不動産からブランドビジネスへ「GINZA SIX(ギンザ シックス)」LVMHグループ
2017.5.23|コラム
「GINZA SIX」(ギンザ シックス)は、先月オープンしてから約1か月が過ぎました。オープニングセレモニーには、安倍首相や都知事と並んで、ヴィトンやディオール、フェンディ等の高級ブランドを数多く傘下に持つ「LVMHグループ」会長兼CEOのベルナール・アルノー氏の姿もありました。
ギンザ シックスはJ.フロント リテイリングの中核企業である大丸松坂屋百貨店の松坂屋銀座店の跡地を中心に開発。運営に当たっては、大丸松坂屋百貨店以外にも、森ビルやL キャタルトン リアルエステート(LVMHグループをスポンサーとする不動産投資・開発会社)、住友商事の4社が出資したGINZA SIX リテールマネジメントがこの施設の運営を担う。
オープンセレモニー写真の一番右側の方が、ベルナール・アルノー氏ですね。
ネット通販大手企業に押されて収益性が悪化している既存の百貨店ビジネスに対して、「脱百貨店」を掲げるGINZA SIXにはLVMHグループの力が必要不可欠だと思います。
以前、
ブランド帝国モエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)系不動産投資ファンドも参画。銀座で大規模再開発が進行中
銀座の中心部で大規模再開発が進行中です。6丁目中央通沿いでは、100m以上にもわたって銀座エリア最大級の商業施設が開発されようとしています。この再開発には、世界最大手のブランド帝国モエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)が出資する不動産投資ファンドも参画しています。
という記事を書きました。併せてご一読ください。
余談ですが、LVMHグループのブランドはどのくらいご存知でしょうか。
私が思い浮かべやすいのは、以下のようなブランドです。
「ルイ・ヴィトン」
「ロエベ」
「セリーヌ」
「ディオール」
「フェンディ」
「ジバンシー」
「ダナ・キャラン」
時計関係では、「タグ・ホイヤー」
シャンパン関係では、
「モエ・エ・シャンドン」(「ドン・ペリニヨン」で有名)
「ヴーヴ・クリコ」
免税店で有名な「DFSグループ」
これからのビル経営には、ますますクリエイティビティが必要です。
GINZA SIXのインテリアデザイナーは、これまで数多くのLVMHブティックのデザインを担当している「キュリオシティ」社を設立したグエナエル・ニコラ氏でした。
皆さんは銀座に行くとき、どこを中心に捉えますか? もしかしたら、今は銀座4丁目の交差点かもしれません。でも、私は「とりあえずGINZA SIXで待ち合わせしましょう」という状況を作りたい。
これまでの商業施設にはないインテリアを持つGINZA SIXが、皆さんに愛されて、銀座の新しいスタートポイントになってくれることを願っています。
GINZA SIXは、不動産とラグジュアリーがコラボしていると言えるでしょう。
その根幹的な存在のLVMHグループ力を率いるアルノー氏のビジネスは、昔から日本人が大切にすることにより成功したように思います。。
「ラグジュアリー企業にマーケティングの概念は不向き」 アルノーLVMH会長兼CEO流ブランドビジネスの必勝法
アルノー会長兼CEOは、ラグジュアリー企業にマーケティングの概念は不向きであると言い放った。「ビジネススクールで講義をすることがあるが、学生たちの多くはLVMHのマーケティング戦略について聞きたがる。『LVMHではマーケティングはしない』と説明すると、学生たちは残念そうにしているよ。LVMHへの就職を希望する人も多いが、『マーケティングがやりたいならうちには来るな』とはっきり言っている。
(中略)
初心を忘れない企業文化
「今、世界で最も企業価値が高いといわれるアップル社も、1997年には破綻寸前であった。ビジネスの世界では何が起きてもおかしくはない。常にクリティカルで、現状に甘んじることがあってはならない」と、築き上げたビジネスはきっかけひとつで簡単に崩れ去ることを強調した。彼は LVMHにおいて、常に自分自身への問いかけをやめることなく、慎重な姿勢を保ちつつも革新を続けるという企業文化を築いた。
(中略)
LVMHの財産とは
最後にアルノー会長兼CEOは、「LVMHの最大の財産は人材。グループに成功をもたらしたのは皆のチームワークにほかならない。この場を借りて12万人のスタッフに感謝を伝えたい。今後も素晴らしい人材を引きつける企業であり続けることに努めたい」と話した。
決して経営状況が右肩上がりとは言えない中小企業の入居者の奪い合いが繰り広げられるビル経営では、立地条件に限らず、いかに入居者の事業を支援できる不動産であるかが、ますます重要な経営要素の一つになりますね。不動産投資とクリエイティビティはますます切っても切れない関係になりそうです。
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