本当は怖い不動産投資
2016.12.29|不動産投資ニュース
学校の先生は「夢を追う」ことを推奨しても、具体的な手段やコスト等まで教えてくれません。不動産投資セミナーで一時の成功者から刺激を受けたポジティブ思考だけでは、かえって夢が遠のいてしまうばかりではなく、自己破壊的な投資の道を歩む場合も多いように思います。
不動産投資は、他の金融商品と比較して流動性・換金性が低い商品です。「失敗したかも」と思う前に、定期的に所有物件を今売った場合の売却価格、近隣の家賃相場を基に収支を計算しておくことが望ましいです。そこで、失敗するリスクが高いと判明した時点で、多少の損失が発生しても出来るだけ早い段階で売却を検討したほうが良いでしょう。
不動産投資事業を営む上での重要な要素は主に、
・投資用不動産を購入する際の価格と、売却できる価格
・金融機関の融資金利と融資期間
・空室対策
です。
不動産価格サイクルの先行的指標(2016年)~大半の指標がピークアウトを示唆~
一方、今後の不動産価格の下落リスクについては、各指標が示すとおり、サイクルに従った下落局面が予想される。当面は低金利の継続を前提に大幅な価格下落は想像し難いものの、低金利によって高騰してきた不動産価格は、マイナス金利の国債と同様、長期の金利上昇リスクを抱えている。最近、日銀の買い取りを見込んだ短期の国債投資を傍目に、機関投資家が長期の国債投資を縮小している。流動性が低く、売買コストも高い不動産は、長期投資向きの資産であり、ましてや、日銀が直接買い取ってくれるものでもない。国債バブルといえる現在の不動産投資に際しては、長期の視点から、改めて将来の金利上昇局面での対応を検討しておきたい。
しばらく不動産価格上昇の可能性は低いと思いますので、所有不動産を高額で売却できる可能性は低い市況になると思います。
投資用不動産については、日銀が直接買い取ってくれるわけではありませんので、日銀の買取による値上げを見込んだ投資も出来ません。
タワーマンション及び一棟物不動産の短期転売が大々的にメディアで宣伝される頃には、そう言った市場は得てしてピークアウトしており、私たちのような不動産投資専門の業者ですら、安易に不動産投資をすることは自ら墓穴を掘りかねない状況です。
不動産投資に失敗する人の特徴
不動産投資を始めようとしている人にとって最悪な事態は、金融機関へのローン支払いが不能になってしまうことでしょう。そのような事態を回避するために、不動産投資で失敗する人の特徴を踏まえて説明します。
ポジティブ思考は否定しませんが、それだけでは不動産投資で失敗しかねません。以前、
銀行や不動産屋の甘い言葉に乗せられ、不動産投資で多額の損失を被る方が続出しているという記事が公開されています。残念ですが、そういった方々が存在するのも事実です。
不動産投資で資産形成が簡単に出来るという勧誘が目立ちます。超低金利の時代、独身女性やお医者さんなどがターゲットになりやすいという、悪徳商法に詳しい法曹関係者からのコメントなどについて見てみましょう。
という記事を記載しましたので、併せてご一読ください。
ロジカルに物事を考えましょう
以前にも記載しましたが、不動産投資の収支計算のほとんどは、
「永続性が保証されない収入」-「想定外の支出額と金利変動リスクのある返済額を含む支出」
という単純な四則演算で可能です。
その演算をする上では、ポジティブ思考だけでは困難です。
しかし、何も大げさなストラテジーを立案しなくても良いです。
性善説に立たないことと、想定外の出来事、言い換えれば「人生のまさか」に備えることを前提に、丁寧な収支計算を積み重ねましょう。
従来の日本人は、「お金儲け」の話をすることを嫌います。
それについては否定しません。
「お金儲け」をしないのであれば、一般的に不動産投資は不要です。
「お金儲け」をするならば、現実を直視しましょう。
——西野さんは、著書『魔法のコンパス』でお金の話をしっかりとされていますが、普段はなかなか言いづらいことですよね。
「夢を叶える為には切り離せない要素なので。本当なら、小学校から『お金』の話は絶対にするべき。だけど、学校の先生は教えない…正確に言うと、教えられない。なぜなら、学校の先生が一番苦手な科目が『お金』だから。学校の先生になられる方は、研修として、一度社会に出た方がいいと思います。学校の先生はお金の話をせず、<夢を追え>と話します。夢を叶える為に必要な生活費や、活動費用はそっちのけ。結果、夢が遠退いてします。僕は夢を実現させる為に必要なお金の仕組みや、僕が本を作るためや、個展を聞くためにどれだけお金がかかったかということをしっかりと書きます。でも、そういうことを書くと、『お金の話をするなんて、汚い』と言う方が一定数いらっしゃいますね。ものすごくアホなんだと思います」
(中略)
僕は、恐怖を取り除くのはポジティブシンキングではなくて、ロジカルシンキングだと思っています。『こうで、こうで、こうなるから、大丈夫』ということを具体的に理論立てて説明し、納得さえできれば、人はポジティブになれる。
今年もエステートブックスの記事をお読み頂き、ありがとうございました。
今後の皆様のますますのご活躍とご発展を祈念致します。
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