホールディングス(2012年以降)
マルナカホールディングスそのものはイオンに譲渡したストア事業を切り離す形で再編。マルナカ本部から独立し、それ以外のグループ会社(不動産業・ホテル 等レジャー業・物流業など)の持株会社兼事業運営会社として再スタートを切ることになった。そのため2012年2月3日、高松市中新町に新社屋を建設した [6]。 2014年3月にマルナカホールディングスが東京都千代田区にある朝鮮総連中央本部の競売に参加し落札した。入札額はモンゴル企業よりも低く22億1千万円であったが、モンゴル企業が不適格となったためマルナカが落札した。
マルナカHD側は、朝鮮総連側に貸与、あるいは転売する意向ではなさそうです。
総連本部売却確定:立ち退き要求、落札業者が方針
◇総連に貸与ない…マルナカホールディングスの代理人の白井一郎弁護士の話
所有権が移転した後、朝鮮総連に立ち退きを求める。今後の活用方針は決まっていないが、総連に貸したり売ったりする予定はない。
朝鮮総連本部の所有権、マルナカに移転完了 明け渡し求める方針
総連本部をめぐっては、1回目の入札で宗教法人最福寺(鹿児島市)が落札したが、資金調達できず購入を断念。2回目の入札では、50億1千万円で落札したモンゴル企業が提出書類の不備で失格となり、地裁は次点のマルナカへの売却を許可した。総連側が不服を申し立て、次点のマルナカに売却を許可した手続きが適法かが争われたが、最高裁は11月4日付で棄却。売却許可決定が確定した。
一件落着しましたが、この競売の入札については、色々なことがありました。
1回目の入札は、最高価買受申出人が代金納付しなかった
朝鮮総連の買収に関係者も「まさか?」と当惑 “怪僧”池口恵観の正体とは?
渦中の最福寺で法主を務める池口恵観氏(76歳)が、何かと話題になっている。北朝鮮の高官から頼まれて朝鮮総連本部の土地・建物を買い取ったと公言しているだけに、注目度が高いのもうなずける。当の朝鮮総連関係者も、今回の買収には驚いている様子。
「池口氏が我々と関係の深い住職というのは秘密でもなんでもありませんでしたが、中央本部のある土地・建物を買い取るとは思いませんでした」などの声も聞こえてくる。
池口氏は“永田町の怪僧”“炎の行者”などと呼ばれ、政治家や芸能人、スポーツ選手との交流も盛んに報じられている。医学博士の肩書を持ち、日本、ロシア、フィリピンなどの大学で客員教授の職を受け持つ傍ら、鹿児島アマチュアボクシング連盟副会長、西日本学生相撲協会顧問などユニークな役職も務めている。
また、小泉純一郎元首相の遠縁であることや、安倍晋三首相に辞任や復帰を助言した人物とも取り沙汰されており、歴代政権の指南役としての顔もちらつかせている。
ところが、代金の納付ができませんでした。
監督官庁の妨害におわせる「購入を不調に終わらせようという人が沢山いる」
「企業から最福寺の口座に、9日午後1時から2時の間に振り込むということになっていた。ところが、時間になっても口座に全く振り込んでこないということが起こった。(寺と企業を)仲介していただいた金融機関に確認したところ、信じられないのだが、『振り込みができない状態になっている』と聞かされた」(中略)
《総連ビルの最福寺による落札後、東京地裁の売却許可決定が確定したのが3月29日だった。その段階で融資を受けた場合、利子は1日当たり高額の利子がかかるため、金融機関と相談し、代金納付期限の5月10日の直前に当たる5月8日に融資が実行される計画になっていたという。実務担当者は「高額の融資には金融庁への届け出が必要とされる」と説明し、その決まりに従って寺側が届け出たが、このときも金融庁からストップがかかったという》
裏事情がありそうですね。
2回目の入札は、モンゴル企業が落札も、無効
朝鮮総連中央本部を落札したモンゴル企業の“怪” 背景で絡み合う思惑とは?
「北の大使館」の競売をめぐる争奪レースが、再び長期化の様相を呈してきた。宗教団体や有名企業の名前が飛び交った事前予想を覆し、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部(東京都千代田区)の土地・建物の再入札で50億円超の高値をつけて落札したのは、知名度ゼロのモンゴル企業「アヴァール・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー」。東京地裁は22日、売却許可の審査期間を延長するという異例の対応を取った。ア社の社長は「ビジネス目的」を強調するが、依然として実態は謎に包まれたままだ。
(中略)
仮にア社への売却が許可されれば、地裁が指定する約1カ月後の納付期限までに、50億円超という資金を集められるかが焦点となる。もし、1回目の入札のように、ア社が資金を調達できなかった場合や、売却自体が不許可となった場合は、3度目となる入札が行われる見通した。
ところが、提出した代表者の資格を公的に証明する文書が無効と判断されてしまいました。
朝鮮総連本部の売却認めず 落札企業に東京地裁
整理回収機構が強制競売を申し立てた在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部(東京・千代田)の土地・建物の再入札で、東京地裁は23日、50億1千万円で落札したモンゴルの企業「アバール・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー」への売却を許可しない決定をした。
法人が不動産競売の入札に参加する場合、代表者の資格を公的に証明する文書を提出する必要がある。東京地裁は、アバール社が提出した文書について、モンゴル政府など公的機関による認証がないとして、入札は無効と判断した。地裁は昨年10月、アバール社への売却許可決定を延期する異例の手続きを取り、同社の落札資格などを精査していた。今後、3度目の入札が行われる可能性が高く、売却までなお時間がかかることになる。
入札では法人の代表者などを記載した書類の原本か、公的機関の認証を受けたコピーが必要とされる。今回、ア社は(1)日本の商業登記簿にあたる書類(2)英訳(3)日本語訳-を提出した。
(1)にカラーコピーとみられる形跡があり、地裁がモンゴル側へ問い合わせたところ公的機関のスタンプがないことが判明。さらに(2)は「公的機関で作成されたものではない」との返答があった。競売手続きに詳しい金子博人弁護士は「高額な落札額を考えると、どうしてそんなところで間違えるのか不思議だ」と話す。
入札で「適法な買い受けの申し出」がなかった場合は、先着順で買い手を決める特別売却という手法もあるが、今回の入札にはア社以外も参加していたため、再び入札となる見通し。
また、不許可決定が確定すると保証金約5億3千万円はア社に返還され、再び入札に参加することも可能だ。地裁関係者は「想定外の事態で、3回もの入札は経験がない」としている。
22億1千万円で入札したマルナカHDは、入札価格的には一般的な不動産競売手続上での次順位買受申出人に該当していなかったため、3回目の入札が行われると予測されていました。(参考:民事執行法第67条)
予想に反して3回目の入札は行われず、マルナカHDがゲット
ところが、3回目の入札は行われずに、2回目の入札手続きを前提に後日開札手続きが行われました。ついては唯一の有効な入札ということで、マルナカHDが最高価買受申出人となりました。
朝鮮総連売却 「開札からやり直す」地裁、異例の手法で売却許可
朝鮮総連中央本部をめぐっては、これまでも「落札者」が現れながら資金調達断念や入札無効という経過をたどった。今回、東京地裁がとったのは「開札からやり直す」という異例の手法。立ち退きを求める方針のマルナカホールディングスに対し、総連は3回目の入札を求めて執行抗告しており、東京高裁の判断に注目が集まる。
今回、地裁が参考としたのは平成22年の最高裁第1小法廷決定だ。最高価で入札したものの執行官のミスで無効と判断された入札者の不服申し立てが認められたケースで、入札からやり直さなくても「開札期日および売却決定期日が指定されれば足りる」との補足意見がつけられている。
地裁は総連本部についても2回目の入札の仕組み自体は生かした上で、開札手続きからやり直し、落札者となったマルナカへの売却を許可した。地裁は、この手法をとった理由について、入札からやり直せば「入札人(マルナカ)の保護に欠けることになる」ためとしている。
事実、入札自体を一からやり直せば、マルナカが今回示した22億1千万円で落札できる見込みは少ない。また、地裁決定が「迅速な不動産執行の実現にも資する」としているように、裁判所側にも、何度も入札を繰り返すという事態を避けたいとの狙いもある。
3回目の入札が行われなかったことについて問題になりました。
今回の地裁の決定に対し、南副議長は「(決定は)公正さを欠き不当。在日朝鮮人の生活と権利を守る総連中央本部の役割を無視しており、朝日関係に重大な禍根を残す」などと述べた。
中央本部は千代田区富士見にある土地(約2390平方メートル)と建物(地上10階・地下2階建て)。
総連本部競売、1億円納めれば売却停止 最高裁
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物の競売をめぐり総連側が申し立てた許可抗告について、最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)は、総連側が供託金1億円を納めることを条件に、一時的に売却許可決定の効力を停止する決定をした。
この頃、政治家などが絡む問題があるのではないかと指摘されたこともあります。
朝鮮総連本部「売却決定」で拉致問題に暗雲――マルナカ説得に失敗した官邸の失態
「菅(義偉)官房長官は、いろんなルートを使って、総連への退去を求める方針のマルナカを翻意させようとしていた。地元政治家、取引銀行、行政などが個別にマルナカ側と接触していた」
最高裁が朝鮮総連中央本部ビルの売却中断決定の裏側
「官邸は、一回目の入札の頃の総連系企業への売却を阻止する方針を転換、総連の継続使用を認める方向でマルナカへの説得に入っていました。総連は、地裁や 高裁のマルナカへの売却を認める決定に対し、執行抗告で抵抗する一方、マルナカの売却に備えて資金的な“受け皿”を用意していた。マルナカは、『所有権が移転すれば総連には出て行ってもらう』という方針は変えないものの、密かに転売先を探していました」(朝鮮総連に近い不動産業者)
最終的に、最高裁は今月、朝鮮総連側の抗告を棄却しました。
売却許可決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件
不動産強制競売事件の期間入札において,執行官が無効な入札をした者を最高価買受申出人と定めたとして売却不許可決定がされ,これが確定した後,再度の開札期日を開くこととした執行裁判所の判断に違法がないとされた事例
本件競売事件の期間入札において入札をしたのは,BとCのみであり,当初の開札期日において,執行官がCの入札を誤って有効と判断したという瑕疵(以下「本件瑕疵」という。)がなければ,当初の開札期日において,Cの入札は排除され,Bの入札を無効とすべき事情がない限り,Bが最高価買受申出人と定められるべきであったといえる。そして,Bは,Cに対する売却不許可決定が確定した後,当初の入札までの手続を前提に再度の開札期日が指定される場合には,なお本件不動産の買受けを希望し,執行裁判所の定める期間内に買受けの申出の保証を再度提供する旨を明らかにしていたところであり,他にBの入札を無効とすべき事情があったことはうかがわれない。
このような場合に,本件瑕疵があるからといって,既に行われた入札までの手続を含む売却の手続全体が瑕疵を帯びると解すべき理由はないから,再度の開札期日においてCの無効な入札が排除されれば,当初の入札までの手続を前提に売却の手続を続行するのに何ら支障はない。当初の入札までの手続を前提に再度の開札期日を定めてその後の手続を続行することは,本件競売事件における公正かつ迅速な手続による売却の実現に資するものとして合理的なものということができる。
追記)B:マルナカHD C:モンゴル企業
当初の開札手続きに瑕疵がなければ有効な入札はマルナカHDのみであったということが理由のようです。
この最高裁判決は、「最高の価額で買受けの申出をした入札人の入札を誤って無効と判断」した事件に関する平成22年8月25日の最高裁判例をもとになされています。
(最高裁平成22年(許)第2号 平成22年8月25日第一小法廷決定・民集64巻5号1482頁)
執行官が入札を誤って無効と判断した場合に改めて行われる売却の手続は,飽くまで当初の手続の瑕疵を治癒するために,その限度で行われるものであって,当初の入札までの手続を前提に改めて開札期日を開いて最高価買受申出人を定め直すものにすぎない。そうだとすると,新たに売却実施処分(法188条,64条3項参照)を経る必要はなく,改めて開札期日及び売却決定期日が指定されれば足りると解するのが相当である。
今回の事件は、この判例と逆で「最高の価額で買受けの申出をした入札人の入札を誤って有効と判断」した場合でしたが、この判例を用いて3回目の入札手続きは行わず、2回目の入札までの手続を前提に再度の開札期日を開くこととした執行裁判所の判断に違法があるということはできないと最高裁は判断しました。
今後は立ち退き交渉?
ところが、所有権移転が完了したとしても、マルナカHDがこの不動産を自由を使うことができるというわけではありません。仮に、朝鮮総連中央本部に立ち退きを要求したとしても、すんなり朝鮮総連中央本部が立ち退きに応じると決まったわけではありません。
もし立ち退きに合意しない場合は、マルナカHDは一定期間内であれば裁判所に不動産引渡命令の申立てができます。
1 申立ての期間等
(1) 所有者及び民法395条1項の明渡猶予が認められない占有者を相手方とする場合
執行裁判所における代金納付手続が完了すれば,引渡命令の申立てをすることができます。
申立ての期間は,代金納付の日から6か月以内です。ただし,代金納付時に民法395条1項の明渡猶予が認められる使用者が占有していた建物についての申立ての期間は,代金納付の日から9か月以内です。
ただし裁判所から引渡命令が出ても、朝鮮総連側は引渡命令正本が送達を受けた翌日から起算して1週間の期間内に不服申立て(執行抗告)を行うことができます。
不動産引渡命令が確定するまでは、強制執行ができません。
要注意! 弁護士以外、例えば不動産業者に立ち退き交渉を依頼すると違法の可能性があります
不動産競売の立ち退き交渉といえば、強面の不動産屋(宅地建物取引業者)がやってくるイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、基本的に立ち退き交渉は弁護士の仕事です。
立退交渉の代理と弁護士法第72条違反の問題
弁護士法第72条は、弁護士資格のないものが報酬を得る目的で法律事件を取り扱う業務を行うことを禁止しております。これに違反した場合には「2年以下の懲役又は300万円以下の罰金」に処されます。
ところで、建物の立退交渉は、賃貸借契約に関する借地借家法第28条の更新拒絶の正当事由の有無や立退料の要否やその額をめぐる高度な法律的判断を要する事柄ですので、法律事件に該当します。また、上記のような立退交渉は、更新拒絶の正当事由があるとする賃貸人側の主張と正当事由がないとする借家人側の主張の対立を当然の前提にしたものですので、法律事件としての事件性の要件も満たすと考えられます。
しがたって、弁護士以外のものが報酬を得る目的で立ち退き交渉を行うことは、弁護士法第72条違反に該当しますので、宅建業者であっても報酬を得る約束の下で、建物所有者の依頼を受けて立退交渉を代理することは出来ません。
弁護士資格等がない者らが,ビルの所有者から委託を受けて,そのビルの賃借人らと交渉して賃貸借契約を合意解除した上で各室を明け渡させるなどの業務を行った行為について,弁護士法72条違反の罪が成立するとされた事例
マルナカHDが朝鮮総連側に立ち退きを望んだ場合、日本の法律上は時間の問題で立ち退きをしてもらいます。ただし、この競売不動産についてはさまざまな裏事情が絡む繊細な問題によって手続きが長期化するかもしれません。
この競売不動産は、過去に元公安調査庁長官などが絡む仮装売買疑惑が持ち上がったことがあるほど諸問題を抱えていました。
◎朝鮮総連本部登記移転と仮装売買疑惑
2007年6月12日のメディア各社の報道において、在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)の中央本部(東京都千代田区富士見2-14-15)の建物及び敷地の登記が、5月31日付けで元公安調査庁長官であった緒方重威が代表取締役を務める「ハーベスト投資顧問株式会社」へと変更されていたことが判明した。
その後、この所有権移転登記は同2007年6月18日に予定されていた東京地方裁判所における朝鮮総聯への不正融資疑惑に関する判決に続いて予想される整理回収機構による資産の差押を逃れるための仮装売買である可能性が高いことが報じられた。あわせて、土台人の疑惑や日本人拉致などの種々の犯罪に関与したなどとして、破壊活動防止法の適用も視野に入れた捜査・調査が進んでいるとされる朝鮮総聯に対して、調査活動を担当する側である公安調査庁の長官経験者が 積極的な方向で関与していたことなどが主に批判された。
この一連の取引きの背後にあるものは、時が来れば判明するのかもしれません。
今後マルナカHDが自ら(あるいはグループ内で)利用するのか、あるいは転売するのか、もしくは誰かに貸与するのか、 不動産競売による朝鮮総連本部ビル投資の出口を見守ることとします。
マルナカHDはイオングループなど大手企業と親しい関係のようです。もし転売する場合、純粋な不動産投資という視点としては相当多額のキャピタルゲイン(転売益)が見込まれます。
もしくは、これまで紆余曲折あった競売不動産ですので、今後予想外の出口戦略(利活用方法)が示されるかもしれません。
朝鮮総連、本部立ち退き後のスキーム準備か 早稲田大学教授・重村智計
立ち退きがスムーズに進むかは疑わしい。北朝鮮側が拉致被害者12人の情報を出す代わりに、日朝政府間で総連の土地・建物に関する非公式の合意をしたという情報もある。マルナカホールディングスがほとぼりがさめた頃に朝鮮総連系企業に転売し、朝鮮総連へ賃貸するというスキームだ。総連ビル問題の発端は、破綻した朝銀の1兆5千億円を越える不良債権だ。それを補うために約1兆4千億円の公的資金が投入された。公的資金の額としては最大規模で、当初から政治的な疑惑を呼んでいた。
拉致被害者お一人の平和を積み重ねつつ、全面的に問題が解決されることを祈ります。
不動産競売による最近の投資状況は?
競売不動産には、全て事件番号が付与されます。事件ですから、ネットオークションとは異なり、一般の方が安易に入札すると取り返しのつかないことに繋がる場合があります。
立ち退き直後に放火容疑で逮捕 茨城、元居住者の男
住宅は2009年に水戸地裁下妻支部管理の競売物件となり、11年に東京都の不動産会社が取得。その後も青木容疑者は住み続け、今月6日に強制執行を受けて立ち退いた後、住宅に戻り火を付けたという。
競売マンションが自殺物件であったことについて、執行官・評価人の調査義務違反を否定した事例
競落人が、競落したマンションがいわゆる自殺物件であったのに、執行官および評価人が必要な調査義務を尽くさず、現況調査報告書および評価書に記載しなかったため、自殺物件とは知らずに購入し損害を被ったとして損害賠償請求をした事案において、執行官および評価人に調査義務違反があったとはいえないとして損害賠償請求が棄却された事例
一方、事件が複雑であればあるほど、その事件を解決することができれば多額のキャピタルゲインを得ることができる可能性があります。
今回の競売不動産のように、複雑な問題が絡む競売不動産にあえて挑む方は極めて少ないですが、事件性が低い競売不動産の場合は状況が一転、競争率が大幅に上がります。
現在、投資したいと思う不動産競売物件は、競争が激しすぎてまず落札できません。入札手続きコストや時間がもったいなく感じる程、高額な落札者が多く、対抗できません(苦笑)。先日弊社でも所有権が半分しか入手できないという玄人向のビルに入札しましたが、入札者数も多く、落札金額も高額すぎて全く話しになりませんでした。
また知り合いの東京の不動産エージェントによると、転職に際して、「不動産競売が専門です。」とアピールしても現在の不動産競売市場では活躍できるフィールドがないと思われてしまい良い結果にはなりにくいようです。
過去20年の間、競売不動産に入札しても全く太刀打ちできない時期が度々ありました。しかし、リーマンショック直後のように一瞬の風向きの変化により、厳しい条件を持つ私たちの投資目線であっても連続して東京都内の競売不動産を落札できたこともあります。この風向きの変化は、突然やってきます。その変化の時期は大抵は何らかの金融危機直後ですので、世間一般的には喜ばしい時期ではありません。言い換えると、今のようなバブル的な市況の時に安易に不動産投資に走ることは、通常の不動産売買市場であれ競売市場であれ避けるべきだということです。